スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

一般人を相手にするフィットネストレーナーなら「山本理論」を選ぶべき理由:横川理論が通用するのは横川さんだけ

前回の続きを書いていきます。

今回は「横川理論」について考えてみましょう。

 

横川理論とはボディビルダーの横川尚隆さんが考える「トレーニングについての意見」です。実際にボディビルという競技で日本一に輝くまでに色々なやり方でトレーニングをしてきたはずですから、その経験の中で体で学んできた「筋トレの現実」とも言えるかと思います。

 

レーニング(レジスタンストレーニング)について少し詳しい人なら

「筋肥大を狙うなら8~12RMで2~3セット」というのはもは定番でしょう。筋トレをしている人ならほぼ確実にこの目安に沿った負荷設定と回数でトレーニングをしたことがあるはずだし、やり続けているはずです。

 

全く筋トレをしたことが無い人が何かのきっかけでトレーニングを始めた場合、「8~12RM」つまり「8~12回ギリギリできる重さ」でやると「筋肥大がしやすい」と理解して、それを信じてマッチョボディを目指していくことになるのが一般的です。

しかし、8~12RMをどれだけきっちりこなしたとしてもそう簡単に筋肉は増えていくものではないということが次第にわかってきます。

 

ボディビルとは言い換えれば

「どれだけ多くの筋肉を付けて脂肪を減らしていくかを競い合う競技」です。野球、サッカー、ゴルフ、格闘技などと同様の”スポーツ”ですので、「これをやれば競技がうまくなる」などという簡単な方法があるわけではありません。

多くの人が上手くなるために色々な練習を何年間も行っているはずです。

 

横川さんはボディビルという競技で日本チャンピオンになったわけですが、その位の実績を残すならば「8~12RM、2~3セット」だけでトレーニングを済ませていて大丈夫なわけがありません。

数ある練習方法の一つが8~12RMというだけです。

 

どんな競技でもそうですが、試合や大会で勝つためにはありとあらゆる練習をする必要があり、試合・大会の規模が大きくレベルが高いものであればあるほどそれにふさわしいだけの練習量、練習時間が必要になります。

山本義徳さんの「101の理論」は一見すると「101の刺激を入れることができれば筋肉は増えるからカンタンだよ♪」と言っているように感じられますが(そうでないことは前回記事に書きました)、横川さんが出場するような大会となると、簡単にできる程度のトレーニングで済ませても勝てるわけがないことは明白です。

 

ですから、「そんな簡単に筋肉はつかないから、ハイボリュームでトレーニングしないとだめだ」という結論に至るのは自然なことで、それが「横川理論」と呼ばれるようになったのだと思います。

 

ポイントなのは

「その理論が誰にでも当てはまるものなのか」という点です。

ハードなトレーニングをしないと筋肉が付かない、時間を掛けてやり込まないと筋肉が付かないというのが確かだとしても、筋トレ初心者がその理論を実践することは難しいはずです。

サイヤマングレートとのトレーニング動画で横川さんは腕のトレーニングだけで6種目30セット以上、それもかなりの高重量でトレーニングをしていますが

それができるのはサイヤマンなどのように既に大会出場経験があり、一定の実績も残している選手に限られます。

 

角度を変えて言えば、

その位のハイボリュームのトレーニングをこなせるのは横川さんしかいないので、彼は日本チャンピオンになれたし、筋トレを通じてテレビタレントにもなれたわけです。

 

横川理論は横川さんにしかできないオリジナルメソッドであり、

オリンピックアスリートが一般人の労働時間に相当する8~10時間を競技の練習に充てるような行為と同じです。

 

多くの一般人には当てはまらない理論でしょう。

一般人を相手にするフィットネストレーナーなら「山本理論」を選ぶべき理由の序論:「101の理論」をきちんと整理してみる

筋トレ界では現在、山本義徳さんが提唱する101の理論とボディビル日本チャンピオンの横川尚隆さんの理論(主張?)が論争を巻き起こしているようです。

 

論争は主にYouTubeの正解で起こっているようで、具体的に両者がどんな言葉でどんな主張をし合っているのか、実際にお互いに個人名を出して批判し合っているのかなど細かい所までは見ていませんが、様々なボディビルダーや筋トレユーチューバー、フィットネスチャンネル運営者がこの理論バトルについての見解を述べています。

 

まず、論争になっているポイントをおさらいします。

山本理論:トレーニングは短時間でも効果がある(むしろその方が効果的)

横川理論:ボリュームを多くして時間を掛けてトレーニングしないと効果は無い(低い)

簡単に書くとそのようになるかと思います(違っていたら誰かご指摘ください)。

ざっくりとですがこの理論関連を扱った一人しゃべり動画を見る限りは「ボリューム少なめ、短時間」なのか、「ボリューム多め、長時間」なのかについてをみんなが意見を出し合っているという所でしょう。

 

