スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

湿布を貼るくらいならクリームを刷り込むべき。

前回の記事では一般的に販売されてる湿布のほとんどが
「冷やす」という効果がないことをお伝えしました。
おそらく衝撃的に感じた方も多かったのではないかと思います。


では、痛みを感じる患部には何をすればいいのでしょうか?
冷やしていると思っていた湿布に変わって何を使えばいいのか
ということになります。

 

それはクリームです!
女性の方であれば保湿系のボディークリームや
ハンドクリームを一つくらいはお持ちでしょうし
美容のためのワセリンを持っているという人もいるのではないでしょうか?

 

市販されている湿布に比べると、
それらのクリームの方がのよほどアイシング(冷やす)効果が見込めます。
正確にはアイシングということではなく、

 

「徐熱(じょねつ)」

 

つまり、冷やすのではなくて過剰な熱を逃がす効果があります。

 

理屈は非常にシンプルで、
ほとんどのクリームの主成分は水であり、それに加えて
保湿ための成分色々と含まれているからです。
(当然身体に有害な毒も含まれているケースも多いですが今回はそれには触れません)


注射をされるときにアルコールを皮膚に塗るとヒンヤリしますが
これは湿布の冷感とは違い、気化熱のために体表の熱が
奪われるから、つまり実際に温度が下がっているからです。

 

液体や半液体(ゲル状のもの)を体表に塗ることは、
痛み元である体内の炎症を直接的に抑えるということではないのですが、
その気化熱によって、炎症を助長させるような過剰な熱の蓄積を防ぐことが出来ます。

この観点で見れば、痛いところに湿布を張るというよりも
ボルタレン」や「バンテリン」といった塗り薬を付けておく方が
効果的と考えれてよさそうですが、そこまで値段が高いものでなくても
シンプルなワセリンや、日ごろ皆さんが使っているクリームでも十分です。

 

やけどによる顔の損傷を治すために米国の物理学者が
開発し、NASAの宇宙飛行士たちが身体を守るためにつかっている
ということで有名な「ドゥラメール」という高級クリームがありますが
みなさんご存知でしょうか?

実はその成分をよく調べたところ、日本の「ニベア」とそれほど変わらない
ということが少し前に判明しました。
ニベアなら非常に手ごろな価格で販売されているので便利ですよね!

 

痛いところがあったらとりあえず湿布、ではなくニベアやワセリンを
刷り込んでみましょう。湿布よりはずっと患部を冷やしてくれるはずです。

 

と言っても、ぎっくり腰のような痛みや
長い距離を歩いたことなどからくる足首や膝痛などには
その日の内のアイシングが有効な場合もあります。

次回はそれについて詳しくご説明いたします。