フィットネス関連のセミナー受講の話が続きますが、フィットネスやトレーニングというものに関するセミナーというのは大きく分けて2つの種類に分かれます。
①そのセミナーの講師が行っていることが、指導・講義となっている
②そのセミナーの講師が行っていることが、解説・ダメ出しでしかない
という2種類です。
①の形式のセミナーは本当に勉強になります。講師の人の勉強量・知識量が他を圧倒するくらいの量でなお且つ一般に出回ることのない情報を提供してくれるものです。
②ははっきり言ってハズレです。学校の先生と同じで「他者より先にその授業で使うテキストを読んでいる」のでそれさえすれば「誰ででもできるセミナー」です。
このセミナーでおこなわれる内容は、ずっと解説&ダメ出しです。
例えばデッドリフトというトレーニングがあります。
この様に足元にある重い荷物を持ち上げるような動作をするトレーニングです。
この時のポイントは「しっかり胸を張って背中を曲げない」です。当たり前ですが。
その他にもこのデッドリフトという動作の最中には膝の曲げ伸ばし、股関節の動き、骨盤の動きなど見るべきポイントがたくさんあります。
しかし、難しいことではありません。
「こういうフォームはダメ」というのを細かく「解説」しているだけです。
単に「背中が丸まってる」というのを
「肩甲骨が外転している」、「骨盤が後傾している」、「膝の屈曲がない」、「胸椎が屈曲している」などと専門用語を使っているだけにすぎません。
専門用語さえ覚えてしまえば誰でもできるし、はっきり言ってしまえば「正しいきれいなトレーニングフォーム」さえわかっていればこの写真は明らかに腰を痛めそうなフォームだとわかります。
②のセミナーで行われることは基本的にこの形式で色々な解説とそれに対するダメ出しを繰り返していきます。
デッドリフトの動きを実際にやらせて、それに対して
「胸張って!」、「骨盤を前傾させて!」、「肩甲骨を寄せて」、「腰反り過ぎない」
というダメ出しをひたすらやらされます。
そうなると受けている側はだんだん混乱してきます。
デッドリフトというのは基本的に背中と脚のトレーニングなのですが、
「あご引いて!」「胸張って!」「腰反り過ぎない!」「股関節から身体を曲げて」「肩甲骨寄せて!」とどんどんダメ出しが入るともう集中できません。
「そんなに色んなところを同時に意識できないよ!」と言いたくなります。
なかにはそういったダメ出しに加えて「ももの内側も意識して!」なんてワケのわかないことまで言ってくる講師もいます。
(これは講師本人というよりアシスタントスタッフの場合が多いです)
苦労するのはこの形式のセミナーで育ってしまったトレーナーです。
「トレーニング指導」という名の「解説・ダメ出し」をお客様にやってしまうのです。
「もっと胸張って」「腰反り過ぎてる」「お腹に力入れて」「肩甲骨寄せて」などなど・・・・。
受けているお客さんは明らかに「?」とか口には出さぬとも「わかんねーよ!」と言いたそうな表情をしています。
なんで気が付かないのかな?