このブログでもそこに乗っからせていただきますが、

当ブログの結論は、山本理論を推奨します。

理由は、山本理論と呼ばれる「101の理論」について正しく理解し、その上で横川理論と比較をすれば前者の方が色々な意味で実用的だと判断できるからです。

 

山本義徳さんの101の理論とは

筋発達(筋肉を増やす)のために必要な体への刺激、ストレスとはどの程度のものなのか?を言語化した「表現の一つ」です。

山本さんが独自に考え出した理論ではなく、「こうなった時に体は筋肉を増やそうとする」という人体に起こる現象、化学反応です。「物を燃やせば二酸化炭素が出る」というのと変わりありません。

 

人体にはホメオスタシスといういわば「今の状態を保とう」とする力が常に働いているので、筋肉を増やそうとするならばそのホメオスタシスを打ち破る刺激が必要です。その刺激をどう与えるのかというと、筋肉に全力を出させることがそれに当たります。

筋肉に全力を出させるには負荷をかけること=レジスタンストレーニング=筋トレをすることが効率が良く、自分が持っている筋力の最大値を100としたならば、それを僅かでも上回る力(いわば101の力)を出せば、それが筋発達のために必要な刺激となる、というものです。

山本さんがボディビルという競技を通じて「筋肉が発達する人体のメカニズム」を研究し、やっと探し当てた答えの一つなのでしょう。

 

ポイントとなるのはこの「101の理論」において山本さんは

「トレーニングは短時間の方が良い」

とは言っているものの

「トレーニングはもっと楽にできる」

などとは言っていないということです。

 

山本さんは自身のセミナーや著書の中で、

ボディビルダーのトレーニングDVDなどを見ると2時間、3時間とトレーニングする人がいるが、その位の時間を掛けてできるトレーニングというのは、筋トレを趣味として楽しんでいる要素が多く、実際に筋発達を促すシグナルが体に入っている=ホメオスタシスを打ち破っている瞬間の除けば、残りの大部分はいわば無駄であり、ホメオスタシスを超えていない」

ホメオスタシスを打ち破る刺激を入れられるかどうかが重要で、仮にそれが出来るならばトレーニングは時間短縮が可能であり、セット数も少なくできる」

そこから転じて、

「トレーニングとは、いかにホメオスタシスを打ち破るかに集中して、短い時間で、少ないセット数でやる方が効果的だ」

という主張をしていて、それは昔から一貫しています。

 

101の理論が多くの人に広まっていくにしたがって、まるで伝言ゲームのように重要ポイントがずれていき、先ほどのホメオスタシスを打ち破る刺激を入れられるかどうかが重要で、仮にそれが出来るならばトレーニングは時間短縮が可能であり、セット数も少なくできる」という部分だけが独り歩きしているようですが

「101の理論」とは、あくまでも「ホメオスタシスを打ち破る刺激のこと」であり、「短時間・少量」は副次的に得られるメリットの一つに過ぎません。

 

簡単に、

楽に、

ちょっと集中してやれば短時間で、

少ないトレーニング量で、

・・・・・・筋肉が付く!!

101の理論に対してそんな理解をしていたり、印象を持っていたとしたらそれは大きな間違いです。

 

山本さんがトレーニング指導をするユーチューバーやフィジーカー、動画に出演してもらって再生回数を稼ごうとする人たちのトレーニング動画を見てみると、みんな1~2種目終わるころにはヘトヘトになってその場にしゃがみこんでいたり、両手を床についてヘタッてしまっている様子が分かります。

撮影という以上はある程度の演出が入るでしょうが、それでも決して楽で簡単に101が得られるものではないことが理解できます。

 

逆に言えば

それほど強烈に筋肉を刺激することができたなら、そこからさらに追い込むようなことをするとコルチゾルが分泌されてカタボリックが促進されるので、短い時間で切り上げた方が効果的である、ということになります。

 

こうして改めて書き出してみるだけでも新たな学び、勘違いしていた点の修正ができるかと思います。

 

そうすると今度は

「いやいや、山本さんは頻繁に”トレーニング時間と量を減らした方がより効果が高かった”という実例や実験結果をTwitterに載せているじゃないか」という意見が出てくるかと思いますが、それらの記事に記されているのはどれも「トレーニングの重要な部分を抽出して、あとの無駄なものは省いた」というものです。

「意図的にボリュームを時間を少なくした」というわけではないし、「トレーニングを意図的に楽なもにした」というわけでもありません。

 

かつての日本の学校教育における体育や部活において、罰ゲームのように課せられていた(”科せられていた”でも可)「うさぎ跳び」や「空気イス」や「何回もやらされる腕立て伏せ」などには意味は無いということ、

そして日本のスポーツ界で行われているトレーニングでは、依然としてそんな「昔の部活のやり方」が定着している中で、「そんなのカットした方が良い」ということを、101の理論の観点から主張しているのです。

 

この序論を踏まえて、次回に続けます。

今更ながらRIZIN、シバターvs久保優太についての感想 その二

前回に続き、シバター対久保優太について思う所を書いてみます。

 

