スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

筋肉痛の基本的な考え

前回の続きとして筋肉痛について説明します。

 

そもそも、筋肉痛というものに関してはっきりと

「原因はこれです」というものが判明していません。

一般的には「筋繊維の細かな損傷」が起こってそれが原因による「炎症」だと

言われていますが、「であろうと思われる」という言い回しの表現で

止まっています。

筋力トレーニングを十分にやり込めば、トレーニング熟練者でも

筋トレによる「筋繊維の損傷」は起こるはずですが、熟練者では筋肉痛が

起こらないことが良くあります。

(これがないと”トレーニングした感じ”がしなくて

                物足りないと感じてしまう人もいます)

ひとつはっきりしていることは筋肉痛は

「普段やっていない動作」「慣れていないこと」をするとよく発生するということです。

普段、ジョギングをしない人が何を思ったかいきなり外を走ってみたりすると

高確率で次の日辺りから筋肉痛が身体のどこかに出てきます。

 

私は普段から筋トレをしていますが、普段はほとんどやらないエアロビクスやヨガ、

ボクササイズなどのクラスに参加すると、ダンベルなどの重りを全く使っていないにも関わらず、筋肉痛がでます。(なんどかクラスに参加すると出なくなります)

それどころか、極たまに(年1回あるかないか)ボーリングをしたり、バーベキューなどアウトドアで何か作業をするなど、遊び程度のものでも「普段やらない動作」なので

高確率で筋肉痛が出ます。

 

つまり前回書いた、ほとんど効果がない程度の重り(その人にとって軽すぎる重量)でやるトレーニングで筋肉痛が出てしまうということは、

いかに普段、体を動かしていないか、動かしていたとしてもその範囲が狭くて

十分な関節運動ができていないか ということを意味しています。

 しかし、「人は限界のわからないものに対して恐怖を覚える」*1

らしく、本来、効果的な正しい運動ができた証である筋肉痛を「このまま放っておくと大変なことになる」というケガの元のようなものと同じ感覚になって過剰に恐れている人が多いです。

 

筋肉痛は、ケガや異常事態ではなく、あなたが如何に運動していないかの証明です。

筋肉痛の度合いの高さ=運動不足の蓄積量 として考えましょう。

*1:佐藤優の新刊で紹介されていたチェコの学者の言葉