今回は「たんぱく質」という栄養素についての基本を押さえていきましょう。
基本的な概念は
「人間として形をキープするもの」
「人が”人間の形”の形を維持し続けるために必要な栄養素」
ということです。
どうしてもタンパク質というと、筋肉、というイメージがありますが筋肉だけでなく、人の身体のあらゆる組織はタンパク質で出来ています。
iPS細胞などに代表される再生医療の分野の研究でも、「タンパク質の様々な作用」がヒトの細胞の再生に関わることがどんどんと発見されています。
マウス由来ES/iPS細胞の万能性を「CCL2タンパク質」が維持 | 理化学研究所
産総研:再生医療に用いる細胞の安全性を培養液で検査することが可能に
内臓、皮膚、爪、髪(体毛)など、筋肉以外にタンパク質を原料としているものは非常に多いです。人間の身体=タンパク質できているといってもいいでしょう。
(皮膚の形成に関与したり、関節をつなぐ靭帯の主成分であるコラーゲンもタンパク質が原料です)
ということは、人体において最も重要であり不可欠な栄養素だということがわかるでしょう。「たんぱく質」を英語にすると「プロテイン」ですが、プロテインの語源は「もっとも大切なもの」という意味の言葉からきているそうです。
たんぱく質というのは「貯めておくことができない栄養素」というのも大まかに理解しておくと良い概念です。
爪や髪・その他の毛は放っておけばどんどん伸びていきますし、皮膚もどんどん入れ替わって古い皮膚は垢となって剥がれ落ちます。これは人体が「どんどんたんぱく質を使っている」ことを意味しています。
つまり、
たんぱく質を使って、新しい組織をどんどん合成し、古いものをどんどん捨てるというサイクルを回して、常に新鮮で良好な状態を作り続けています。
このサイクルが上手く回っていると、肌ツヤが良いとか、髪の毛にハリやコシがあるというようないわゆる「健康的な身体」という状態になります。
反対に、新しいものの合成が、古いものを捨てるスピードに間に合わない状態になると、肌がくすんだり、ガサガサになったり、しわが出来たり、髪の毛が細くなったり、傷んだり、抜ける量が増えたり、ということが起こります。
ですから、たんぱく質というのは積極的に摂取すべき栄養素、摂取しないといけない栄養素ということになります。
したがって、「タンパク質をいっぱい食べれば良い」ということになります。それはその通りで、その言葉と理解に仕方には何も間違いはありませんが、タンパク質を十分に摂取するというのは意外に難しかったりするのです。
これについて、明日に続けます。