前回の記事で「マニア追求」というキーワードが当てはまったと書いた2021年のスポルテックですが、筋トレをする人、ボディビル、ボディメイクをする人というのはここ数年でその数は明らかに増えています。
エニィタイムフィットネスやゴールドジムは現在、筋トレをする人達で時間によっては非常に混みあうこともあり、ジム現場の活気ということなら新型コロナウイルスの影響からいち早く脱却した数少ないフィットネス会社になるのかも知れません。
カッコイイ身体作りとしてのフィットネスではなく、健康的な体にすることや運動を楽しむ、運動が体に与えるメリットを広く知ってもらうという意味でのフィットネスは、今回のスポルテックを見る限り、まだまだコロナ禍から抜け出せていない、厳しく言えば壊滅状態であり昔から何も変わり映えしないままであるとも言えます。
個人的に注目だったのはこちらです。
プロテインドリンクの自動販売機ですね。カップに注ぐタイプのコーヒーやココアの販売機のようにボタンを押すとプロテインドリンクがカップで出てきます。会場に置かれているものは無料で何回も飲めたので3~4杯ほど色々な味のプロテインをいただきました。
面白いのはホットドリンクとしてのプロテインもあるのです。これは斬新だったし、こうした販売機が街中にとは行かないまでも、企業が複数入るようなオフィスビルなどにまずは置かれるようになったりすればトレーニングやタンパク摂取への意識も社会的に上がっていくように思います。それこそ24時間ジムにこんな自販機があったら味によっては即売り切れになるものもあるんじゃないかと思います。
この他は前回の記事に載せたようにマニアックな筋トレマシンの展示が多かったわけですが、フィジーク大会やベストボディといったコンテスト、筋トレユーチューバーたちの影響によってトレーニングをする人の数というのは増えたため、その市場へ向けた商品が目玉になっている様子です。
数年前のスポルテックやHFJという似たような展示会では、キックボクシングエクササイズやTRXを使った「グループエクササイズ」が大音量でデモンストレーションレッスンを行い、飛び入り参加者まで集めて派手な宣伝活動をしていました。
むしろそちら側の方がメインで、筋トレマシンはそのあとに続くものという程度でした。
今回はいくつものグループエクササイズライセンスを「MOSSA(モッサ)」というブランド名で保有するブラボーグループ社が出展しておらず(確かそのはずです)、看板インストラクターたちの実演レッスンはありませんでしたし、資格ビジネスとセミナービジネスばかりやっている斉藤邦秀(業界ではよく見る人で、最近では糖質制限を提唱する白澤医師とまた新しい資格ビジネスを立ち上げています)が数人を参加者と共にファンクショナルトレーニングを見せている程度でした。
TRXという器具のデモンストレーションも出展ブースの規模が明らかに依然と比較して小さく、ほそぼそと実演をしているという程度です。
数年前のフィットネス業界は「ファンクショナル」「機能性」「体幹」「動ける身体」というキーワードに絡んだプログラムが商品が並んでいました。おそらく筋トレよりも一般的にはそちらのほうにニーズがあるのだと思ったのでしょう。
しかし、現実は真逆になりました。
また次回に続けます。