「コーラを飲むと骨が溶けるよ」
子供の頃に確か学校で?そう教わったのを今でも覚えています。
これは言葉だけ見ればいわゆる「トンデモ」ってやつです。
まず、当たり前ですがコーラには骨を溶かす成分は含まれていません。
ぶどう糖果糖液糖とカフェインと炭酸とカラメル色素を混ぜた液体に骨を入れてどれだけかき混ぜても溶けるわけがない。
次に、コーラを飲んだとしても飲食物は食道から肛門までを通っていくわけですから、直接的に骨にコーラが触れるわけでありません。
コーラの成分が吸収され、それが血液と共に骨まで行き届いてそれで骨を溶かす、というのなら骨よりもはるかに柔らかい組織である腸管、血管などの方が先に溶けるんじゃないでしょうか?
少し知識がある生意気な子供がいたら
そんな風に質問して先生を困らせるかもしれません。
あるいは
「非科学的なことを言うな!」
「間違った知識を子供たち植え付けるな!」
「コーラの危険性を過度に煽るな!」
などと言ってくるモンスターご両親もいるかも知れませんね。
ポイントは「伝え方」です。
コーラを飲んでも骨は解けませんし、
すぐに何か身体に影響が出るものではありません。
人によっては毎日のように飲んでいても元気にしている人もいるでしょう。
しかし、コーラという飲み物の成分が”科学的に”体に与える影響を見ると「飲まないに越したことはない飲み物」であることは確かです。
そしてそんな飲み物の味を小さな子供のうちに覚えてしまうと、ただの水やお茶よりもコーラのように砂糖がたっぷり入ったジュースの方ばかり飲んでしまうようになるかもしれない、つまり依存症になってしまう可能性が出てきます。
小さな子供に
「人体の構造とコーラに含まれる成分が与える影響について」
などというテーマで講座を聞いてもらってもいいですが、
「コーラを含めたジュース類ばかり飲むことにはリスクがあること」
「できれば飲まないようにして欲しい」という願いを込めて
「コーラを飲むと骨が溶けるよ」と伝えるんです。
つまり子供が本能のままに動いてしまわないようにある意味で恐怖を煽って行動に制限をかけるわけですね。
こうした報道に対して
まるで先ほどのコーラクレームモンスター親のように
「非科学的なことを言うな!」
「コロナが怖いものだと過度に煽るな!」
「インフルエンザの方がよほど感染者が多い!間違った知識を植え付けるな!」
という人達がいますね。
ここでもコーラと同じようにポイントは「伝え方」です。
新型コロナウイルスというのはまだまだその全貌がわかっていない未知のウイルスです。
どんどん変異型が生まれていますし、昨年12月には南極大陸でも感染者が確認され、つい最近ではエベレストのシェルパも感染が確認されたほど、「どこからうつったんだよ!?」と声をあげたくなるほど感染力が強いわけです。
重症化して亡くなる人も出るのはインフルエンザも同じですが、インフルエンザの場合は「空気が乾燥する冬の時期に流行する」「誰もが気軽に受けられるほど副作用リスクが少ない予防接種が定着している」「タミフルという専用治療薬もある」など、その特徴への理解と対処法があります。
コロナは夏には感染力が鈍りましたっけ?
そんなことなかったですよね。
ワクチンはひとまず出来てきたようですが、今出回っているメッセンジャーRNA型のワクチンというのは、いわば遺伝子組み換えワクチンのようなもので、摂取したことによる人体への影響も考慮すべきものであり、ましてや「コロナ版タミフル」のような治療薬はまだ完成してていません。
今後どんな影響が出るかわからないウイルスのパンデミックに対して、医師または一般人よりは専門知識がある人が世間に伝える時にはどう伝えたらいいでしょうか?
「全然問題ないっすよ!弱い人は死んじゃうのは仕方ないけど、ほとんどの人は無害なんでフツーにしてていっすよ♪」
と言えばいいでしょうか?
違いますよね。
「何が起こるかわかりません。気をつけてください。」
というべきに決まってますよね?
そしてその際には
「ほとんどの人には無関係かも知れないくらいの最悪の事態を想定」して話をするというのはわかりますよね?
未知のウイルスに対しても警鐘を鳴らす側の人というのは
「42万人も死ぬかもしれないよ!」と
大袈裟に言うものなんです。むしろそれが勤めですよ彼らの。
「恐怖を煽るな!」って怒りますか?
確かに恐怖を煽ってはいますよ。
でもそれはコーラで骨が溶けると同じように
「最悪の事態」を想定しての警鐘と、危機回避のための行動制限を起こさせるために「必要なこと」なんですよ。
「インフルで死ぬ人の方が多いから大丈夫ですよ」
「今まで通り、好きなことをして楽しんでください」
って言いますか?
じゃあ、あなたの子供にもこう言ってください。
「コーラを飲んでも骨は溶けたりしない」
「大丈夫だよ!美味しいと思うなら好きなだけ飲んでいいよ♪」
ってね!