そしてやはり前回と同様に、この問題はRIZINの前進であるPRIDEを見返していくと理解が深まるように感じます。

 

90年代後半から2005年頃まで熱狂を生み出していたPRIDEですが、「熱狂」と言ってもその熱は広範囲に伝わるものではなく、格闘技ファンたちの間での熱狂に止まっていました。

寝技を含めた総合格闘技は、何も知らない素人がチラッと見た際にどちらが攻めていてどちらが守りなのかが分かりづらく、さいたまスーパーアリーナという大会場で派手な演出の下に開催される大会であっても「マニアが観るもの」という枠を超えることができませんでした。

 

それに対して、PRIDEが始まるわずか3年前の1993年に始まったK-1は「ヘビー級選手たちのキックボクシング」でした。立ち技だけの試合なので素人にも分かりやすく、体重100kg前後の大きな選手たちの試合はテレビ映りも良かったこともあり、「これまで格闘技なんて興味もなかった人たち」を取り込むことに成功しました。

K-1もPRIDEもその当時はフジテレビでゴールデンタイムに番組放送されていましたが、視聴率が高かったのはK-1の方です。

 

大会を重ねていくうちにK-1は「プロ選手同士のハイレベルな技の攻防よりも、見た目のインパクトが大きい男同士の殴り合いの方が視聴率が高くなる」ということに気がつきます。当時のプロデューサーだった谷川貞治を揶揄する「谷川モンスター路線」という言葉の通り、K-1は「実力者よりも話題性重視の路線」を進むようになります。

批判も多かったモンスター路線ですが、客観的に考えればこれは正解だと言わざるを得ません。テレビ局が関わっている以上は何よりも視聴率を取ることが優先されることになります。

番組に求められるのは「お年寄りから子供まで誰にでもわかるわかりやすさ」であり、悪い言い方をすれば「バカでも分かるもの」を出すほうが優先されます。テレビなどのマスコミはマス(大衆)になればなるほど人はバカになっていくことを十分に理解していますから、「一部のマニアからのごもっともな正論」よりも「大衆にウケてお金になる間違い」を選択します。

2003年大晦日の曙対ボブサップを覚えている人も多いかも知れません。

まさにモンスター路線を象徴する試合で、瞬間的に紅白歌合戦を越える視聴率を取りました。

 

同じく2003年からPRIDEも大晦日興行を行うようになり、フジテレビがそれを放送する形を取っていましたが、PRIDEの大晦日大会は「男祭り」というサブタイトルが付けられ、その言葉の雰囲気の通り「マニア路線」を追求した対戦カードがいつも組まれていました。

しかし、2003年の曙・サップ戦があったためにPRIDEにも「視聴率のために話題性を…」という声が内外からも出てくるようになります。

 

2005年の大晦日には、今ではサマースタイルアワードの開催者となった金子賢が「スペシャルチャレンジマッチ」としてPRIDEのリングで試合をしました。この時の対戦相手はRIZINで木村フィリップに7秒でKO勝ちしたチャールズ・クレイジーホース・ベネットという下品なアメリカ人選手でした。

格闘技ファンからは全く注目されなかったこの試合でしたが、テレビ放送で最も視聴率が上がった瞬間は実はこの試合だったのです。

2005年大晦日五味隆典対桜井マッハ隼人、マークハント対ミルコクロコップ、小川直也吉田秀彦など”ものすごい対戦カード”が並びましたが、世間一般に響いたのは金子賢のチャレンジだったわけです。

 

今回も前置きが長くなりましたが

熱狂を生んだPRIDEですら「その程度」なわけですから、格闘技熱がすっかり下火になってしまった現在では特に大晦日のビッグマッチとなれば「話題性と視聴率」を稼ぎに行かなければならないことは明白です。

朝倉兄弟は確かに有名ですが、対戦カードに朝倉未来vs斎藤裕と発表されても「よくわからない」という人の方が圧倒的でしょう。

比較的安めのファイトマネーで試合に出てくれて、そこそこの格闘技経験があって、むしろ選手よりも知名度が高く、テレビに映せば手っ取り早く視聴率が稼げるという便利で使い勝手がいい人物がシバターであり、そんなシバターの対戦相手としてこれまた丁度いいところにいてくれたのが久保優太だったのではないかと思います。

 

つまり

ユーチューバーに頼らなくてはならないほど現在の格闘技は人気が落ちてしまったということ、これが今回の八百長騒動の根本であり残酷な現実だということです。

少し前にRIZINでは那須川天心堀口恭司という世紀の一戦を行いましたが、一昔前の魔裟斗対山本キッドが集めた注目度とは比較にはなりません。

 

シバターは自身もアマチュアセミプロレベルの格闘技大会に数多く出場していますし、年齢的にも格闘技バブルが最高潮だった時代を知っているはずです。そのころと比較した日本格闘技界の現状と、ユーチューバーとしてどんな内容の動画がウケるか(いかに視聴者がバカであるか)を熟知しているでしょう。

試合の勝ち負けを含め「視聴率が取れた」という結果を残せたならば、秋山ヌルヌル事件のように「謝罪をして後は何を言われてもスルー」を貫けば大丈夫=視聴率という後ろ盾がある以上大会関係者やテレビ局も表立ってシバターを批判しづらくなるということも理解していたと思います。

 

都合よく自分を利用するならこっちから利用し返してやる、とシバターは考えたんじゃないでしょうか?

