高橋秀実という人の「損したくないニッポン人」という本を読み、トレーニングや運動、健康と言ったものに当てはめて考えてみると、「損をしたくない」という気持ちが強い人ほどトレーニングでも効果を出せていない、いつまでたっても関節の痛みに悩まされ続けているということを感じます。
(この本自体はタイトルだけ見れば十分というくらい面白くない本でしたが)
トレーニングやフィットネスに関して「損したくない気持ち」の代表格が
「やり過ぎて今より悪くなったらどうしよう?」という感覚です。これによって適切なやり方、負荷の掛け方などができておらず、十分効果的なトレーニングができていなかったり、筋肉痛が出ることを極端に嫌がり、効果がないどころか逆にマイナス効果ばかりの運動をしてしまっている人が多く見受けられます。
全般的に女性は「筋トレ」に対する恐怖・不安があることが多く、ヨガに代表されるストレッチ系に安心感を感じることが多いようです。
確かに正しい効果的な筋トレは辛いし、筋肉痛を伴います。筋肉痛自体は筋肉へ適切な負荷がかかった証拠、いいトレーニングができたことの証なのですが、拒絶反応という人が多いですね。
ストレッチというのはもちろん体にいいものですが、「筋肉を伸ばすもの」としてストレッチを捉えているとそれはむしろ体にとってはマイナスになりかねません。
筋肉は伸び縮みするものとしてよくゴムのように例えられます。
筋トレをしないでストレッチばかりするということは、ゴム自体を強くしようとせず、伸ばしてばかりいるということになります。
「よ~く伸ばして伸びに伸びたゴム」は「良いゴム」と言えるでしょうか?言えないですよね。「良いゴム」とは適度に伸び縮みし且つ強い弾力性を持ったゴムです。
「損したくない」という思いからストレッチばかりに目が行くと、大事な「筋力」というものを得ることができません。
トレーナーにアドバイスを求めているにもかかわらず、話を聞こうとしなかったり、どうしても信じられなかったりといったような表情の方がいますが、こういった方々にはどんなに的確なトレーニングアドバイスや指導も、ストレッチや身体のケアもなかなかその効果を実感してもらえないことが多いです。
注射の時の痛さを嫌がって拒否し続けていると、注射によるメリット(病気の改善、予防、体に異常がないか調べてもらうなど)を受け取ることはできません。
損得勘定ばかりしている人はセコセコしていて結局いつも損していることは多くの人がうなづけることだと思います。
損得勘定は「損得”感情”」から生まれます。そして損をしないようにしている結果損をします。
トレーナーのアドバイスに耳を傾けるところから始めましょう。