スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

困ったときに頼りになる人の特徴とは

ここ数回、フィットネスというものとは異なるテーマで文章を書いていますが、メンタルヘルスという意味でとらえてください。

 

自分の体験から、精神的に苦しい状態になったときにどんな人に助けを求めればいいか、について書いていきます。

大したことはないのですが参考にしていただければ幸いです。

結論を書いてしまえば、前回記事のタイトルのような「何度も話を聞いてくれる人」というのが頼りになる人なわけですが、すこし掘り下げていきます。

 

残念な話ですが、精神的に辛い状態やうつ状態になった時に頼りになる人というのは、そうそういるもんじゃない、というのが現実です。

まず、現在の50~60代の男性、いわゆる「会社の上司」とか「偉い人」にあたる年代の人々がそもそも頼りになりません。

そして我々(筆者は30代の男ですが)の親世代も同様です。

親に相談しても何の解決にもなりません。

 

年間の自殺者が約3万人。

精神科や心療内科の受診者数が右肩上がり。

細木数子のようなインチキ悪徳占い師がスターになってしまうようなことが起きる。

よりそいホットラインのような電話相談のサービスは常に電話回線がパンパン、などという現象が続いているのは、皆さん(我々)の身近に頼りになる人がいないということの表れです。

 

では、そんな人たちの中から数少ない「頼りになる人」の特徴とは何か?

それは「話を膨らませられる人」です。

色々なことに興味を持って行動している人や自分の頭で自分の人生を考えて生きている人というのは間違いなく話題が豊富です。

一つ話を振るとそこを皮切りにいろいろと話を展開してくれます。

 

そのように、自分が生き残っていくためにいろいろと試行錯誤をしている人ばかりがそばにいてほしいものですが、どの職場でも1名いれば良いほうだというのが現状でしょう。

いるとしてもそれはスポーツ選手とか大企業の創業者とか、そういった人たちになってしまいます。スポーツ選手も企業の創業者も0から1を生み出してそれを2,3へと増やしていく工夫をしなければ生き残っていけない環境下にいる(いた)人たちです。

そういった人たちの辛い経験や苦難をどう乗り越えたのかという具体的な工夫は、精神的な辛さを抱える人にとっては心の支えになったりします。

ですから、イチローや松井の本を読んだり、松下幸之助井深大の自伝などを読むほうが心理的に救われたと感じることが多いのです。

 

反対に何も考えていない人、というのはいつも「同じような話題」や「中身のない会話」をします。同じような背格好の仲間といつも組んで休憩時間にいつもと同じような会話をしてケタケタ笑っている、というような人いますよね?

そんな人ばかりかも知れません。

こういういう人たちはほぼ確実に頼りになりません。その人自身に中身が無いからです。

ポジティブシンキングとか明るく前向きというのは言葉の響きとしては美しいものですが、実際は中身が空っぽということが大半だと私は考えています。

 

根拠のないポジティブはバカに等しいと私は思っていますが、

日々何かを考えている人や中身がある人というのは根拠のないポジティブな言葉はめったに使いません。

常に具体的な発想があり、その上で「○○だから大丈夫」「○○だから××したほうがいいかも」などという考え方の提供をしてくれます。

 

話題が豊富かどうか。

一言に対して話を広げてくれるかどうか。

中身がある人かどうか。

 

身の回りにいる人をこの目線で見るようにしてみてください。

だれが頼りになる人か、わかります。

 

何度も話を聞いてくれた人

前回記事の続きです。

 

私が経験したうつ症状からの脱却には色々な要因と根本的な解決がありましたが、改めて振り返ってみて「この人のおかげだ!」と思える人としてまず頭に浮かぶのはその「話を何度も聞いてくれた人」です。

その人自身の優しい性格もあると思うし、逆に言えばその他の人がいかに本音ではなく打算や「こいつと組んでおくほうがいい」というメリットを計算して付き合いを持っていたかということの証明でもありました。

 

その人というのは一般的に言えば「仲良し」というほどの関係ではありませんでした。職場で会えば普通に会話をしますが、しょっちゅう一緒にどこかへ行くというほどではなかったです。

