レジスタンストレーニング(いわゆる筋トレ)にはビッグ3と呼ばれる種目があります。なにはともあれこの3つをやっておいて損はないというものですね。
その3つとは
スクワット、デッドリフト、ベンチプレスの3つです。
(わからない方はネット検索を)
この3つが選ばれている理由として考えられるのは、まずその種目で動員される筋肉(筋)の豊富さです。スクワット=脚、デッドリフト=背中、ベンチプレス=胸というのが一般的な理解です。これに間違いはありませんが、その動作をする際には、体のほかの部位のあらゆる筋活動があります。
スクワットもデッドリフトもほぼ全身を使う、といっても過言ではありませんし、ベンチプレスでも下半身や適度な体のそりを作るために広背筋の筋力も必要です。
トレーニング初心者でも軽い重量からでもいいのでやってほしいのはビッグ3だと考えられますが、ベンチプレスに関ては私は少し疑問を感じています。
アスリートに帯同するトレーナーやストレングスコーチでもまともな人というのは選手に対してベンチプレスというものを積極的にやらせていない、ほとんどやらせることはない、というのが実態なようです。(自身のブログで公表している人もいます)
その理由は、ベンチプレスという動作そのものにあります。
あらゆるスポーツや競技において、ベンチプレスの動きに関連する動作というのはありません(ほとんどみらません)。
バスケットボールのチェストパスという動作は一見すると関連があるように思われますが、動作のもとになっているのは下半身であったり肘と手首のスナップであったりします。
アスリートでもそうなんですから、一般の人が健康維持や体力向上、体の機能向上を目的としたトレーニングをする場合にベンチプレスというトレーニングはその優先度は高くない、むしろやらなくてもいいのではないか?と感じます。
(カッコイイ体を作る、とか、厚い胸板を作る、というボディメイクの観点からすればセどんどんやるべきですが)
それよりもやってほしいと感じるのはショルダープレスです。
頭上にダンベルを上げる動作この種目も、日常生活ではそんなことをすることがほとんどありませんが、積極的に行ってほしいものです。
何故かというと、
現代の生活では、自分の頭よりも上に手が行くというのは頭を洗う時以外にほとんどありません。ということは必然的に肩の筋力が低下していきます。
四十肩、五十肩などという深刻な肩の痛みに現代日本人の多くは悩まされていますが、これは手を頭上へ上げる動作をすることなく、数十年間生活をしてきたことが原因にあると考えられます。
また、ショルダープレスという動作をするためには背中(胸椎)をまっすぐにして、さらに自分の腕が顔の真横からやや後方まで下げることが必要です。
姿勢が悪く猫背になっていたり、いつの間にか肩の可動域が狭くなり、万歳のように手を挙げても手が前方に行ってしまい、まっすぐ真上に上げられない人も多いでしょう。
そういった人たちにとっては、そんな体の不調の改善に
まだそうなっていない人にとっては、姿勢を悪くせず、肩の関節が良い状態を保つための予防として、
積極的にやってほしいものです。
ビッグ3という概念は今後も変わることなないのでしょうけれど、
一般人にとってのビッグ3はスクワット、デッドリフト、ショルダープレス
アスリートにとってはスクワット、デッドリフト、ヒップスラスト
というのが現実なのではないか、と感じています。