ボディビルダーの山本義徳さんが自身のコラムで使っていた表現が今日のブログタイトルです。この人が定期的に書いているコラムを読めば、このブログなんかより断然勉強になりますのでそちらに行かれてもいいと思います。
それによるとランニング、ウォーキングなどは筋肉を「使う」という行為であり、強化をするための「鍛える」という行為ではないということです。
言葉選びが上手です。
鍛えるというのは「日常生活で感じる以上の負荷を筋肉に与えること」なので、楽にできる運動、手軽にできる運動というのは正確に言えば「トレーニング」に該当しません。筋肉を使うことで、筋肉を全く使わない状態よりは体が活性化した状態になるということに過ぎません。これはこれで非常に重要なことです。
身体の不調、関節の痛みや可動域の制限に対する処置、いわゆるコンディショニングというのはまさに筋肉や関節を「使うこと」によってなされるケースが多いです。言い方を変えれば「運動療法」と言えるでしょう。
鍛えるというのはキツイと感じるような刺激を与える行為に該当するわけですが、そのためには関節・筋肉を十分に「使うこと」が重要です。トレーニング前のウォーミングアップというのはまさに「使うこと」に該当します。
日常的に筋肉を「使っている」のであればすぐに筋肉に負荷を掛けて「鍛える」ことができ、それによって「筋力向上」、「筋肉を太くする」、「脂肪が燃焼する」といった成果を得ることができるからです。
「辛いのは嫌だ。このくらいの負荷で十分だ」と自分で決めつけて、楽にできる負荷でトレーニングをしていても、それは山本さんの説明からすると「トレーニングをしていること」にはなりません。部屋の中でずっと寝そべっているというような何もしないことよりはマシな状態にいるにすぎないということです。
この様に理解すれば、「トレーニングしているのに、筋力が付かない」「筋トレしているのに腕が太くならない」「運動しているのに膝の痛みが改善されない」というような疑問に対しての考え方が理解できます。
自分がしていること、やっていることは体力・筋力を向上させる「鍛える行為」なのか?それともただ動かしているだけの「使うこと」なのか?
身体がなかなか変わってこないと悩んでいる方は、この二つのどちらを行っているかを考えてみましょう。