昨日の続きです。
身体の変化(良くも悪くも)というものはまるで自然災害や歴史の転換点になるような大きな出来事のように突然現れます。
良い変化というものなら大丈夫なのですが、問題は悪い変化です。
息切れがするようになった。
目が見にくくなった。
関節の動きが悪くなった。
太ってきた。
痛みがいつまでも消えない、、、など。
こういった変化にどう対応するのかを考えていきます。
理想的な対応策は「予防」です。
万が一の事態に備えて保険に入るように、
年金を払っておくように、
大地震にに備えて大きな家具を壁にビスで止めておくように、
飲料水と非常食を準備しておくように、
などということを同じ感覚で、自分の身体に関しても予防や保険というものを掛けるのです。
これは「定期的な運動」「適切な負荷の筋トレ」「適切な心拍数の有酸素運動」などを日々やるようにするということです。
問いに対する答えとしては非常に面白みがありませんが、これが一番大事です。
一度も遭遇することはないかもしれない交通事故や大規模災害ですが、「もし遭遇したら」と多くの人は少しくらいは考えているはずで、その考えのもとに何かしらの行動をしています。身体にとってもそれは同じで、むしろ事故や災害などに遭遇するよりも、ずっと高い確率(ほぼ100%ですが)で身体の変化を感じるようになります。
その為に普段から運動をしておくということが一番です。
そうはいってもなかなか運動できない人も多いことも事実で、むしろ体力低下や関節の痛みなどを実感したからこそフィットネスクラブに入会したという人の方が多いかと思います。
そういった人はもう遅すぎるかというとそんなことはありません。継続的な運動が出来れば、日常生活レベルであれば、身体のことで何も困らない状態になることは誰でも可能です。ですが、「継続」というポイントを抑えられるかどうかということも重要です。
自分のみに起きた変化(主に体力低下)に、どう対応するかという点で運動を考えるならば、「変化以前の状態と比較しようとしない」ということが考えられます。
これに関しては同じような内容の記事を何度も書いています。
人間というのは、昔起こった楽しい出来事や良かったころの状態というのをいつまでも覚えていて、そこにとらわれていると「いつかその状態に戻ることができないか?」と思ってしまいます。
例えばバブルと呼ばれた80年代の好景気時代です。この時代にいい思いをたくさんした人というのは今でもどこかで「あの時代に戻らないかな?」という気持ちを捨てきれません。
私はかろうじて消費税というものが導入される前の状態を経験していますので、小銭の必要や細かな金額計算が不要だったあのころというのが、なんでも物が安かった時代として記憶にあるため、「いつかまた消費税がない状態にならないだろうか?」「せめてまた5%にもどらないだろうか?」とどうしても思ってしまいます。
でも実際にそんなことはないでしょう。(5%はあるかも?とまだ期待してます)
死者への弔いや供養、お墓を立てるというような行為も
「亡くなった人がいつか帰ってくるかもしれない」「実はどこかで生きていて我々のことを見ていてくれている」という気持ちの表れでしょう。
幽霊や心霊現象というものこの観点から考えれば、その考え方としては納得なものです。
これ同様に、体力や身体の状態というのも、「その人にとって一番良かった時の状態」というのを身体や脳は印象深く覚えています。
ですので、何年も運動せずに体力が低下し、関節が痛くなった人が運動を始めると、どうしても「あの時の自分」または「動けた時の自分の体力」と比較をしてしまうのです。
これが、運動において大事な「継続」のためのやる気・モチベーションを殺してしまうことになるのです。
過去の自分と比較をしないこと、これが「変化への対応」として有効な手段です。
これができないと大変です。
それについては明日に続けます。