なぜその人が最も印象に残り、今後も連絡は取り続けたいなと思える人なのかというと、「中身がある人」だったからだと思います。

私には「一緒にトレーニングに行きませんか?」と誘ってくれるスタッフがいましたが、そのスタッフに相談しても何の解決にもなりませんでした。

 

そのスタッフは中身がないのです。やりたいことや目標というものがありません。消防士になるという目標はありますが、それは「安定のため」です。

いい給料をもらって、休日もしっかりとれる(民間企業よりも多く)、仕事は基本的ルーティーンが決まっていて頭を使うことがない、社会的にそれなりに地位もある(モテる)ということで消防士や自衛官は人気の職業だそうです。

彼が消防を目指していたのはまさにそういったことのためでしたので、そんな人からはポジティブな考え方や発想などが出てくるわけがありません。

 

それに対して、その何度も話を聞いてくれた人は違っていました。

人生が終わっちゃった感じがするんだよ・・・・と私が漏らすと

「家があるだけで最強ですよ!いくらでも大丈夫ですって」

「人とのつながりを大事にしていけば後につながりますから」といった具合に

一言に対してそれを何倍にも増やして返してくれました。

それも、何回もです。

 

恥ずかしい話ですが、

午前中から「今、ちょっと不安定・・・頼らせてくれ」などをLINEをその人に贈ったことも何度もあります。

そのたびに毎回違うメッセージを最低でも2行くらいの文にして返してくれました。

 

おそらく3か月くらいはそんなやり取りをしていたと思います。

 

ありがとうという言葉が本当に心の底から出てきたのは

この人くらいなのかもしれないと思えるくらいでした。

 

この差は何か、というと消防を目指す人とは違い、その人自身に「ぶら下がる」という発想がないのです。自分が何をやりたいのかが行動の判断基準にあるため、常に頭を使っているのです。ですから一言に対して何倍もの発想が出てくるというとこなんですね。

 

多くの民間企業や公務員でも「自分なりに目指すビジョン」というものを持って毎日の中でも少しずつ前進している人というのはそうそういるものではないでしょう。

ですから、精神的に辛くて上司や同僚に相談をしても何の解決にも、症状の改善にもつながらず、アルコールに頼ってしまったり、薬漬けになってしまって余計に病んでしまうことになるのです。

「健康の切れ目が縁の切れ目」とでも言うのでしょうか、そうやって入院などするようになってしまうと周囲はあっという間に他人に変わっていってしまいます。

 

うつに苦しんでいる人はどうにかこうにかして「話を聞いてくれる人」それも「何度も聞いてくれる人」を探すことです。

運もあるし、大変な作業です。

宗教団体というのは基本的にその二つを満たしてくれるわけですから、心の救いを求めてどこかの団体に入信している人も多いですけれど、それはお勧めしません。

 

何度も話を聞いてくれる人を、なんとか見つけてください。

うつに効くのは「話をすること」と「それを何回でも聞いてくれる人」に巡り合うこと

ここ数日、うつに関する自分の経験を踏まえた話を書いています。

健全な精神に肉体が宿るという言葉の通り、心の不安をどれだけエクササイズによって解消しようとしても事実上無理なのです。

昨日書いたとおり、ポイントは「話すこと」にあります。

残酷な話ですが、根本的な解決は「状況の変化」なので、それが起こらずに自ら命を絶ってしまう人が年間3万人もいるという事実もありますね。(もっと多いでしょう)

 

話すこと、それも「何度も話すこと」というのがポイントです。

1回薬を飲んだだけで症状がすっきり改善されることはあり得ないことと同様に、「話すこと」も何度も何度もする必要があります。

何回も抗うつ薬や精神薬を飲むよりはずっと効果的で安全なことに間違いありません。

 

前回の記事の通り、私はいろいろな人に話をしました。

その経験から得られたことは前回の記事内容の他にもあります。それは

「1回の相談で十分だろう」ともっている人があまりにも多いということです。この傾向は前回記事の「何にもない人」に相当するので共通点と言えばそうかもしれません。

(人物の特徴はまた別記事で書きます)