今更ながらRIZIN、シバターvs久保優太についての感想

フィットネスとは無関係ですが1月中にこの件については触れておこうと思い、2021年大晦日RIZIN、シバター対久保優太について、今更ながら思う所を書いていきます。

 

問題となっている点をおさらいします。(時系列に沿っていません)

・大会数日後にこの試合が八百長であったのか?という疑惑が噴出、炎上する

・事前にシバターから久保優太に当日の試合展開についての口裏合わせがあった

・シバターは事前に決めた展開通りに試合をせず(ブック破り)、久保から一本勝ち

その他色々

といったところでしょう。

 

この問題(らしき現象?)を見ていくにあたり、参考にするべきはPRIDEです。

RIZINとは要するに「PRIDEの続き」です。

 

1997年に「格闘技の単発イベント」としてPRIDEという

格闘技大会が行われました。

当時はまだ現在のようにインターネットが普及していない時代であり、地上波のテレビ放送並びにテレビ局がメディアのトップに君臨していた時代です。

そしてアメリカでは(ネットの普及は日本と同じくまだまだでしたが)、既存のテレビ局の番組の他に、いくつものケーブルテレビや衛星放送のチャンネルがあり、pay per view=見たい番組にはお金を払って視聴するというビジネス(仕組み)が既に出来上がっていました。

WWEはこの仕組みを利用し、無料のテレビ地上波放送では中小規模大会の試合を見せ、注目のビッグマッチは視聴料がかかるという形式を90年代から定着させています。

PRIDEは当初、同じ頃に登場した「スカイパーフェクTV」という約300チャンネルもジャンルがある有料衛星放送サービスのキラーコンテンツを狙ったものとして生み出されたものでした。現在も「スカパー!」という名前で存続しています。

スカパー!のチャンネルだけでなく、90年代は何度も視聴率三冠王に輝いてた最強のメディアであったフジテレビがその放映権を取得したこともあり、PRIDEは一気に大人気イベントとなって熱狂を生み出します。

 

格闘技好きな人なら「既に誰でも知っている」と言っても言い過ぎではありませんが、PRIDEでは実際に八百長試合があったことが明らかになっています。

刃牙シリーズの作者の板垣恵介氏は「板垣恵介の激闘達人烈伝」という著書の中で、高田延彦対カイル・ストゥージョンの試合が八百長であったことを批判しています。

またPRIDE消滅後には、出場選手であったマーク・コールマンが高田延彦との試合は事前に試合展開の取り決めがあったことを公にしていますし、

同じくゲイリー・グッドリッジも小川直也との試合の前に「八百長試合をして負けてくれたらファイトマネーを増額する」という打診を電話で受け(誰が掛けてきたかは不明)、「冗談じゃない!」と断ったということを明らかにしています。

PRIDEがアメリカのラスベガスへ進出した際の五味隆典対ニックディアスの試合も八百長試合であったと言われています。

それ以外にも「テレビ的に勝って欲しい選手が優位になるようにレフェリーが動いているんじゃないか?」と思われる試合も数多くありました。

 

前置きが長くなりましたが、まず八百長について言えば

「興行である以上発生しても仕方がないこと」だというのが私の意見です。RIZINは柔道やレスリング、ボクシングのような世界共通のルールがある「競技」ではなく、「強そうな人同士を戦わせてみよう」という興行=イベントです。

競技者同士の優れた技の競い合いを見る物というよりは、より多くの視聴率や再生回数になるもの=お金になる要素を生み出すことが優先になるのは当たり前です。

 

とは言え、PRIDEにはそれでもしっかりとした「競技性」がありました。出場する選手はみんな「確かなアスリート」でしたし、ヒョードルノゲイラ、ミルコなど100kg超えのヘビー級選手がゴロゴロいました。

ヴァンダレイ・シウバや桜庭和志が活躍したミドル級もPRIDEは93kg未満の設定でしたのでやはり一般人とは比較にならない体格です。

 

シバターも久保優太もアスリートであり、久保選手はK1チャンピオンにもなっていますが、体格は一般人と同じですし、シバターも格闘技の経験と実績はあるためその辺の素人よりは強いことは確かですが、プロアスリートと呼べる体ではないことは見ればわかります。

 

そして、シバターは仲間のユーチューバーと一緒に入場、久保優太もやはりユーチューバーの妻と一緒に入場してきました。

「鈴木ゆゆうた」という人(こちらもユーチューバーですが)が「ユーチューバーは影響力を持った、ただの素人」と自信のチャンネルで話しているようですが、確かにプロ格闘家が集まるリングにどれほどの人気ユーチューバーが集まっても彼らの素人感や一般人感は目立ちます。

