脂質とは何か、ということについてのざっくりとした知識としてもう一つ挙げられるのが「ホルモンの原料」というものです。
ホルモンというのも人体の様々な活動に関与し、人体という組織の全てをコントロールしているわけですから、やはり”生命維持のためのエネルギー”ということになります。
そのほとんどが脂肪を原料として生成されているわけです。
アドレナリンやインスリンというホルモンは比比較的有名なホルモンですが、その他にも本当に細かな作用をするホルモンが、人体のあらゆる場面で放出されています。
面白い作用のホルモンの一つにバゾプレッシンというホルモンがあります。
バゾプレッシンは「抗利尿ホルモン」つまりオシッコが出るのを我慢するホルモンと一般的に言われています。
水分を再吸収するというのがバゾプレッシンの直接的な作用ですが、それによって」オシッコを我慢する」という行為が可能になります。
これによって人はオシッコを垂れ流すことなく、トイレに行ってから用を足すことが可能になっています。
バゾプレッシンというホルモンによって、出すべきところでトイレができるように調節ができているというわけですね。
人が寝るにはメラトニンというホルモンが、起きる時にはセロトニンというホルモンがそれぞれ関与していると言われています。
もちろんその他色々なホルモンも関わっていますが。
「行動や行為」だけでなく、「感情・気持ち・気分」もホルモンの調節を受けて感じるものです。
気持ち良さ、楽しさを感じた時にはドーパミン、不快感やイライラを感じら際にはノルアドレナリンが作用します。
もう人はすべてホルモン作用で生かされていると言っても言い過ぎではないことがわかります。ホルモンの調節がうまく行かないと、人体は途端に本来のコンディションを崩します。
糖尿病というのはインスリンが出ないことで起こる病気というのはよく知られています。
その他にも色々なホルモンが出ないこと、または出過ぎることによる影響で、様々な症状や障害が人体には起こります。
その原因で難病で苦しむ人も大勢います。
この様に見直してみると脂質・脂肪分というのは非常に重要どころか、欠かせない栄養素だということがわかるでしょう。
脂肪分=肥満の元
として毛嫌いすることは間違いです。
無いと生きられない栄養素だと理解しましょう。