ここ数日、立て続けにフィットネス関係、トレーニング関係のセミナーを受けています。なんとなく知っていること、知った気になっていたこと、改めて知ったことなど様々な刺激になりました。
これで終わらずにしっかりと復習をして自分の知識として植え付けようと思います。
さて、そのセミナーの帰りに目に入ったシーンがフィットネスクラブや日本におけるフィットネスというものを象徴しているようでした。
このシーンです。これはネットからお借りしたもので、自分の写真ではありません。
ガラガラの階段とぎゅうぎゅうのエスカレーターでした。
パーソナルトレーニングに関するあるセミナーで、その講師の方が、
「汗かいて辛いことなんてだれもやりがらない。楽で簡単なものはみんなやりたがるよ。」ということを言っていました。
当然なことなのですが、それだけフィットネスクラブに来ることというのはまさにこの階段を使って上の階に行くようなものだと思います。
フィットネスクラブに来る人(定期的に)というのは、間違いなく「階段を使う人」です。筋肉を使って、関節を動かして、心拍数を上げてという「汗と苦しみ」を伴う行為を好んで選ぶ、または嫌がることなく自然とできる人ということです。
フィットネストレーナーというのはそういった人たちへサービスを行う者たちです。
パーソナルトレーナーはそこからさらに個人的にトレーナーを付けるという意識の高い人を相手にします。
では、多くの人は階段を使うでしょうか?
使いませんね。駅の階段を見ているとほとんど人が、どれだけ時間がかかってもエスカレーターの順番を待ちます。
「こんなに並んでんのか!?じゃあ階段で行っちゃえ!」と階段を使う人は「ほんのわずか」です。
ここには先ほど挙げたセミナー講師の言葉のポイントがあります。
さらにいえば、「楽な方と辛い方」という二つの選択肢があったら、だれでも楽な方を選んでしまうものであるということです。
エスカレーターという「楽で簡単なもの」ができてしまったのに、あえて(健康や体力、筋力、ダイエットなどということ考えて)階段を使う人なんて、そうそういるもんじゃないでしょう。
仮にエスカレーターがなかったら、みんな階段を使っているはずです。
それだけフィットネスというものに多くの人を導くことは難しいと言えますし、パーソナルトレーナーという仕事を成り立たせるための大変さがわかるでしょう。
しかし、辛いものだけれど、健康というとてつもない価値を持つものが運動であり、階段です。だからこそ階段を上る必要性を強く主張するトレーナーのような存在が居なくては、とも言えます。
そしてもう一つ面白かったシーンがありました。
エスカレーターを使う人たちが、またはエスカレーターを待つための列をなしている人たちが、急に階段を使い出す、またはエスカレーターから歩き出すシーンです。
それは電車が来た時、発車メロディーが流れ出した時です。
「乗らないと間に合わない」「帰りが遅くなる」といった「必要性」を感じた時に初めて人は「自分から動く」ということの象徴でした。
エスカレーターだけでなく、どんどん世の中が便利になって、人が筋力を使うことがなくなっています。このままいったら多くの人がある日突然筋力不足による体不調に悩まされるでしょう。
そんなまさに「発車メロディー」が鳴りだしたとき、多く人が一気にフィットネスクラブに押し寄せるのではないかと思います。
その時のために、もっと入念に準備しておかないとね。