相談を持ち掛けてもさらりとスルーしていく人も多いのですが、

話を聞いてくれる人もいます。しかし、1度だけなのです。

2回、3回と話をすると「またか・・・・」という表情をしてあきれながら「大丈夫!今できることをひとつずつやればいいの!」などと言ってそのまま音信普通になってしまった人が前回記事で触れた「離れていった人」です。

今できることをやったってこのまま年老いて終わるだけだろ!と叫びたくなりました。

 

人に話をすると頭の中が整理されてすっきりするので一時的には落ち着きを取り戻せるのですが、症状が強いとまた不安感がぶり返します。

これによって酒やタバコ、人によっては覚せい剤にまで頼ってしまうんだろうなということも推測できます。

なかなかつながらない「よりそいホットライン」に何回も電話をかけまっくたりもしました。

大事なことは「同じ話でもいいから何度もすること」にあります。その繰り返しによって脳が正常な状態を取り戻していくといいうのでしょうか。

 

ですから「何度も話を聞いてくれる人」が必要になってくるわけです。

これが難しいのです。友達だと思ってた人が実はそうでもなかったという事実を突きつけられることにもなります。

 

私の場合は、約30人ほどのスタッフが現在の職場にいるのですが、その中でたった二人だけ、それももっと正確に言えば一人だけでした。たったの一人です。

 

長くなりましたので、その人については別記事に続けます。

エクササイズよりもうつに利いたのは「話すこと」

明日に続けます、言いながら投稿をしなかったことをお詫びいたします。

 

前回の記事の続きを書いていきます。

 

私が実際にそうだったのですが、強烈な不安感(もう手遅れだという絶望感)に襲われ、

「もしかしてうつ病か?」と考えた人や医者からの診断を受けた人というのはどうにかこうにかしてその症状を緩和させようとします。

(私の場合はとにかく収入を増やさなきゃ!という強迫観念に駆られてアルバイトに応募したりもしました)

 

そしてついやってしまうのがネット検索による解決法の検索です。

自分でもネットに出回っている情報にロクなものは無い、と知りながらもやってしまいます。そのくらい「何とかしたい!」と思う独特の辛さなんですね。

そこでヒットする数々のうつに有効とされるエクササイズは事実上全く効果なしだということは前回書きました。

 

では、何が有効だったのかというと、とにかく「話すこと」でした。

自分の周囲にいる人や友人たちにとにかく色々と話すことが「ああ、まだ道はある。大丈夫だ」と思わせてくれる方法でした。(自分にとっては)

 

恥ずかしいとか、気まずいなどという余裕は正直ありませんでしたから普段は全く連絡などしない人にも連絡を取ったりして、LINEや電話や直に会ってなど、様々な方法を取りました。

当然、あきれる人もいましたし、その相談をきっかけに逆に疎遠になってしまい、友人としての関係が終わってしまった人もいます。

でも自分はそれでもよかったと思いました。

(元々友達も少なく、学生時代にサッカーなどチームスポーツをしていたわけではないので、そういった「部活の仲間」と呼べるような友人もいませんが)

 

本当の友人が誰なのか分かった、などというくさーいものではなく、うわべだけの付き合いで適当な会話をしていればいい人と、ちゃんと親切に話を聞いてくれる人の区別がつくようになったということです。

そして自分を磨く努力をしていて「中身がある人」とそうでない人の区別もつきました。

中身のない人に相談をしてほんとーーーに、なんにもなりません!

 

人生の中で特に失敗したこともなければ、大きなショックを受けるような経験もない、何かにチャレンジしたことなければ今後するつもりもない人や

普段から何も考えていない人、何事にも興味がない人に相談をしても効果はゼロです。

 

だってその人自身がゼロなんですからね。

 

まずは医者ではなく、身近にいる人に自分の心境を聞いてもらいましょう。

そして聞いてもらう人はできるだけ中身のある人を選びます。これは自分のセンスに頼るしかないのでいわばギャンブルになってしまいますが、朝日を浴びるだの軽めのジョギングをするだのというよりはよほど有効です。

うつ病にエクササイズは効果なし

非常に恥ずかしのですが、実は私はうつ病になってしまった経験があります。

フィットネスに関わる身でありながらそんなことになるとは思ってもみなかったのですが、その経験によって学んだことも多いのでそれについても少しずつ触れていきます。

 

