昨日の続きとして、フィットネスクラブの会費(月会費)の低価格化、他業種で起こっている「基本料金+使用料金」のあいまい化で今後のフィットネス業界はどんなことが起こるのか、です。
最も大きなことは(実はもうすでに起きていることですが)正社員が不要になります。細かく書けば、「正社員とバイトスタッフの境目がなくなる」ということです。
現在起きているのは、「正社員とバイトのあいまい化」です。フィットネス業界に限らす、現在では多くの業界でも正規雇用と非正規雇用のあいまい化が進んでいます。フィットネス業界では、その会社の正社員として採用されるというのは本当に狭き門をくぐるような状況になっています。大卒の新卒採用は毎年あることはありますが、多くても20人前後です。全国から応募がありその中でもそれくらいしか採用されません。
アルバイトスタッフから正規雇用になることも可能ですが、適性試験を受け、推薦書を書いてもらい、面接に臨んでもすぐには正規雇用にはならず、「準社員」というよくわからない称号を与えられます。その状態でまた真面目に何年も勤め続けてようやく正社員になれます。ここだけ切り取ってみればどの業界も同じではないかと思います。
正規雇用として採用されるのがなぜこれほど狭き門なのか?それはシンプルに企業側に給料を払えるだけの余裕がないからです。スポークラブ・フィットネスクラブの「利益」というのは会員さんが払ってくれる「月会費」です。その価格をフィットネス業界自らが下げていき、低価格化を進めるわけですから全体の利益は下がる一方です。当然のことならが、少子化が進む日本では人口そのものが減ってきていますので、人口が減ることは絶対的な「お客様の数」が減ります。どんどん減っていく客数を何とか集めようとしてフィットネス業界がとってる手段は「値下げ」なわけですから、これは儲かるわけありませんね。
ファストフード店などはそこで働くスタッフの大半はアルバイトですが、フィットネスクラブも同じです。客数は減る一方で、なお且つ月会費という「定額使い放題の料金システム」自体がどんどん低価格化してきている状況であることを踏まえて、フィットネスクラブを経営する本社側の立場、経営に直接かかわっている役員たちの立場になってみれば、はっきりって正社員なんていうコストがかかる従業員は必要ありません。長崎のハウステンボスには↓のようなロボットがフロントスタッフになってしまったホテルが既に存在しています。
フィットネスクラブも経費が掛かる人件費を削りたいはずです。ですから今後も正社員という形態の雇用をしなくても済むような仕組みづくりを進めていくでしょう。実際に現場で運動指導を行うことができる人以外は必要とされなくなります。
フィットネスクラブは「支配人」という責任者を配置していますが、はっきりいってそんな人全く必要ではありません。
現場で運動が教えられる人は、教えることのみを仕事にしてもらえばいいからその分の給料だけ出せば良くなります。
近い将来、フィットネスクラブから正社員はいなくなる、またはホンの1~2名程度でそれも事実上のアルバイトスタッフです。正社員の毎月の給料、ボーナスが減らされ、その分が現場で動けるスタッフのフィーや時給として割り当てられるようになるでしょう。
では、具体的にフィットネスクラブの現場ではどんな変化が予想できるのか次回に続けます。