スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

日本は「とりあえず走る」 海外は「とりあえず鍛える」

元格闘家の前田日明が「R‐ZONE」というウェブサイトの

インタビューで興味深い回答をしていました。

 

日本人が「運動をしよう」と思ってまずやるのが「走ること」

「とりあえず走るか!」となる。

欧米人や韓国人は「運動しよう」とまずやることが「ウエイトトレーニング(筋トレ)」

「とりあえず鍛えるか!」となる。

日本はスポーツの世界大会では多国の選手に比べて体格の違い、フィジカルの強さ

で勝てないのにはそういった感覚の差がある。

                       というものでした。

 

このインタビューは格闘技をする選手やその育成に関するものなのですが

フィットネストレーナーの観点からもこの指摘は鋭いと感じます。

 

特に何かスポーツをやり込むわけでなく趣味程度の人や、体の痛みなどの

不調がなく健康的な生活をしたいという、いわゆる「フィットネス」というものを

求めている人にも必要なのは、走るという持久力ではなく

自分の体や手荷物などを不自由なく扱える筋力のほうです。

 

高齢になれば走ることは確かに難しくなりますが

散歩程度の歩く力という意味での持久力はそれほど低下するものではありません。

ですから高齢者の人たちでも、友達とどこかへ出かけたり、デパートで買い物をしたり

ということは平然とできるはずです。

 

しかし、その際に筋力が低下していると困ったことになります。

筋力が低下しているので、外に出かけたとしても階段の上り下りが辛い。

買い物をしても、荷物が重くて持ち運びが苦しい。というようなことが起こります。

駅の階段でみんな時間がかかるのにエスカレーターに並んでいるのも

まさに脚の筋力のなさからきていることだと言えます。

 

朝のゴミ出し、スーパーでの食品の買い出し、家の掃除、洗濯物の持ち運びや干すこと

駅の階段や、会社のフロア移動での階段

というように、日常生活で必要な運動能力とは実は筋力であることが多いです。

 

とりあえず走る よりも とりあえず筋トレ のほうがメリットが大きいのです。