ふと気がついて見ると、肩こり という症状がひどくて悩んでいるという人が少なくなってきているように感じます。
(単純に自分の身の回りにそういう人がいないだけかもしれませんが)
それよりも圧倒的に多いのは「腰関連の悩み」、そして「ひざ痛」です。
この二つと比較すると、肩に関する悩みはいわゆる「四十肩・五十肩」と呼ばれる「痛くて痛くてどうしようもない肩の辛さ」くらいのものでしょうか。
そういったものに比べると、「肩こり」というのは一時的な筋肉疲労のようなもので、お風呂に入ったり、自宅でリラックスすれば比較的早期に症状が緩和するものが多いのではないかと思われます。
肩こり、というとこの絵が象徴するような「肩の筋肉の緊張による辛さ」なのですが、身体のどの筋肉なのか、と調べてみると「肩」ではないことがわかります。
肩が凝って辛い!と感じ、どうにか血行を良くしてもみほぐそうと思わず自分で触ってしまうその筋肉とは↓の僧帽筋(そうぼうきん)という筋肉です。
背中の広範囲に広がっている筋肉ですが、見てわかる通り、首や後頭部の辺りにも付着しています。
「肩が凝った」と言ってもみほぐそうとするのはまさにこの僧帽筋の上半分のところです。これを「肩」と一般的には言っていますが、正確にはどう見ても「首の筋肉」です。
最近では「ストレートネック」という言葉も多くの人がその意味を理解できるようになってきて来ますが、我々が一般的に「肩こり」と言っているのは、実は「首凝り」と表現する方が正しいと言えます。
では肩とはどこなのでしょうか?
それは三角筋(さんかくきん)という筋肉のことです
この筋肉ですね。先ほどの僧帽筋よりももっと外側。
「腕の付け根」と表現してもいいかもしれません。
肩が凝った~、と揉みたくなる部位ではないことがわかるかと思います。
筋トレをしている人なら「今日は肩の日」などと部位を決めてトレーニングしたりしますが、この場合の「肩」とは三角筋を強化する筋トレを行うことを意味しています。
肩を三角筋として捉えると、肩こり=三角筋が凝る、ということになるのですが、ここが凝って仕方がないという状況になることは日常生活でしたらまず、ありません。
よほど三角筋の筋トレをやり込んで、筋肉を疲労困憊させた場合の翌日などはありえますが、その際に感じるのは首凝りの意味での肩こりとは全く違う凝り感です。
肩がこるというのは高確率で首凝りです。
ですから症状的につらくても、首が楽になる行為(どこかに頭を寄りかからせるなど)ができれば僧帽筋はリラックスできるのです。
アリ〇ミンなどというものに安易に走る前に、首のリラックス方法を考えてみましょう。自分なりの方法でもOKです。