うつに苦しんでいる方は非常に多いでしょうし、自分でもなってみて初めてその辛さというものがわかりました。

私の場合はあくまでも自己判断です。医者に「うつ」と診断をされたわけではありませんがどう考えれてもあれうつでした。

 

特徴的なのはうつになる瞬間です。

ある日突然、得体のしれない強烈な不安感が襲ってきました。

それは自分の人生がずっとこのまま変化しないでもうただ年を取って死んでしまうだけだ、という絶望感とも言えます。

そこについて詳しく掘り下げていくのは後日とします。

 

さて、そうなるとそんな不安感を払しょくするために色々なことを試すようになります。うつはセロトニンというホルモンの減少の影響があるなどと聞けば朝日を浴びてみたり、有酸素運動をしてみたり、筋トレをしたり、うつに利くという食べ物を色々試したり、あらゆることをやってみました。

 

しかし、私の場合ははっきり言ってそれらは「効果なし」でした。

病院へ行けばいいだろうと人から言われたりもしましたが、いわゆる向精神薬を継続的に使用することで現れる体への影響についてはさらっとですが勉強をしていたので医者にはいかない!(いっても意味がない)をそこだけは決めていました。

 

規則正しい生活をしても、エクササイズをしても、それらによって症状が緩和されることはありません。「うつ病」と検索をかけると「これが利く!」として様々な方法や食品がヒットしますが「すべて意味がない」というのが私の感想です。

運動や健康のアドバイスをする仕事なのにそんなことを言ってしまいますが・・・。

 

ネット検索でヒットする情報や病院が行う薬の処方というのはいわば「対症療法」です。症状を軽くしようとするだけなので、酒を飲んで酔ってその時だけやなことを忘れるとか、

適切な例ではないですが覚せい剤などの麻薬で多幸感を一時的に味わうことを何ら変わりはありません。

 

治すために必要なのは根本的な解決、つまりその人にとっての「状況変化」が起こることが必要です。

 

例えば職場に怖い上司がいるとか、どう考えても頭がおかしんじゃないかと思うような人がいる職場で仕事をしなくてはならないということが原因でうつを発症している人の場合、その職場が変わらないかぎりその人の精神も安定しません。

 

実際にはありえないのですが、いきなり自分だけが出世して周囲の奴らより偉い役職に就くとか、いやな上司が左遷されてどこかに行ってしまうとか、そういったことが起こればその人のうつ症状はあっという間に改善されます。

 

学校などでも同様でしょう。いじめられて苦しい思いをしながら学校に通っている人でも自分をいじめてくる奴らが全員インフルエンザにかかって学校を休んだとしたら、それだけでその日は強烈な安心感&ストレスフリー感を得られます。

 

うつ病にエクササイズは利きません(トレーナーが言うのも変ですけど)。

必要なのは根本的は状況変化です。

明日以降に続けます。

日本は人生をあきらめた人にはパラダイス

ブロガーのちきりんさんとプロゲーマー梅原大悟さんの対談本が非常に面白く、ネット検索をしたらその本に関しての二人のトークイベントの様子が動画として残っており、そちらも非常に面白い内容でした。

 

イベントの最後に行われた質問コーナーでちきりんさんが

「日本は人生をあきらめた人にとってはパラダイス」と言っており、まさにその通りだと思いました。

ちきりんさんによると、日本という国は今後人口減少によって豊かでありながらも衰退の道を辿っていくのだそうです。

だから、未来のある若い世代の人たちは海外へ出たほうが良いということでした。

 

この構図はフィットネスクラブという施設の中に縮図として表れています。

 

会員自体も全体的に高齢者、リタイアして余生を過ごしている人というのが大半です。

また、フィットネスクラブというところに長年勤務しているスタッフ(正規非正規問わず)というのは大半が「人生をあきらめた人」です。店長やチーフなどの店舗管理者の役所jについている人ほど、何の生きがいもなく、ただ定時から定時までの時間をその場で過ごすだけの生活をしています。

方や、現場のスタッフとなると、トレーニング好きでそれを仕事にしたいとか将来的なことを考えているスタッフが出てきますが、そんなスタッフも数名といったところです。残念なことにそういったやる気のあるスタッフは遅かれ早かれ辞めていきます。

