牛丼チェーンの吉野家が面白いアプリを配信し始めました。
アプリが万歩計のように利用者の歩数や距離を測定し、それに応じた割引クーポンがもらえるというもののようです。
一度こういった仕組み・プラットフォームとでもいうべきものが出来上がれば、「期間限定のキャンペーン」など様々な形式で色々なイベントが打ち出せます。
クーポン券だけでなくアプリオリジナルのサービスも提供できるでしょう。
このことを知って、個人的には複雑な印象・感想を持ちました。
まず、このアプリ自体の仕組みは「歩くという行為・運動」を意図的に利用者に促すようになっている非常に良い仕組みです。
この形式は間違いなくポケモンGOからヒントを得ているでしょう。ポケモンGOの場合は歩く距離によって「卵がふ化する」という形でゲームの中でポケモンが手に入るだけですが、このアプリの場合は現実の世界で使える「金券」がゲットできるというわけです。
しかし、このアプリを配信しているのが「吉野家」という点が複雑です。歩くことというのは健康のためには非常に有効な手段ですが、牛丼というのはファストフードです。健康やダイエットなどどいう観点からすれば「避けるべき食事」のジャンルに入ります。
健康のためにたくさん歩くのはいいのですが、それによって貯めたポイントをファストフードで使ってしまうのはウォーキングの頑張りを台無しにするようなものです。
そして、なぜこういった運動連動型アプリを”フィットネス業界から”配信しないのか?という点です。これについては怒りの感情もあります。
今や都内であれば「いたるところにある」といってもいいくらいのフィットネスクラブですが、フィットネスクラブが開発したアプリ というものはほとんどありません。もしかしたら無いかもしれません。
ポケモンGOのように、会員さんが所属する系列のフィットネスクラブにチェックインするごとにポイントがたまって、そのポイントでクラブ内で色々なサービスが受けられるなどの仕組みづくりはできるはずです。
スタジオインストラクターを追いかけて複数の店舗に足を運ぶ利用者にも喜ばれるでしょうし、
もっと言えば、アプリの「通知」という機能に連動させれば
「〇〇さん!もう3週間もジムに行ってないですよ!来週は1回は来ましょうね!」なんてメッセージが店舗スタッフの顔写真とともに利用者のスマホに表示される なんてこともできるでしょう。
そうすれば、会費だけ毎月払い続けているのに「なかなかジムに行けない」という人たちにジムに来るきっかけを与えることができるでしょう。
どんどん可能性が広がる「運動連動型アプリ」を吉野家が配信!
嬉しいのやら、悔しいのやら、といったところです。