スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

テリー伊藤の唐揚げ屋とカネキンジム

またまた更新が滞ってしまっていますが

大きな話題?となっているのでこのブログもちょっとふれておこうかと思いました。

筋トレユーチューバーのパイオニアとも言えるカネキンが運営するカネキンジムが集客に悩んでいることを告白した動画が筋トレ大好き人の間で騒ぎになっているようです。

 

ヨネというトレーニーが動画で要約して説明してくれていますが、

開業から6年でまだ赤字

月会費を2,980円(もともとは10,000円だったらしい)に改定する

カネキンの本業(動画の収益やアパレルなど?)は順調なので困っていないと言えば困っていない

ということだそうです。

 

動画のコメント欄でもカネキンに対して熱心にアドバイスをしている人もかなりいますが、「それだけ経営って難しいものだ」という言葉に尽きるでしょう。

カネキンのような知名度かあるわけではない地味なお店でも、街中の八百屋さん、ラーメン屋さん、雑貨屋さんなどの小さなお店でも、安定的に売り上げを出して黒字をキープし、

それで家族まで養っているような店主さんがどれだけすごいことをしているかが改めてわかりますね。

ソフトバンク楽天といった名立たる大企業や一流企業でも数千億から時には兆という金額の赤字を計上していたりもするほどですから、放っておいても経済成長していった80~90年代とは違い、お店を運営して利益を出すにはものすごい創意工夫が求められる時代だといえます。

カネキンジムには開業に8,000万円ほどのお金がかかっているそうですが、むしろ個人でそこまでのお金を稼げるユーチューバーとしてのセンスや自己プロデュース力の方が素晴らしいと感じてしまいます。

 

経営戦略について色々書いてもいいのですが、今回の件と似たようなケースとして、テリー伊藤がプロデュースした唐揚げ屋さんのことが思い浮かびます。

テリー伊藤が監修と広告塔になり、居酒屋のワタミがFC本部として運営していた唐揚げ屋さん「唐揚げの天才」というお店がありました。

一時期は大人気となり店舗数をどんどん増やしていましたが、数年で勢いがなくなり閉店が相次ぐようになってしまったお店です。

(現在では「玉子焼きと唐揚げのお店」として店舗数もかなり絞って運営されているようです)

味やその当時のブームなどの要因もありますが、失敗(とも言える)の原因となったのは経営者側の甘い見込みという点に尽きるでしょう。

「”あの有名人のテリー伊藤がプロデュース!”ということなら客が来るだろう!」と考えていたわけですが、実際にはそんなに影響力が無かったということです。

テリー伊藤に限らず、有名人・芸能人がプロデュースするお店というのは開業するとマスコミが大きく取り上げますが、何年にもわたって安定的な経営が出来ているお店というのは本当に少なく、数年で閉店してしまっていることが大半です。

 

カネキンジムというのもテリーの唐揚げ屋と同じく、プロデューサー(オーナー)の知名度を活かして集客につなげようとしているわけですが、カネキンよりもはるかに知名度が高いテリー伊藤でさえ、集客につなげられていないのですからそもそも厳しい船出になることは間違いありません。

カネキンは確かに有名人でしょうが、全国的に見たら知らない人の方が多いです。

 

また、唐揚げ屋はテリー伊藤がプロデュースしているとはいえ

お店に行ってもテリー伊藤が実際にいるわけではありません。

カネキンジムも同じで、オーナーはオリンピア出場に向けてトレーニングと動画編集などの別の仕事に時間を割いているわけですから、カネキンジムにはカネキンがいないことの方が通常です。

そうなってしまうと、当然ながら唐揚げ屋は

「わざわざそこまで行かなくても近所のお店でいい。なんなら”からあげクン”でもいい」ということになりますし

カネキンジムだって

「わざわざそこまで行かなくても近所のジムでいい」ということになります。

 

さらに言えばカネキンジムは本当に設備は優れており

良い器具、良いマシンが揃っていますがそれを使いこなせる、または使ってみようと思えるのはカネキンと同じくらい筋トレ意欲の高い人、

オリンピアとまでは行かないけど何かのコンテストに出てみようと思う人に限られます。

ランチェスター戦略として「顧客ターゲットを絞る」という点から見ればそれ自体は間違いではないのですが、筋トレブームになっているとはいえいわゆる「ガチ勢」に相当する人達の数=マーケットというのは実はものすごく少数です。

ブームの中にいると、まるでみんながブームに乗って、みんなが筋トレ大好きになっていると勘違いしてしまいますが世の中の大半の人は

それほどガチに筋トレをやり込む人ではありません。

だからこそチョコザップが会員数100万人を突破しているわけです。

 

知名度がそのまま集客につながるわけではない

知名度があったとしてもみんながカネキン・テリーの大ファンというわけではない

知名度があったとしてもみんながお金を払うかどうかは別

その辺を唐揚げ屋もカネキンジムも見誤ったような印象です。