昨日の続きです。
現実に突き落とされたパーソナルトレーナーたちは
「自分の収入確保」のために必死になりました。
シンプルに「お客さんを捕まえてリピーターになってもらうこと」ができれば問題は解決されるのですが、それほど簡単にお客さんを取れるわけではありません。
仮に捕まえることができたとしても数人程度では収入としては微々たるものですし、お客さんがフロントで支払うパーソナルトレーニング1時間6000円という金額の2~5割はフィットネスクラブが持っていってしまうため、お客さん一人の単価(実入り)は3000円~4800円にとどまります。
当然、たくさんお客さんを取らなければやっていけませんので、ありとあらゆる手段を考えて収入を増やそうとします。
その中で手っ取り早い方法が「マスタートレーナー」つまりトレーナーを目指すヒヨコ相手にあたかも「自分は売れている実績のあるトレーナーだ」という雰囲気を出して講師としてお金を徴収するというものです。
私から言わせればこんなのは詐欺でありインチキそのものです。
お客さんを捕まえることができない半面、トレーニングに関する知識や人の体に関する知識は人よりも先に勉強していますから何も知らないヒヨコ相手ならその知識がそのまま売り物になるわけです。
このトレーナー同士、同業者相手にお金を取る形式やセミナーを開催して参加費を払わせるというのは本当に多くのパーソナルトレーナーが行っている仕事の一つですが、本業のパーソナルトレーニングで充分な売上が立っていないためにそういった講師業をやっていることが実態であることが大半です。
フィットネス業界に溢れている無数の資格やほぼ毎日のようにどこかで開催されている勉強会、セミナーなどは稼げていないトレーナーたちの貴重なキャッシュポイントであり、なおかつ「私は売れているトレーナーで、常に最新のトレーニング情報も仕入れている優秀な人物なのさ」という雰囲気も醸し出せる都合のよい隠れ蓑になっています。
全日本プロレスの従業員であった澤木一貴さんなどはその典型で、フレックスクッションなどのエクササイズ器具や、ファンクショナルトレーニングなどの講師業が本職になっています。以前は「アディダスパフォーマンストレーニング」のマスタートレーナーとして講師をしていたと思ったら現在ではアディダスはどこへいったのかというほどの鞍替えぶりはある意味すばらしさを感じます。
この他にも活動する店舗を増やして収入をあげようと3店舗4店舗と複数のフィットネスクラブで活動するトレーナーや、もっと高度な知識や技術があれば稼げるようになると信じて資格のどツボにハマっていくトレーナー、すでに売れているトレーナーにすり寄って媚を売ることで仕事をもらい、まるでコバンザメのように次から次へと強いものの下につくことを繰り返していくトレーナーも出てきました。
アスリートエールという会社の他数社の役員を務めている(らしい)
森実利(もりみとし)というトレーナーもまさにコバンザメのような世渡り上手ぶりで今のポジションにいます。
このように業務委託契約が生み出したパーソナルトレーナーは多くの犠牲者、被害者を生み出しました。現在それなりの地位を築いている(と考えられる)トレーナーたちはそういった多くの犠牲者を生み出し続けることで生計を立てています。
しかし、もはやそれをやめることはできない状況になっているのが現状なのでその構図はこれからも続いていくことになるでしょう。
つづく