フィットネスクラブで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

フィットネスクラブはいい加減、設備を売りにするのを止めにしたらどうだろう。

昨日の政府のシェア事業推進からフィットネスクラブの業態の在り方を考えてみましょう。

www.nikkei.com

 

レンタカーというのはかなり前から存在していたシェアビジネスですが、もはやそちらの方が主流になってきている実感があります。仲の良い友人たちと少し遠出をするという時などはほとんどレンタカーを利用するという人は多いでしょう。

 

都内の駐輪場では自転車のシェア(レンタル)も試験的に始まっています。

東京・自転車シェアリング広域実験(千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・江東区)

私は実際にその自転車に乗っている人をまだ目にしたことはありませんが、いつも私が利用する駐輪場にこの赤色の自転車があるのを見かけるようになりました。

 

シェアハウスや民泊やウーバーなどのライドシェアというものがビジネスとして成り立つ背景にあるのは「安ければ質の良し悪しはそれほど気にしない」とか「最低限の設備があれば充分だ」という需要があるということでしょう。

そして、それにふさわしい料金設定が出来ているからこそビジネスとして成長してきているのだと思います。

 

この対極にあるものとして挙げられるのが「豪華さ」「贅沢」「高級感」などのキーワードに当てはまるビジネスです。フェラーリランボルギーニのなどの高級スポーツカーは「カーシェア」とは対極で、「オーナーとして所有すること」にステイタスを与えるものでしょう。(フェラーリのレンタルなんてサービスをしたらその価値が暴落しそうですが)

パナマ文書タックスヘイブンなどが以前話題になりましたが、シンガポールや既に財政破たんしたプエルトリコなどは、富裕層を相手にそういった「贅沢の極み」を提供することを国の事業と呼べるレベルで行うことで経済成長をしてきています。

 

フィットネスクラブというところも、かつては高級感や庶民レベルからワンランク上の上質感を演出する施設としての要素を多分に含んでいました。

「フィットネスクラブのチラシ」がポストに入っている時があったらチラッと確認してみてください。

「ジムがあります!スタジオがあります!プールがあります!広いお風呂があります!サウナがあります!ホットヨガが受けられます!」といった「設備の充実」「施設の豪華さ」を前面に押し出した広告が現在でも打たれています。

時代錯誤も甚だしいと言わざるを得ません。

 

フィットネスクラブ、特に筋力トレーニングをするためのジムということに関して言えば、「最低限の設備」や「それほど充実していなくても大丈夫」と感じている人の割合が非常に多く、今後もそういった人たちが増えていくことが予想されるからです。だからこそ最低限の設備の24時間型ジムが成り立つわけです。

会社を複数経営されていたり、スポンサー提供によるお金のサポートを受けているような人でも公共のスポーツ施設に2時間500円程度の金額で、他の大勢の利用者とともに運動していくという人も多くいます。

 

高級感を求める人の層というもの確実に存在しますが、車や身に着けるモノに比べて「行く場所」としての運動施設に高級感が求められる割合はかなり低いでしょう。それは多くの人のニーズが、「どんな運動やトレーニングができるか」ということよりも、「自分がなりたい身体の状態になれるかどうか」に興味関心があるからです。

 

フィットネス業界は30年前の「マーケティング1.0」の感覚をいまだに引きずっているのですが、いい加減にそこから脱却し、運動という者に対する世間一般のニーズがどこにあるを考えた広告の打ち方をするべきでしょう。

ライザップ社はたくさんのコマーシャルを打っていますが、「ライザップの設備」が表立って宣伝されたことはただの一度もありません。(ほんのわずかです)

すべて、ライザップに通うことで出来上がる身体の状態、というものがメインになって宣伝されています。

 

設備ではなく状態、モノよりコト。

もはや今の時代には当たり前とも言える商売の原則ですが、それすらできないフィットネスクラブなのでありました。