スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

なぜ、骨盤のゆがみ”だけ”を気にするのか?

骨盤の歪みを気にする方はとても多いです。

正確には、治療院、整体院、カイロプラクティックなど身体のケアをするお店の多くが「骨盤の歪み」を万病のもとであるかのようにあおっているせいだと思います。

 

・左右の高さが違う

・前に倒れすぎて反り腰になっている

仙骨との間にズレがある

など、骨盤への問題提起は盛んにおこなわれています。

まるで「あなたの骨盤は大丈夫ですか?」と不安をあおるように。

 

なかには、「骨盤自体が(出産などの影響で)開いてい締まっている」というわけのわからない理論を言っている人もいます。

 

ここで考えてほしいのは、歪んでいるのは骨盤だけか?ということです。

もともと人間の身体、それ以外の動物の身体は「左右非対称」であり

「よく見れば右と左で若干違っている」ことが当たり前です。

 

例えば、顔 です。

鏡で自分の顔をよーく見ればわかりますが

左右の目の大きさ、目自体の位置

眉の位置、高さ

唇の左端と右端の角度

あごのえらの部分の左右の高さ、つき方

など、さまざまな部分が左右で微妙に違っています。

麻生太郎なんて誰が見てもわかるくらい口がひん曲がっていますよね。

 

鼻筋も(まっすぐな人もいますが)よく見れば左右のどちらかに曲がっていたりします。

だからと言って、あなたの頭蓋骨は歪んでいますからそれを治しましょう とはなりませんよね。

骨盤の歪みによって腰痛や身体の様々な不調が出てきているということなら

顔の骨の歪みを整えれば、頭痛、偏頭痛、目の疲れ、鼻づまり、なども治せるということになります。でも顔面の骨を矯正するというのは「小顔」を作るための「美容整体」としてのもの以外、ほとんど見聞きしません。

 

顔だけでこんなに左右差があるわけですから、全身くまなく見ていったら「左右差だらけ」で大変なことになります。

 

身体の不調を「骨盤の歪みのせい」にするのは、凶悪な犯罪や事件などが起こった際に「犯人は殺人ゲームをしていたからゲームが悪い。ゲームのせいだ。」と短絡的に決めつけるようなものです。

 

人の身体は左右違って当たり前。まずはそれを頭にいれて深く考えすぎないようにしましょう。左右差、歪みについて詳しくは明日書きます。