昨日に続けて、フィットネス関連情報誌「NEXT」が企画するトレーナーオブザイヤーの問題点をさらに深堀りしていきましょう。
フィットネス業界全体が生み出している大問題と直結していると言っても過言ではありません。
それはズバリ、ねずみ講です。
フィットネス業界に蔓延するねずみ講というテーマでこのブログでも記事を書いていますが、そのねずみ講とここ数日書き続けているトレーナーオブザイヤーが密接に関連しているのです。
フィットネス業界のねずみ講というものをかんたんにおさらいしていきます。
フィットネス業界というのは、ありとあらゆるエクササイズやトレーニング方法、トレーニング器具というものが雨後の筍のように出現してきます。
バランスボールやストレッチポールというものは一般の人でも知っている人がいるほど世間的に認知されていますが、その他にも多くの人には知られていないフィットネス関連のものごとが存在しています。
試しに下記の言葉で検索を掛けてみてください。
TRX、バイパーエクササイズ、ウエーブストレッチリング、マスターストレッチ
いかがでしたでしょうか?
正直これはいったい何なの?と質問したくなるものばかりです。
中には、まるでミノムシのように全身を大きなチューブで包んでエクササイズやストレッチを行う「ストレッチ―ズ」というものあります。
よく考えるなあと半ばあきれてしまいます。
エクササイズ器具だけ膨大な量があるわけですから、ピラティス等の「エクササイズ方法」まで含めると、冗談ではなく天文学的な数字の「フィットネス関連ものごと」があるということになります。
問題なのはそれらの器具やエクササイズメソッドに対して、
「それらを使ってお客様へ運動指導を行うためには指導者(トレーナー)の資格を取るように」ということで資格が設置されていること、
そしてその資格が初級から上級というように段階分けされ、セミナー受講や一定期間の養成スクールに通うというシステムが構築されていること、さらにはトレーナーを養成するためのトレーナー(マスタートレーナー)がセミナーや養成スクールを開催して何も知らないひよこ達からお金を巻き上げているということです。
まさに資格ビジネスなんですね。
トレーナーオブザイヤーとの関連というのはこのあらゆるエクササイズ方法に関連するマスタートレーナーなんです。
トレーナーオブザイヤーを獲得するまたは準グランプリなどに入賞すると、そのトレーナーに対して、どこかの会社からか、まだ世間には未公開の新しいエクササイズ方法が紹介されます。
そしてオブザイヤーに輝いたトレーナーが他の一般トレーナー達がそのエクササイズの存在を知るはるか前にそのエクササイズの資格を取得し、そのエクササイズのマスタートレーナーになってしまいます。
先ほど挙げた「ストレッチ―ズ」などはまさについ最近登場してきたエクササイズですが、それがフィットネス関連情報誌で取り上げられる頃には既にストレッチ―ズの指導者としての資格とそのための養成コースがしっかりと作り上げられた状態になっていました。
そしてその養成スクールの担当講師を務めるのはトレーナーオブザイヤーに輝いたトレーナーです。
こうしてトレーナーオブザイヤーに輝いたトレーナーはありとあらゆるエクササイズ方法が未公開株状態にあるうちにそのエクササイズを受講し、そのマスタートレーナーとなって新人ひよこ達を集めて養成スクールやセミナーをやり続けるのです。
NEXTでトレーナーオブザイヤーに輝いたトレーナーが数か月後に発行されるNEXTでは新しいエクササイズ方法のマスタートレーナーとして養成スクールの宣伝に登場するということが頻繁に起こります。
そして多岐にわたるエクササイズ方法に関するあらゆるセミナーが毎回、同じ顔触れの講師たちによって行われています。
まさに情報弱者を相手にしたセミナービジネスです。
これがトレーナーオブザイヤーが生み出している大問題です。