スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

トレーニングとコンディショニングの境目

  • 改めてトレーニングとコンディショニングの違いについて書いていきます。

まず、トレーニングというのは「筋力トレーニング」のことを指します。主に「筋力を強化すること」と「筋肉を太くすること」の2つがその目的となります。

コンディショニングとは文字通り「コンディションを整えること」「身体の状態を良い状態にすること」を指します。

 

コンディショニングという言葉のイメージがどうしてもマッサージなどの「ベッドに寝そべって身体に何かをしてもらうもの」や「トリートメント」というものを連想させてしまいますが、ダンベルやバーベルを使ったいわゆる「筋トレ」もやり方によってはコンディショニングと呼ぶこともできます。

 

整体やマッサージ治療や電気療法などではなかなか改善してこない身体の様々な不調は、実はこのコンディショニングという名の「運動療法」によって回復するケースが非常に多いのです。

 

では、コンディショニングと筋力強化のためのトレーニングは何がどう違うのかというと、それは以前にも書きましたがやはり「オールアウト」の状態を作り出しているかどうか。全力を出し切るところまでやりきっているかの違いだと言えます。

「オールアウト」という言葉で検索を掛ければ丁寧な説明がたくさんヒットしますが、あえて簡単に書けば「これ以上はもうできない」という状態になるまでダンベルの上げ下ろしをするようなことだと考えてもらればいいです。

RM(あーるえむ)という表現を我々はよく使います。例えば 5RM なら5回やるのが限度の重さ(負荷)ということです。

バーベルを勝ついだスクワットが5回までしか続けられなけば、「5RMのスクワット

」という表現になります。

 

トレーニングというの、言い換えれば、このRMまで「きっちりやりきること」という表現になります。つまりそれ以外の行為はどれだけやったとしても「トレーニング」にはなっておらず、「コンディショニング」のままであると言えます。(それはそれで非常に良いことですが)

 

ボディメイクをしたい、筋肉をある程度付けてメリハリのある体を作りたいなどという時に必要なのは全力を出して限界まで追い込む「トレーニング」なのですが、そこまでいかずに勝手に自分の中での限界を決めてそこで反復をやめてしまっている人は「コンディショニング」で止まっている可能性が高いのです。

身体の状態は良いのに、目に見えた身体の変化(筋肉がついてくる・ウエストがくびれてくる)がなかなか見られないとしたら、それはトレーニングになっていない可能性があります。

 

このケースはフィットネスクラブ内ではよく見かける光景です。新規にクラブへ入会された方々へのアドバイスとして我々はRMのことをお話しし、実際にトレーニングを行ってもらうことが多いです。その際に最もよくつかうRMは「10RM」、つまり「10回動作を繰り返すことができる重さ」というのを筋トレマシンで探りながらトレーニングをしていきます。

 

「10回できる重さがトレーニングしては効果的なのでそれを目指しましょう」といってやってもらうのですが、多くの人は「本当の10RMの重さ」を体感すると「キツイキツイ!これムリです」といって拒絶してしまいます。

「急になると身体を痛めるかもしれない」と自分で勝手に判断をしてその人の中での「10回が限度の重さ」を設定しあとはそれをひたすら繰り返してしまいます。

つまり「10RM」と「10回やること」をごちゃ混ぜにしてしまっているということですね。

 

フィットネスクラブでトレーニングしている方はご自分のトレーニングを改めて考え直してみましょう。

「本当はもっと繰り返せるのに10回でやめている」というのは「10RM」ではありません。トレーニングとしては「効果的ではない」と言えます。