ここ数週間、毎週立て続けにトレーニング関連のセミナーを受講していましたが、今日で一区切りとなりました。
自分でも色々と再発見することや、新しい観点、技術などを学ぶことができました。単純に勉強する機会を得られたことは本当に良かったと思います。
どうしても、矛盾点やおかしな疑問点を探してしまう私の性格によるところもありますが、今回のセミナー講師の話の中でも多数そういった点があったということも事実です。それが今回の記事のタイトルです。
今回のセミナーは最後に確認テストという形で、簡単な実技試験が行われました。それはいわゆるロールプレイです。トレーナー役・お客様役でペアを組み、トレーニング指導から次回のトレーニングの約束を取り付けるまでの流れを行うものでした。
事前に聞かさてていたそのテスト対策として、講師の方は「試験管はここを見ます」という点を挙げてくれていました。それは「第1に元気ハツラツさ、第2に情熱」でした。知識や技術はもちろん大事ですが、「それよりもみんなのお客様に対する気持ちを見る」ということでした。
参加者たちは実際にその言葉の通り、元気よく大きな声を出すことを中心に実技を行いました。それでも試験管からの感想は「声に抑揚がない」というものでした。
頭で「ああしよう、こうしよう」と流れを考えてしまいすぎるのでもっと頭を空っぽにしてお客様の体に必要なことを見たまま感じたままに伝えるというようなアドバイスです。私はここで疑問を感じました。その人の体の状態を見てその人にどんなトレーニングや身体の調整が必要なのかを感じ取るには、講師の人が注目しないと言っていた「知識と技術」がやはり必要なんではないかということです。
「もっと感情を込めて」「気持ちを伝えて」「相手のことを考えれば自然と言葉が出てくる!」ということでしたが、どう考えても自然に言葉が出てくるには、人の体や姿勢を見て何がどうなっているのかを判断するための知識、その体の状態をより良い状態に持っていくためのトレーニング技術がないと「自然に言葉は出てこない」と思います。
担当講師、試験管は「私はみなさんがどんな指導をしているか細かな点は見てない。指導する姿や言葉がけの様子、声のトーンなどを見ている」と言っていましたが、試験後の感想では「立ち姿をチェックするのはヒラメ筋だと前回教えたのにだれもやってなかったのはちょっと残念だったね」と、見ていないはずの指導内容について感想を述べたのも気になりました。
これに関しても、立ち姿勢、ヒラメ筋というものをしっかりと理解していなければ言葉は出てこないと思います。
どちらが先に来るのかわからない状態を指す表現に「鶏が先か、卵が先か」というものがありますが、まさにそんな気分になりました。
私の結論としては、知識・技術がないと言葉は出てこない。つまり、情熱があり元気があってもそれを伝える手段(知識・技術)がなければ空回りしてしまうだけではないかと思います。
日本語を話せない外国人に気持ちを伝えるには、少しでもその人に伝わる外国語を知っていてそれが発音できるようでなくてはいけないでしょう。それと同じことだと思います。