久保優太にはコスプレをした奥さんがリングサイドから応援をしていましたが、PRIDE時代の会場ではまずそんな光景を見ることがなかったですし、そんな光景を見ると大会そのものが安っぽくなってしまった感が否めません。

八百長試合がどうのこうのの前に、「あの時自分が熱狂的に見ていたPRIDEがここまで劣化してしまったか」という気持ちが強くなりました。

 

シバターは試合後に自ら、久保優太に試合展開について口裏合わせを打診したこと、それを自分から破って何をしてでも勝ちに行きたかったこと、RIZIN関係者たちにも一泡吹かせてやりたかったことなどを自身の動画で語っていますが、その様子はまさにグラップラー刃牙のアントニオ猪狩そのものです。

だまし討ち、急所攻撃、タップしたフリ、土下座(シコルスキーは”土下寝”)など刃牙の中でありとあらゆる卑怯な手段を使うのが猪狩ですが、それを地で行ったという印象です。

 

そしてだまし討ちで勝利したとは言え、プロのキックボクサーをフックでグラつかせるほどの打撃力があったこと、飛びつき腕十字で極め切るところまで持っていったことは事実であり、「卑怯だ」と言い切れるかは微妙です。

秋山成勲のクリームの方が明らかに卑怯です。

 

小川直也橋本真也の試合での猪木の指示による小川のブック破りも有名ですが、プロレス関係者やレスラーの間では、ブックを破った小川よりもそれに対応できなかった橋本に対して「もうちょっと何とかできなかったのか?!」という悔しさがこもったコメントが寄せられたそうですが、

久保優太に対してはまさにそんな気持ちが浮かんできました。

 

次回にもう少し続けます。

筋トレがここまでのブームになるとは思ってもいなかったフィットネス業界の誤算:後編

フィットネス業界の誤算シリーズの最終回です。

 

ファンクショナルトレーニングがヒットするだろう!

体幹レーニングが主流になるだろう!

と、考えたフィットネス業界各社は運営するフィットネスクラブ内にファンクショナルエリアを新設したり、グループエクササイズに体幹レーニングメニューを取り入れたものを積極的に導入するなどして、意気揚々と多くの入会者が集まること、会員数が増えること、そして何より儲かることを期待していました。

これが2012~15年頃のことです。ですのでこの頃は「2020年に開催される東京オリンピック」にも業界は大いに期待をしていました。

オリンピック期間中には数多くのスポーツが視聴され、それに触発されて多くの人が運動を始めようという気持ちになり、フィットネスクラブへの入会者も増えるだろうというなんとも短絡的な発想です。さらにそこに「アスリートも実践する体幹レーニング」とくればバッチリだ!ということですね。

 

では、体幹レーニングは流行ったのか?または

「これは良いトレーニング方法だ」として広く実践されるようになったのか?というとそんなことはありませんでした。ファンクショナルや体幹を導入してから入会が増えた・会員数が伸びたという施設もありませんでした。

実際にファンクショナルや体幹レーニングというものをやってみると、結局は基本的な筋トレ動作であるローイングやプレスといった動作をするものであったり、ピラティスで頻繁に使われる「背骨を一つずつ動かしていく」などの難しい表現や動作があったりで、「なにがなんだかよく分らないもの」と世間的には認識されてしまい、とてもじゃないけど広く多くの人に実践してもらえるものにはなりませんでした。

 

ファンクショナルと体幹から目新しさ感が薄れてきたころ、突然インパクトのあるテレビCMが頻繁に流れるようになります。それがライザップでした。

「太ってだらしない体をした人が、カッコイイ(キレイな)体へと劇的に変わる」というシンプルなCMは一気に世間の注目となり、話題をかっさらっていきました。

一つの事に焦点を絞ってメッセージを打ち出すというのは「ランチェスター戦略」の基本ですが、まさにそれを忠実に再現したのがライザップのCMです。

「どんなところなのか?ダイエットのために何をするのか?」といった説明が一切無く、「ここに来ればあなたの体はこうなります」という効果だけを伝えるCMは、一種の人気キャラクターのように世間にウケまくったのです。

 

実際にライザップを利用する人達が出てくると「ライザップって何をするの?」ということも明らかになってきます。この時期に「パーソナルトレーニング」という言葉も一気に世間一般に浸透し、その意味を多くの人が理解する共通言語までになりました。

ライザップ以前の2003~2009年頃はパーソナルトレーニングという言葉の意味すら知らないという人が多く、「パーソナルトレーニングとは専属トレーナーがマンツーマン指導をするもので・・・」と説明をしないといけないものでした。

そしてライザップのパーソナルトレーニングでは、ダイエットのために何を指導されるのかというと「筋トレ」です。

バーベルを担いでスクワットをしたり、ダンベルフライやローイングをしたりという筋トレをするところがライザップで、利用者が増えるほどに筋トレをすることがダイエットのために有効、カッコイイ体作りのために必要なことなんだという認識が広まっていくようになります。

