日経新聞の記事に教師の勤務時間等の負担軽減の必要性を訴える記事があり、読んでいて思わずフィットネス業界もそっくりだと感じました。
長時間労働として宅配クライシスというものが盛んに叫ばれていますが、教師もフィットネスクラブの社員も長時間労働によるクライシスで現場は疲れ切っているようです。
宅配業者のクライシスの元になっているのは「再配達」であり、そこから派生する勤務時間の増加や減っていかない仕事量による負担なわけですが、教師の場合はとにかく雑務が多いことにあるのだろうと思います。
まずクラスの人数が多すぎでしょう。子供の数が減ってきたとはいえ、1クラス30人前後に対して担任1人という現行の制度では一人一人まで目立行き届かないはずです。
この行き届かないところに目を配る作業が膨大な無駄な仕事を生んでいるのでしょうし、そこにプラスしてわけのわからないクレームや対処するに値しないバカ親の戯言などにも向き合わないといけないことが連なっていき、仕事が終わらない&次々に出てくるという状態になっているのだと思います。
授業をする(勉強を教える)という本業以外の仕事が多すぎるということですね。
フィットネスクラブというところもこれに似たような状況にあります。
フィットネスクラブで働く人の本業とは、運動の指導です。運動処方と言ってもいいかもしれません。しかしその他にやる仕事が非常に多いのです。
まずは電話対応です。営業時間や入退会に関する問い合わせ、スイミングなどのスクールに関する問い合わせ、忘れ物の問い合わせ、休刊日に関する問い合わせ、などなど開店と同時に電話が鳴り続けるような日も少なくはありません。
それらに回答するためには現在どんなキャンペーンを打っているのか、入会に必要なものは、など店に関する細かなことを覚えておかないといけません。
次にアルバイトスタッフの管理です。これは主にシフトの作成ということになります。こちらは簡単にできるのに後回しにしてできない人が多いだけだと指摘する人もいますが、学生やフリーターを使っている以上彼らの時間設定を人件費と合わせて設定しなくてはなりません。
ですから「休むなら他の人を代行に立てる」なんて姑息なことを思いつくわけです。
そこに本業である現場での仕事が加わり、そこまでならいいのですが、水泳や体操教室などをやっている企業の場合はまさに学校と同じような雑務が発生してきます。
体操教室の生徒の引率をアルバイトスタッフが行っているというケースも実際にありますし、インストラクターの態度が個人的に気に入らないことを大きく膨らませて「この先生はひどい!」と手紙まで書いてクレームを寄越してくるような人にも下手にでる対応しか取れなかったりと、枚挙にいとまがありません。
本業以外の色んなことをやり過ぎている というのが学校の先生とフィットネスクラブ社員に共通する「負担」の正体です。
本業以外の仕事をどうやった減らしていけるのかを考えれば、色々と具体策は考えられます。
明日はそれについて考えていきます。