フィットネスクラブのトレーナーという仕事をしていて、経験を積んでくると「この人は運動やトレーニングが続けられるだろうな、この人は続かないだろうな」ということが何となく分かるようになります。
日本人には昔から変わらない傾向があって
痩せる必要性がある人ほど腰が重い、つまり脂肪過多(糖尿病やそれに関連するメタボリックシンドローム)になっている人ほど事態の深刻さをそれほど深く考えていない=痩せようと思わないのです。
医療の現場でそれを目にしている人も多いかと思いますが、フィットネスクラブでも同様です。
「医者から運動することを進められてフィットネスクラブに仕方なく来た」という印象がアリアリと見て取れますし、運動よりも大事な食習慣を自分でコントロールしていくことなどほぼ不可能です。
SNSなどにアップする動画コンテンツの企画として劇的な体の変化を売りにするようなことでもあればスイッチが入るのではないかと思いますが、ほとんどの人は運動をしなくてはいけない面倒さと食事制限のキツさに耐えることができません。
反対に、もうあなたは痩せなくてもいいんじゃないですか?と思えるような人ほど、体脂肪を減らすことに熱心ですし、運動も長続きする傾向にあります。
※脂肪過多になっている人でも運動を続けられることがありますが、個人的な経験では続いたとしても6か月から1年くらいで、1年も続けられればそれはそれでいいのではないかと思います。
日本人、特に日本人女性は諸外国と比較しても痩せている傾向にあり、約2割の人はBMI18というモデル並みの数字に相当する体格をしているそうです。
それでも「痩せたいですか?」と質問をしたとすると「痩せたいです!」「お腹なんてヤバくて見せられないから何とかしたいです」と答える人がほとんどで、
そんなダイエット願望も諸外国と比較すると高くあるのが日本人女性なのだそうです。
ヒトは願望や本能というものが行動を起こす原動力になっていますので、こういった気持ちが強い人ほど運動に積極的ですし、何より運動が続けられます。
食事制限にも熱心になりますが、こちらはやはり感情の波のようなものがあってどうしても「やっぱりお菓子食べちゃいました・・」ということになりますが、それでも運動による体調の変化や日常生活が活発になって仕事も効率的にできるようになるなどの運動メリットをどこかで感じてくれるようになり、
結果的にダイエットがそれほど進まなかったとしても運動が習慣として定着するケースが多いです。
これが健康格差の源泉になっており、運動ができる人はどんどんやる一方で、その必要性が高い人ほど運動をしない=その分のケアのための医療費が増え続けてしまうという悪循環が好転しない理由となっています。