スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

現場のスタッフは「伝達係」から解放される!

2017年も今週を含めて2週間で終わりです。

 

今年1年を通してフィットネス業界で目立った動きがみられたのは

「24時間型ジムの出店ラッシュが続いたこと」でしょう。

この動きは2年前くらいから活発になり、来年もこの流れはは加速していくのではないかと考えられます。

なにしろ、あのファミリーマートも24時間型ジム事業を始めるわけですからね。

 

この24時間型という業態は

その背景についていろいろと掘り下げることがありますが、

現場で(末端で)働くスタッフに関しては大きなメリットがあると私は考えています。

それは「くだらない雑事から解放されること」であり

「伝達係じゃなくてよくなる」ということです。

 

重大事故などの緊急事態を除き、ジム内やフィットネスクラブという施設内で頻繁に発生するのは「お客様同士のトラブル」です。

・スタジオの順番待ちで私物を置いた場所取りは禁止に関わらずそれをやる

・レッスン後に友達同士でストレッチエリアにやってきて広々とマットを使いながらな長々とおしゃべり

・マシンを延々と使い続けて他の人に順番がなかなか回ってこない

などというのが一般的です。

 

最近ではここに「スマホいじり」が加わりました。

・筋トレマシンを使いながら(実際はほとんどマシンを動かしていないのに)スマホを触ってなかなか退かない。

・ストレッチマットに寝転んでずっとスマホをいじっている。

など、本当にみんな異様なスマホ中毒ぶりです。

 

共通しているのは「公共の施設」という認識の欠如であり

「施設の私物化」であり、「金を払っているんだという勘違い」ですね。

いい年をした中高年会員ほど私物化の傾向が強く、若い人ほど人目を気にせずスマホをいじっています。

 

さて、こういったことが発端となってストレスを感じた利用者はスタッフを呼びつけてそのスタッフにクレームをつけます。

「あいつずっとマシンを独占してるぞ」とか

「あの人いつルールを守ってないわよ」などということです。

中には「そういったことに対して注意をしていないスタッフは何をしているんだ」という人もいますね。

しかし、スタッフに報告をされても問題が解決されるかは不明なのです(残念ながら)。

報告を受けたスタッフは「他の利用者の方から迷惑だとのご指摘がありまして・・・」と当人にクレームを伝えに行きます。

話を聞いて素直に理解してくれる人もいますが、

そもそも他の人からクレームが出るような行為をする人は「その人なりの自分ルール」を持っていますので、素直に引き下がらないし、「これこれこういう理由があるんだ」とご自分の理論をお話されます。

 

そうするとスタッフはその理論をクレームをいただいた始めのお客様のところへ報告に行ってそれを伝達します。

そうするとまた「そんなわけのわかんないこと言ってるのか!やめさせろよ!」とお怒りの言葉を受けて、またその人にそれを伝えに行くというループに入ります。

 

単純に迷惑行為に対する報告ということであれば、直接本人には言いづらいし、後で何されるかわからない恐怖や今後もその人と顔を合わせる気まずさなどもあるので、間にスタッフが入るということは理解できます。

しかし、本質的には「利用者同士が声を掛け合うこと」「一言注意をすること」によって解決する問題です。

それが一番手っ取り早いし、もっと言えばそこにしか解決のポイントはありません。「誰がそんなこと言ってんだ!そいつを連れてこい!」がクレームの終着点ですからね。

 

近年台頭してきている24時間型ジムは基本的にスタッフは不在、または居ても居ないようなものということですので、「お客様同士のトラブルはお客様同士で話し合ってください。いい年とした大人ですしそのくらいできますよね?」というスタンスを取っています。

 

大手のフィットネスクラブで働く現場スタッフならこのスタンスを施設単位や会社単位で取ってくれたらこれほどうれしいものは無いだろうと思います。

 

ルールを守れない客や自分ルールを振りかざす客は客で会って客にあらず、という24時間型ジムのスタンスは現場スタッフの仕事効率化にはとても有効でしょう。

 

このスタンスが広がって「くだらない伝達係」としてのスタッフの仕事は無くなっていってほしいものですね。