 

また、2015年頃はスマートフォンの高速データ通信化とネット環境の配備に合わせて、YouTubeが現在のような巨大データベースとも言える存在になっていく、その出だしの時期でもありました。

この時期に今ではユーチューバーと呼ばれる「YouTubeを使って有名になって金を稼ごうとする人たち」も活動を始めるようになります。

サイヤマングレート、コアラ小嵐ステロイドを使う前の(たぶん)カネキン、小池友仁などはいち早く動画配信を始めた筋トレユーチューバーたちで、自身のトレーニングや減量の時に食べている実際の食事などを公開することで視聴者を増やしていき、現在ではすっかり成功者に成り上がっています。

 

彼らが動画配信するコンテンツによって

「身体を鍛えることってかっこいい・おしゃれ」

「球技やスポーツは今更できないけど筋トレならできるかも」

といった印象を持ち、トレーニングを始める人たちが急増していきました。実質的にこの時点でゲームチェンジが起こったと言えるでしょう。

 

筋トレが流行ると今度は鍛えた体を披露する場として様々なコンテストがあるということも世間に知られるようになります。

中でも「ボディビルという所まで行かない程度のカッコイイ体」を競い合うフィジークというジャンルの競技は「出てみたい」という人が急増し、大人気のコンテストになりました。(今ではフィジークもボディビルとほぼ同じですが)

 

コンテスト出場へ向けて、競技者たちが何を頼りにしたかというと

これまでゲテモノ扱いされてきたボディビルダーたちでした。

YouTubeなんか無いころから、ライザップも存在しなかったころから「体を鍛えることってかっこいい」という思いを実践し続けてきたいわば先駆者たちが、やっと日の目を見るかのように世間に注目されるようになります。

特に山本義徳さんのブレイクはすさまじく、筋トレに興味がある人なら一度は関連動画を目にしたことがあるほどになりました。

 

これまでは

「何目指してんの?」

「そんなに鍛えてどうするの?」

「ウエイトトレーニングで作った筋肉は”使えない筋肉”だ」

「筋肉を付けすぎるとスピードが落ちる」

ボディビルダーなんて気持ち悪い」

など、散々な言われようでバカにされてきた「筋トレ」に対する視線のあり方が、一気に羨望の眼差しに変わったのです。

 

そして2022年現在。

すっかりフィットネスの主流は「筋トレ」に変わりました。

ファンクショナルと体幹は、完全に後退しており、長友がやっている体幹レーニングの「コバトレ」なんておそらく誰も知らないでしょう。

 

コロナという事態も予想外でしたが

フィットネス業界は筋トレが「まさかこんなことになるなんて」と呆気にとられている状態です。

 

終わり。

筋トレがここまでのブームになるとは思ってもいなかったフィットネス業界の誤算:中編

前回の続きです。

まだ「筋トレ」というものが異質なものという見方をされていた頃、フィットネス業界は「見せかけだけの使えない筋肉よりも機能的なカラダを!」と打ち出した方が世間にウケるだろうと考え、機能的なカラダ作り=ファンクショナルトレーニングというものを施設内に導入するようになりました。2012年~2015年頃のことです。

 

ただダンベルを上げ下げしたり、単調な筋トレマシンを動かすだけの筋トレよりも、ちょっとした遊び感覚も含んだファンクショナルトレーニングなら飽きも来ないだろうと考えていたりもしました。

 

そしてこういった時にフィットネス業界が馬鹿の一つ覚えのように参考にして、丸パクリのように導入するのが「海外で行われているもの」、「有名アスリートがやっているトレーニング方法」です。

この時、ファンクショナルに合わせて「体幹」という専門的な匂いがするカッコイイ言葉にも業界は目を付けました。

少しフィットネスについて調べたことがある人なら体幹レーニングという言葉を聞いたことがあるかも知れません。サッカー日本代表だった長友佑都が行っていたトレーニング方法として、長友自身も何冊か本を出しています。

また、モーグルというスキー競技のオリンピック選手だった上村愛子のトレーナーもファンクショナルトレーニングの第一人者とも言える人物で、ビデオカメラか何かのテレビCMにも出演するほどの有名人です(業界的には、です。世間的には知らない人が大半でしょう)。

 

「海外」からは、ピラティス、TRX(サスペンショントレーニング)、アスリーツパフォーマンスで行われているトレーニング方法、

「有名アスリート」からは、コバトレ、ファントレが参考(事実上の丸パクリ)にされました。

簡単に説明すると・・・

ピラティス:ドイツ人のジョセフ ピラティス氏が考案したトレーニング方法

・サスペンショントレーニング:鉄棒の吊り輪のような器具を使ったトレーニング方法

・アスリーツパフォーマンス:アメリカのアリゾナ州にあるプロアスリート用トレーニング施設

・コバトレ:長友のトレーナーだった木場(こば)という人がやっていた方法

・ファントレ:上村愛子のトレーナーだった鈴木岳(すずきたけし)氏が運営するジムで行っているファンクショナルトレーニングを初心者向けにまとめたもの(多分、本が出ています)

