スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

何がどう体に悪影響を与えるのか、まではどうやってもわからない?

昨日の続きです。

 

昨日は山田豊文という人のマーガリンに関する著書に、具体的にマーガリンの何がどう体に悪いのかが書かれていなかったことについて触れました。

(山田豊文という人と書いたのはこの方は医師ではないそうなので先生ではないため)

 

様々なサプリメント食品添加物などは基本的に

それを摂取した集団と、そうでない集団との比較による統計データから、その効果というものが発表されます。

 

例えばプロテインを摂らせながらトレーニングをさせたグループとそうでないグループを比較すると、摂らせた方のグループの方が筋量の増加が見られたので、「たんぱく質(プロテイン)の積極的な摂取は筋肉量を増やすことに有効だ」となります。

 

身体に悪影響を及ぼすことが予想される実験の場合にはマウスが使われますが、基本は同じですね。

Aという物質を定期的に与え続けたマウスとそうでないマウスを観察して、Aを与え続けたマウスには癌の発症が見られたため、Aには発がん性が認められるということになります。

食品添加物や昨日書いたマーガリンもその危険性に関する議論という点ではそれらと同様です。

 

発がん性やその他様々な危険性を含んでいる物質が食べ物に添加されているので危険だ!と訴える人がいる一方で、

十分な実験を繰り返してマウスや人体に影響が出ないことを確認したうえで使っているのだから問題ないのだ!とする企業側の主張がぶつかり合いを続けています。

 

コンビニの食品やチェーン店系列の外食で使われる食品添加物に関して言えば、

「ほんのわずかな量でも発がん性orその他の悪影響が出そうなので全く摂らないほうがいい」という主張に対して、

動物実験で影響が見られない量のさらに100分の1が添加物として使われてるのだから大丈夫」という主張がバトっています。

確かに、砂糖や塩、みそやしょうゆ、からしなども大量に摂取すれば体には悪いし、コーヒーにしても一度に大量に飲んでしまったらカフェインの大量摂取による死亡リスクにさらされるでしょう。

 

しかし、ポイントなるのは「何がどう影響するのか」です。

 

発がん性を含めた人体への悪影響があるとされるトランス脂肪酸でできたマーガリン に含まれているどんな成分が、人体にどんな作用をするから癌になるのか、その他の影響が出てくるのか、というところまでは残念ながら不明です。

 

昨日取り上げた本の中には「トランス脂肪酸はがんの発生に深くかかわる活性酸素を大量に作り出す」という文がありますが、やはり、トランス脂肪酸のなにがどうなって活性酸素を作り出しているのかということについての記述はありませんし、

続く文章では、日本人の糖尿病患者の増加数を示しながら「この増加ぶりにトランス脂肪酸が関わっていると私はみている」という個人の感想(推測)が書かれてしまっています。

 

残念ながら、とは言いたくありませんが、ある物質が人体に取り込まれ、そこでどんな活動をするのかという点までは「細かすぎて顕微鏡でも見えない」という理解をしておく方が良いのではないかと思います。