お盆休み中に気になったフィットネス業界の動向として、以下のような看板を見つけたのでそれについて書いていきます。
フィットネス業界にいるからでしょうか、どうしてもフィットネスクラブの看板やチラシ、その他の宣伝媒体に目が行ってしまいます。非常に面白いのは興味がないものの宣伝媒体には人は目を向けないので、「こんなところにこんなお店あったんだ!?」ということがしばしばあります。
フィットネスクラブや運動というものに興味が持てない人にはこんな看板でアプローチをしても全く届かないんだろうな~と思いながらブログ用に写真を撮りました。
ちなみはいつも使っている駅の近くに学習塾が20年以上前からあったことに最近気が付きました。
昨日はスマップを例に出して、「設備や施設ではなく中身、そこで活動する人の魅力」ということについて書きましたが、この看板が世間の人々へ訴えかけているのはまさに「設備・施設」です。それも「設備・施設の魅力」ではなく「安く使えるから使ってみてください」という訴えかけです。
この看板とよく似たものになんだか見覚えがあるような感じがしていましたが、気づいたのは↓の写真です。
某ファストフード店のクーポン券です。
値段を割引にする
期間中何度でも有効
このクーポンを複数回利用するとさらなる特典付き
この3点は最初の写真のフィットネスクラブ体験キャンペーンと非常によく似ていますね。
安く体験できる
期間中なら何度でも有効
この体験キャンペーンを利用して正式にクラブで入会するとさらにお得なサービスが!
これっていわゆる完コピです。フィットネス業界人が「次はどんなキャンペーンにしようか」と悩んだ挙句、ファストフード店のチラシやキャンペーン方法を見てそれをまねたのではないかと推測できます。
昨日も似たようなことを書きましたが
施設を設備を売りにしてしまうと、当然ですが、より良い施設・より便利な設備を備えたクラブが近くにできてしまえばすぐにお客さんを取られてしまいます。そうすると「さらに便利な施設」「もっと豪華な設備」などといように際限なく設備を進化させ続けていくしかお客さんを集められなくなってしまいます。
当然そんなことをすればお金がいくらかかっても足りなくなるので、どうするかというと「値下げ」に走るわけです。
それによって各店舗で値下げ合戦が起こり、
「こんなに便利で整った設備の施設がこんな低価格で使えます!」
「だからお願い!使って!入会して!」
という作戦での戦いを続けています。実際の現場ではもう消耗戦が進んで内部の人たちは疲弊しています。
低価格戦略に頼らなくとも人を集められる何か、まさにスマップ(今はもう嵐の時代らしいですが)のような人の魅力、パフォーマンスの魅力(クラブの人たちの仕事ぶりの魅力)を売り出していくことに気が付かないかぎり、このチキンレースは続いていくのではかいと思います。