となります。

詳しくはそれぞれGoogle検索をお願いします。

 

こういったトレーニング方法に合わせてフィットネスクラブはどこも大幅な施設リニューアルを計りました。

例えばサスペンショントレーニングをグループレッスンとして行うための「サスペンションを引っかける鉄棒」を設置したり

ジムエリアに人工芝を植えてスポーツに直結する動作がやりやすいようにしてみたり

スタジオプログラムやフリースペースのショートレッスンでも体幹や機能的といった言葉に沿った内容のものが次々と導入されるようになりました。

体幹・ファンクショナルが強調される前から使われていたバランスボールやストレッチポールなどが使われるレッスンでも「体幹を鍛えましょう!」というインストラクションがかかるほどでした。

 

新しいトレーニング方法やプログラムが導入されれば、最初は物珍しさで人が集まります。コバトレやファントレをベースにしたプログラム、海外で行われているメソッドは一定の参加者を集めました。パーソナルトレーニングジムもゴリゴリの筋トレ系ジムではなく、ピラティススタジオやファンクショナルトレーニングジムが出店されるようになります。

特にピラティス2LDKくらいの部屋でも(もっと小さなスペースでも)できるものなので、中には自宅を改装してスタジオオープン!なんてやっているところも出てきました。

この2012~15年頃のスポルテックやHFJというフィットネス業界の一大展示会はまさにファンクショナルトレーニングが注目の的でした。

東京ビッグサイトの展示室の中でも中心部にブースを陣取り、大音量で音楽をかけてTRXのデモンストレーションが行われていましたし、バイパーというまるでバズーカ砲のような形をした器具を使ったファンクショナル運動も派手にパフォーマンスをしていました。

 

しかし、時間が経過してみて結果的にどうなったかは今回のスポルテックの会場風景がそれを証明しています。

「ファンクショナル」や「体幹」は定着しなかったのです。

ブームになったと言えばなりましたが、そのブームの規模は微々たるもので「ウォーキングドクターデューク更家」や「カーヴィーダンス」、「ビリーズブートキャンプ」など一時的とはいえ社会現象と呼べるほどのものまでにはなりませんでした。

「次はファンクショナルとか体幹が来るぞ!」と期待していたフィットネス業界だけが勝手に盛り上がっていただけに過ぎないのです。

 

この誤算の原因は、先ほど挙げたキーワードである「海外」「アスリート」に反応してしまったこの業界の(業界人の)頭の悪さにあります。

 

まず、海外で盛んに行われているとかアスリートがやっているトレーニングなどと言われても一般人には「ふーんそうなんだー」という程度にしか響きません。

サッカーやフットサルをやっている人は多いですからそういった人なら「長友がやってるトレーニング方法?ちょっとやってみようかな?」という気持ちになることはわかりますが、フィットネスクラブに来る人の大半は運動不足や体重増加を気にしてくる人たちです。アスリートのトレーニング方法よりも自分にはどんな運動が適しているのかの方が気になるはずです。

 

また、ファンクショナルトレーニングというのは実は難しいのです。

例えば「不安定な状態でも体幹がブレないカラダを作るトレーニング」として、

・右足で片足立ちになり

・左手でダンベルを持って肩の高さまで持ち上げ

・さらに頭上に上げる

という動作をやってみるとしましょう。

 

運動初心者であればまず片足で立っただけでかなりフラつきます。そしてダンベルを持ちあげるにしてもアップライトローやショルダープレスといったトレーニング動作がある程度理解できていなければ、何が何だかわからないものになります。

 

つまり、ファンクショナルトレーニングが上手にできるようになるにはスクワットやデッドリフト、ベントオーバーローイングなどの昔からある筋トレで「股関節から体幹を屈曲させる」というような基本的な筋トレが出来ている必要があるのです。

 

機能的なカラダを手に入れるためには

見せかけの使えない筋肉を作るためのトレーニングをする必要があったわけです。つまり「筋トレ」こそが真のファンクショナルトレーニングであり、体幹レーニングだったのです。

 

業界が流行らせようとしたファンクショナルトレーニングでしたが、結果的に「昔から行われている筋トレ」が見直されるようになってきました。

 

後編へ続く。

筋トレがここまでのブームになるとは思ってもいなかったフィットネス業界の誤算:前編

2022年最初のブログ記事です。

毎年のように「今年こそは更新頻度を上げよう!」と思いますが、、、、できるだけやってみようと思います。

早速前回と前々回の記事の続きとして、現在でもウイルスの蔓延に苦しむフィットネス業界の誤算について書きます。

全く「新年」や「年明け」、「新たなスタート」などということには触れませんが、実際に触れる要素が無いと言っていいほど21年~22年は、特別なことが何も無い年明けになりました。

 

