スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

これがやめられないと身体の変化に対応できない:過去の自分との比較

身体の変化、主に体力低下や筋力低下といったマイナスの変化というものは、「だんだんと感じるもの」ではなく「ある日突然感じるもの」というテーマついここ数日書いています。

 

その変化にどう対応するのか、簡単に言えば運動をするということですが、その運動というものをするために必要不可欠と言っても過言ではないことが、

「過去の自分との比較をしない」ということです。

 

フィットネスクラブという現場で運動をしている人たちをたくさん見ていますが、これができないと、運動自体が効果的ではなくなるし、効果を得るための継続というものがなかなかできません。

過去の自分・自分の過去と比較する癖がついている人というのは、「今の自分の体力の無さ」というものに対していちいち反応してショックを受けるのです。

・「前はこんなじゃなかったのに・・・」

・「若いころは懸垂がスイスイと楽にできてたのに・・・」

・「以前はベンチプレス100㎏くらい挙げられたのに・・・」

というように、現場のトレーナーがマシンの使い方などでご案内する際に、器具やマシンの一つ一つに対して

「昔はね・・・」「若いころはね・・・・」が出てきます。

 

中には(女性ですが)「私は小学生の頃は足が速かったの」とか

「中学生の頃は腕力もあっていじめっ子の男にも負けなかったの」というように、

なんと「子供の頃の自分」までさかのぼっての比較トークをされる方もいらっしゃるほどです。トレーニング動作を一つ行うたびに「体力が一番充実していた自分」というものが頭の中に現れるのでしょう。

 

そして、そうした比較癖が抜けない人が、比較トークに続けてよく話すのが

「今の自分の状態の解説」です。

・「この時ひざに痛みが出るんだけどね・・・」

・「(以前はできたのに)今やってみたら全然できないんだよね・・・」

・「肩甲骨が寄らなくて腕が上がらないんだけど・・・」

というような現状解説が続々と登場します。

解説が出るというのはその人にとっての辛い動作・難しい動きを「なんとかして去なそう」「辛さを最小限に食いとどめよう」という気持ちの表れです。

自分自身の体力低下・筋力低下をなかなか認めたくないので、その原因にあたるものとして考えられるものを次々と列挙してしまうのです。

 

過去の自分と比較

自分の身体の不具合についての解説

こうなると次に何が来るか?それは「方法」です。

つまり

「なんかいい方法ないのかねぇ?」

「どうすればいいのかねぇ?」

というこのブログで何度も指摘している「具体的な方法を求める」という一番やってはいけない行動をしてしまいます。

それによって

「これは何回やればいいの?」

「何kgでやるのがいいの?」

「間隔はどのくらい空けるのがいいの?」

「続けてやった方がいいの?」

などなど、無意味な方法論に走ってしまうのです。

 

過去の自分との比較は本当に危険です。

今すぐにでもやめるべきです。