スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

人の身体は生命時のためにはどんどんカロリーを消費する。

昨日は、運動によるカロリー消費に低さについて書きました。

今日はダイエットのために有効だと言われている「基礎代謝を高めること」に関連して、人体が積極的にエネルギー消費をする生命維持について改めて書いていきます。

 

生命維持とは人体が無意識に行っている様々な行動や現象のことです。

呼吸や心臓の鼓動、体温調節、姿勢の保持、食べたものの消化吸収なども当てはまると考えていいかと思います。

 

そうした活動で使われる1日のエネルギーのことを基礎代謝といい、

それをカロリーとして量に換算すると

男性だと約1500㌔カロリー

女性だと約1200㌔カロリー を消費します。

運動で消費するよりもものすごいエネルギー量です。

 

注意したいのは、基礎代謝というのは

食事を摂らない、さらに「肉体的・精神的にストレスがない状態」で測定するものなので、つまり「空調が適度に効いた状態」で測定します。

まさに「科学的な実験・調査」という印象が強いものです。

 

それに対してもう一つ、安静時代謝 と呼ばれるものがあります。

こちらは

食事を摂る、ストレスの影響を加味する という条件下で行うものです。つまり測定を行う場所を意図的にストレスの少ない静かな環境にするとか、空調を聞かせて室内を適温にするといったことをしません。

実際の人の生活に近いのは基礎代謝よりも、安静時代謝の方であると言ってもいいでしょう。

ですが、一般的なフィットネスクラブでは「基礎代謝」という概念の方が定着しています。

 

この基礎代謝と安静時代謝でこそ、人体はどんどんエネルギーを使います。

最もエネルギーを使うのは体温の調節です。

人の身体の体温は36℃前後ですが、実はこれはかなりの高温だということに気が付いているでしょうか?

「今日の気温は36℃です」というとまさに真夏日を超えた「猛暑日」です。

「こまめに水分補給をするなど、熱中症対策に十分に気を付けてお出かけください」という日ですね。人体というのは常にそんな「うだるような暑い日」と同じくらい「熱い」のです。

いのはもちろんエネルギーを消費するから、モノを燃やすような行為・現象に近いことが起きているということです。

 

36℃のような高温のヒーターを24時間365日掛け続けば、それは大量のエネルギーを使っていることが推測できますし、運動よりもこちらの方が消費量が多くなるのは明白です。ですから、これをダイエットや脂肪燃焼に使わない手はないのです。

 

「運動して痩せよう」とする行為は普段まったく動かさない車をたくさん走らせて、タンクに入っているガソリンをどんどん使おうとすることです。車を走らせるときはどんどんガソリンは使われますが、運動をストップするとガソリン消費もなくなります。

 

それに対して「基礎代謝を増やして痩せよう」という行為は、「車にエンジンを掛けてそのままほったらかしにしておこう」、つまりアイドリングさせっぱなしにするのと似ています。

 

車を長距離走らせたり、早いスピードで走らせても、アイドリングさせっぱなしの方がエンジンを切っていない分ガソリン消費量は多くなりますし、なによりほったらかしにすればいいだけなので楽です。

この感覚を運動やトレーニング、そこから派生するダイエット・脂肪燃焼というものを考えていけば、筋トレによる基礎代謝アップ というのがいかに効率的で手軽なことであるかが理解できると思います。