本日の日経新聞にシェアエコノミーについて政府が承認制度を導入するという記事がありました。
カーシェア、シェアハウス、民泊などあらゆる物事をシェア(貸し借り)をする世の中の流れが加速しており、そこにビジネスとしてのさらなる成長を政府も期待しているということでしょう。(「政府が制度を設ける」ということでまた手間や面倒が生じる懸念もありますが)
前回はドラッグストアの店舗営業方法からフィットネスクラブの運営を
考えてみましたが、例えば
午前中、またはクラブの利用者が少なくなる夕方のアイドルタイムに機能訓練型のデイサービス施設としてジムエリアの一部を開放
深夜の時間帯はダンスや大道芸等のパフォーマンス実践者へ向けて「大きな鏡の前で練習できる場の提供」としてのスタジオの貸し出し
というようなシェアビジネスも成り立つのではないでしょうか。
しかし、フィットネスクラブにとって、最も肝心なシェア事業は「紹介」という仕組みの簡素化です。フィットネスクラブだけでなく、マッサージ等の治療院や美容院等でもいまだに行われているのが「紹介カード」によるお客様紹介サービスです。お客様を紹介していただいたことに対するインセンティブをつけるというのはある意味シェアビジネスと言えるのでしょうが、いちいち「紙製の紹介カード」に住所だの名前だのを書いて持ってきてもらうというのははっきり言って手間です。
フィットネスクラブには毎月約100名ほどの入退会の動きがありますが、紹介カードを真面目に書き、クラブへ持参してきて、さらに入会する、などという人は「滅多にいない」と言っていいほどです。
使い道のないポイントカードが大量に財布に溜まっている人も多いかと思いますが、ほとんどの紹介カードというものはそのような「財布の肥やし」になる運命をたどります。
もっとシンプルに、「会員証のシェア」というものをやってしまえばいいでしょうし、その方がもっと効率的に「紹介による入会」というものを促進できるのではないかと思います。
既存のフィットネスクラブの会員さんの会員証を借りて、ご自身の身分証明書を合わせてクラブに持ってきてもらえればそのまま施設利用や見学ができるというくらいにすればもっと気軽に紹介ができます。
一人の会員さんがまだ会員でない友人を複数連れてきても、その人の会員証で他の人も施設に入れるというようにしてもいいでしょう。
当然際限が無くなってしまわないように回数に制限をつける、利用回数が多くなるほど料金的には入会した方がお得になるなどのルール設定は必要でしょうが、より多くの人に会員になってもらうチャンスを増やすという意味では、「友人の会員証でも施設が使える」というのは有効な方法ではないかと思います。
まさに「会員証のシェア」ですね。
特にジムエリア、トレーニング設備の利用に関しては「会員証の貸し出しによる利用」や「友達と一緒の利用」によるニーズはかなりあるでしょう。筋トレでオールアウトまで追い込む場合には補助者(スポッター)による手助けが必要になるケースも多いです。
この場合はまた、友達が友達を連れてきて、といった形になりジムエリアが学生たちのグループに我が物顔で占領されてしまうという負の側面も十分に考えられ、その対応策も必要になりますが、それらが上手く解決されるルール設定さえできれば「紹介」というものが現状のものよりは改善されていくと思います。