スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

運動がなぜ健康に良いのか

運動することというのがそもそもなぜ健康にいいのでしょうか?

日本人の死因の上位3である、癌・心疾患・脳血管疾患から、生活習慣病、さらにはうつ病まで、共通していることはエクササイズによる予防や改善が見込めるということです。

疾病の程度や重篤さによっては手術や薬の投与に頼らざる得ない場合もありますが、投薬よりもエクササイズの方が優れた改善や治療効果を発揮するという研究結果が出ている症状も数多くあるということだそうです。

 

運動することで一体に何が直接的に人の健康に影響しているのかを考えると、やはり血圧や心拍数というものが考えられます。

「心拍数や血圧の急激な上昇」が心臓や全身の負担となるということです。

 

そしてその急上昇の原因となるが「ストレス」で、これがいわゆる「万病のもと」です。ですからストレスを溜めないようにすることが一番の健康であり、病気の予防や改善になるわけです。

 

 

「心拍数や血圧の急激な上昇」が起こりやすいのはお風呂場です。

 

風呂場のように裸になるところというのは服を脱ぐことによって急激に寒さを感じるので、全身の筋肉にキュッと力が入ります。それによって血圧や心拍数が急激に上昇します。すぐに湯船につかったとしても、お湯の中に身体を入れれば血圧と心拍数は当然上昇します。

それが心臓や血管への過剰な負担となり、場合によっては心臓麻痺などが起こってしまうこともあると考えられます。

今の時期のような冬場は、高齢者がお風呂場で倒れることが多く、中にはそのまま亡くなってしまう場合のあるので、

「入浴する前に浴室を十分に温めておくこと!」

「すぐに湯船につからずにシャワーで十分身体を温めてからはいること!」

などという注意喚起を見聞きしたことがある人も多いでしょう。

 

職場にいる合わない人と顔を突き合わせなければならないような「不必要な緊張感」を感じる時は、イライラ感やムカつき感によって(主にノルアドレナリンの血管収縮作用で)やはり心拍・血圧は上昇します。

お客様からの理不尽なクレームや上司からのカミナリ、陰湿ないじめなど、あなたをイライラさせたり、不安にさせたりするストレスは心拍数と血圧を不必要に上昇させます。

長期間それが続けば頭痛や精神の不安定さなど様々な症状が「血圧・心拍の急上昇」の影響として出てくるでしょう。

毎日のように強烈なストレスを受ける芸能人は、一定の年齢を超えるとよく癌を発症しますし、重度のうつ病にかかるタレント、自殺してしまうタレントも多いです。

 

さて、

運動をするという行為は、身体を動かすことによって全身が血流を必要とした状態、つまり心拍数と血圧が「高くないといけない状態」を意図的に作り出す行為です。

ここが運動のポイントです。

・平常時よりも少し高い血圧

・平常時よりも少し高い心拍数

をストレスでなく身体を動かすという行為で意図的に作っておくことをすれば、その分だけ血圧や心拍数が上がる余分な隙間を作ることができるわけです。

 

ほとんど運動する習慣がないという人は心臓が強くドキドキするということがほとんどないということになります。その心臓が「温度変化や上司の的外れな叱責」などで急にドキドキすることを強制されたとすれば、心臓だけがいきなり100mダッシュをさせられたようなものになるわけです。

これは当然心臓や血管への負担になりますよね。

 

ですが、あらかじめ心臓を意図的に強めにドキドキさせることをしていれば、急激な上昇をしても十分余裕でいられるはずです。まさにトレーニングして強化しておくということになります。

 

運動が癌・心疾患・脳血管の予防&改善に有効なのはこういったことが理由なのだろうと思われます。