昨日に引き続き、フィットネスや運動・トレーニングというものを「方法」として考えてしまうということについて書いていきます。
フィットネスクラブやジムに置かれている器具の使い方をご案内する際に、
「何回やればいいの?」「何kgでやるのがいいの?」「どうする方がいいの?」などという質問をされる方というのはトレーニングを方法論で考ええている可能性が高く、それ自体が間違いであるということは何度も繰り返し指摘します。
勉強において、「どの本を何ページ読めば頭がよくなるの?」などという質問はあり得ませんし、スポーツでも「素振りは何回すればいいですか?(何回やれば上手くなりますか?)」などと質問されても、「そんなの自分が納得できるまでやれ!」という答えになります。
こういったように方法論でフィットネスやトレーニングを考える方に多く見られる傾向として、「体力や筋力が自動的に向上していくものだ」という考えをもっています。
このレッグプレスという脚の筋トレマシンや
筋トレのイメージとして有名なベンチプレスなどでもそうなのですが、
こういった筋力トレーニングをする際に、
「自分的にちょうどいいと思える重さ」に設定して、あとは
「単純に重りを上げる動作を繰り返せ」ば
「筋力や体力が自動的に向上していくのだろう」
という3つの構造でトレーニングを捉えているということですね。
こういった感覚だからこそ、「もっと〇〇した方がよいか?」であったり「何回やるのがいいですか?」という質問が出るのです。
機械的に動作を反復するということは決して無駄なことでなく、基本動作を覚えるうえでは非常に重要です。柔道や空手などの武道では「型」というものがあり、つべこべ言わずに何度も繰り返して身体にその型を染み込ませなければ、そもそも練習ができないということになります。
そうやって何度も繰り返して「型」が身についてきたならば、あとはそこから踏み込んで「自分で意図的に、上手くなろう」と思って練習しなければ、その競技は上達しません。
どれだけ「型」が身体に染みついてきても、実戦練習や真剣な練習をしないかぎり、型のやり方だけが上手になるだけです。
筋力トレーニングも同様です。
マシンや器具の使い方、自分にとって適度な強度だと思われる重量などがわかってきたならば、そこから「自分の意志で”意図的に”筋力を向上させよう」と思ってバーベルやダンベルを持ち上げることをしないと、筋力は向上していきません。
その為の負荷の掛け方というものは無数に存在します。
もっと〇〇した方がよいか?と考えるのはその無数にある方法の中から自分に合ったものを選び出そうとするようなことです。
スポーツで言えば、何年もその競技を続けている人だからこそ、色々ある練習方法の中から自分に合ったものがわかる という感覚に近いもので、初心者がいきなり「自分に合ったやり方はなんだろう?」と探すのは愚かです。
基本的な筋トレで構わないので、しっかりと重さを上げていくというところから始めましょう。