「マニア追求路線」として数々の筋力トレーニングマシンが会場のメインに並んでいた「スポルテック2021」でしたが、多くのフィットネス業界関係者は「そんなことになる」などとは全く考えもしていなかったと思います。

というのも、それまでのスポルテックなどのフィットネス関連イベントや博覧会などでは「ファンクショナルトレーニング」というキーワードが主流で、展示される運動器具や実際にデモンストレーションされるトレーニング方法というものはどれも「機能性」や「ファンクショナル」を打ち出したものばかりでした。

この「機能性」や「ファンクショナル」というものがこれまた説明が難しいのです。

「機能的なカラダ」「動ける身体」などどんな言葉を当てはめてもイメージがしづらく、映像で見る方が理解がしやすいかも知れません。

 

タレントの小島瑠璃子が「男たるもの使える筋肉を付けとけよ」という発言で炎上する出来事がありましたが、まさにフィットネス業界全体が「その発想」だったわけです。

筋トレユーチューバーたちが視聴者(チャンネル登録者)を集めていき、現在のような成功者とも呼べる段階に至るまでの最初のステップを踏み始めたのが、2015年頃です。それ以前から、そして筋トレユーチューバーたちが注目を集めるようになってきても、それでもフィットネス業界は「無駄な筋肉を付けてもしょうがない」という発想のままでいました。

正確には、世間一般にそうした発想の人が多くいたので、そこに合わせとけば世間にウケて客が増えるだろうという何とも安直な安っぽい(同じこと繰り返してますけど)発想をこの業界人たちは持っていたのです。

「筋肉を付けすぎても、なにも使えない。」

「ジムで鍛えた筋肉は見せかけの筋肉。実際の運動や競技で自然とついていく筋肉とは違う。」

「筋肉を付けすぎると逆にスピードが落ちる」

など、とにかく筋トレや筋肉というものにマイナスイメージを持つ人が多かったのです。

プロ野球選手の清原和博が現役時代に、パーソナルトレーニングジムの老舗であるトータルワークアウトで肉体改造を行いましたが成績が付いてこず、怪我にも悩まされることになったもの影響していたでしょう。

「清原がダメになったのは筋肉を付けすぎたせいだ」と何も知らない自称スポーツジャーナリストもコメントしていました。(今となってはただの無知&バカコメントに過ぎないことがはっきりしましたが)

今でこそ、筋トレの権威・インフルエンサーとしての地位を確立した山本義徳や山岸秀匡も当時のテレビや動画メディアでは完全にゲテモノ扱いで、まるで気持ち悪いものを見るような視線が向けられていました。

 

ですから「カラダを鍛えよう!」と筋トレを始めた人に対して

「何目指してんの?」という質問が出るようになりました。

「そんなに体を鍛えてどうすんの?」ということですね。

体を鍛えた先に何があるのか?どんなメリットがあるのか?なんにも無いじゃーん!と今でも思っている人は多いでしょう。

 

しかし、不思議なことに「筋トレ以外のスポーツや習い事」に対しては「何目指してんの?」という質問がでることはありません。

私なんて逆に質問したいですよ、ランニングしてる人とかゴルフ・テニス・水泳などをしている人に対して。

「何を目指してるんですか?」と。

ゴルフがうまくなった先に何があるんですか?どんなメリットがあるんですか?

(あとは「ゴルフ」の部分を別のスポーツなどに置き換えて応用)

ぜひ回答をお聴きしたいものです。

 

そんな世間一般の

「筋トレ=メリットが無い」

「一部のマニアが好んでいる気持ちが悪いもの」

といったイメージに合わせて、フィットネス業界は「使える筋肉」や「動ける身体」というものを積極的にフィットネスクラブで打ち出すようになります。

 

その中で「体幹」という便利なキーワードに業界は目を付けました。

「筋力トレーニング」ではなく「体幹レーニング」です。

この言葉を見聞きした方は多いかと思います。

2010年頃からフィットネスクラブでは「体幹」が強調されるようになりました。また、体幹レーニングの一つとして「ピラティス」もこのころから世間に広まっていきました。

 

ボディビル的な筋トレにはどうしてもバーベルやダンベルなどの器具をそろえる必要がありますが、体幹レーニング・ピラティスにはそういったモノは必要ありません。女性ならば筋トレにはどうしても抵抗感を感じる人も多いですが、「体幹」ならばそのハードルはぐっと下がります。

設備費などが掛からずに、ウケるトレーニング方法が見つかりました。

「筋トレ=無意味」という世間の誤認識に合わせて「いくらアウターを強化しても、インナーマッスルが上手く使えていなかったら、動ける身体は作れませんよ」などという最もらしい売り文句も都合よく使うことができました。

 

こうしてボディビル的ではなく、ただ筋肉を付けることを目的とせず、見せかけの筋肉ではなく使える筋肉をつける、動けるカラダを作るといった概念が「ファンクショナルトレーニング」という言葉に置き換わってフィットネスクラブで行われる運動プログラムになっていきました。

 

中編へ続く。