 

正社員でもバイトでも

人生の目標が特にないとか、

今のままの生活でこのままずーっと過ごしていけばいいというまさに「あきらめている人」が残る職場というのがフィットネスクラブです。

 

ですから、彼らはフィットネスクラブというところに勤務する身にありながら、自らフィットネスというものを実践しません。ダンベル、バーベルなんて絶対に持たないし、ストレッチもウォーキングすらもしません。

そのくせ気の合うスタッフ同士でしょっちゅう飲みに出かけていき、一定の周期で体を壊しています。

 

すでにフィットネスクラブの会員だという人でも、フロントスタッフのやる気のない対応ぶりにあきれているという人も多いのではないでしょうか。

いつでも押せるボタンとしてのフィットネスクラブをどう捉えるか

昨日の続きです。

いつでも押せるボタンとしてのフィットネスクラブは

「いつでも行けるから行かなくてもいい」ということになりがちです。

(詳しくは前日の記事を読んでください)

 

さて、そうなってしまう理由というのは現在でもフィットネスクラブが「施設」を売りにしている点にあると考えられます。

設備や施設が売りという点ではホテルも同様なのでしょうが、ホテルの場合は利用する人の目的に合わせた立地や設備などの細かい設定ができますし、ビュッフェやレストランなどの宿泊以外にも人を集められる要素もふんだんにあります。

それに対してフィットネスクラブというのはいわば「どこも一緒」です。トレーニング器具やマシンなどは細かな違いはあれどメーカーごとに大差はありません。

スタジオで行われているプログラムも大体似たようなモノです。

 

フィットネスクラブのチラシを見ればわかりますが、どれも設備の凄さを前面に押し出しています。

「プールがあります!それもこんなに広いのが!」

「ジムはこうなってます!最新のマシンがありますよ!」

「サウナがあります!ミストサウナも付いてますよ!」

などなど、、、、。そしてその次に来るのは決まって以下のような宣伝文句です。

 

「これだけの設備が月々〇〇円で使い放題!」

「さらに今なら入会金と事務手数料は無料!!」

 

これがまさに「いつでも押せるボタン」としてのフィットネスクラブというイメージをお客様に与えてしまってるのです。だからどこのクラブも会費だけ払って1年以上も施設利用が無い人というのが会員の大半を占めているわけです。

 

これがスクール型式、つまり「この日しか来ちゃダメです」とか「この日に来ないとダメです」というような縛りを持たせるということになると話は変わってきます。実際にスクール制を導入しているクラブもありますが、パーソナルトレーナーとトレーニングの約束をして別料金を払って予約をするなんていう面倒な作業も、トレーニングを「いつでも押せるボタン」にさせないための仕組みになっていると言えます。

 

しかし、最も有効なのは「人の魅力」や、そこで働く人(トレーナー)の技術、知識、実績などを売り出すことではないか、と私は考えています。

 

例えばスタジオプログラムにしても、

「エアロビクスができます」とか「ヨガクラスもご用意しております」などという売り方ではなく、

 

「このレッスンは海外のコンペティションに参加した経験のあるダンサーが担当します」とか

「有名アーティストのバックダンサー経験のある者がプログラムを担当いたします」とか

「ニューヨークのヨガスクールを修了した優秀なヨガ講師が指導します」などという売り売り方に変えてみたらどうでしょうか?

「いつでも押せるボタン」としてのフィットネスクラブというものからお客様や利用者が感じる印象がかなり変わってくるだろうと考えられます。

 

それこそ、タレントや俳優がレッスンを持ったり、歌舞伎町のホストたちがビシッと身体を絞って割れた腹筋を見せた写真とともに「私がボディメイクを担当します!」と言ってパーソナルトレーナーをやったとしたらかなりの売り上げを上げてしまうんじゃないか、とも考えられますね。

 

この様にフィットネスクラブが売り出すべきは施設ではなく「人」、そしてそれに関連する技術や知識、人となりなど、目には見えない部分にあります。

「ボタン」としての概念をどのように変えるのか、そこがポイントだと思います。