スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

平均寿命が下がってくる予感

2017年になってから頻繁にメディアで取り上げられている話題が「高齢化と少子化」、そしてその影響による「人口減少と人手不足」です。

100歳以上の高齢者の人口も年々増加しているという報道もあります。

フィットネスクラブというところも利用者・会員さんの多く(半数以上)は高齢者の人たちです。

 

しかし、ここ数年、もっというと去年あたりから、平均寿命が下がってくるのではないか?と感じるようになりました。

日本人の平均寿命は男性が80歳、女性が87歳だそうですが(2015年のデータ)、去年から今年にかけて、平均寿命を下回る年齢で亡くなっている人が多いように感じるのです。

今日は俳優の松方弘樹さんが亡くなったという報道がありましたが、74歳だそうです。

プロレスラーの永源遥さんは70歳で、お笑い芸人の島木譲二さんは72歳で急死と呼べる形で亡くなっています。

 

自然と同じような年齢で亡くなってしまう人の情報を追ってしまっているという言い方もできますが、自分の身の回りでも平均寿命を大きく下回る年齢で急に亡くなってしまう人が急増しているように感じます。

不謹慎な表現になるかもしれませんが。

まるでタイマーが切れるように、

まるで寿命のろうそくの火を誰かに消されてしまったように、

まるでデスノートに名前を書かれてしまったように、

忽然と居なくなるように人が亡くなっているという現象が起きていると思います。

 

今後、急激なスピードで

日本人の平均寿命は下がっていくのでないか?という疑問を感じざるを得ません。

 

「平均寿命」などという表現をされると、「自分もなんとなくそのくらいの年までは生きているのだろう」と感じてしまうものですが、平均まで生きるか、平均以上まで生きるのかなどということは誰にも分らないことです。

極端に言えば明日、死んでしまうかもしれないし、平均寿命を大きく上回る年齢まで生きるかもしれません。

 

確実なことは、健康であれば長生きできる可能性が高まるということ。

そして健康とは運動と密接な関わりがあるということです。

酒を飲まない、タバコを吸わない、外食を控えめにするなど、食べ物飲み物との関連も大きいのですが、多少食生活が乱れていても定期的な運動習慣があればある程度カバーできます。

 

平均寿命、どうなるでしょうか?

私は「下がってくる」と予想しています。

情報はセミナーで得るのか、お客様から得るのか

身体に関する知識、トレーニングの方法や技術と言ったものをより高めていく、または深めていくには、ということを考えていくと

 

本(専門書)を読む

セミナーに参加する

現場で気が付く

 

という3つのパターンが考えられます。

セミナーというのはどんなセミナーでも何か一つは有効なものに出会えるものですが、フィットネス業界のセミナーの大半は「主催者が生活するための手段」ですから、「これは本当に有効だ!」と感じるものや実際に現場で活きる技術が、そのセミナーで提供されることはあまりありません。

 

数々のセミナーに参加しましたが、今でも内容を覚えていたり、そのセミナーがきっかけで確実に技術や考え方、身体の見方が向上したと感じるのははやり専門性の高いセミナーに参加した場合です。

フィットネス業界が定期的に開催するセミナーで同様のものを感じるものは本当に少ないです。

 

現場で気が付くということも、自分自身の技術向上や新たな知識を得ることとして非常に役に立っています。

筋肉がどこからどこまでついていて、どういった関節の動きにかかわるのか、ということは専門書に書いてありますが、そこから先に本には書いていないところでも現場で不としたきっかけから気づく発見というのは本当に役に立ちます。

 

例えば、ももうらのストレッチというのは多くの人がやるものですが、このストレッチの際に膝が曲がったり、身体を前屈させるのが辛いと感じる人は「ももうらが固い」とか「股関節が固い」というイメージを持ってしまいます。

 

しかし、そういった「固さ」として感じるものの元になっているのは、実は足首や足の指の筋肉の固さなどからきていることが多いのです。

こういったことはセミナー(特にフィットネス業界でのセミナー)ではまず、触れられることが無いもので、なんどもお客様にトレーニング指導をしていくうちに、自分でも自然とわかってきたことでもあります。

これが実は一番有効有益な、オリジナルの情報だと思っています。

 

特に肉体改造系、ボディメイク系のトレーニングとなると、どんなサプリメントをどのタイミングでどのくらい摂取するかということを、

まずは本で学習→自分で実践

セミナーに参加して知識を得る→自分で実践

というサイクルの繰り返しです。

それによって「自分にとってはこのサプリメントが良かった」「この食品が良かった」というようなことがわかってきます。

 

それを今度はお客様へ紹介してみて、そのお客様が同様の効果を得るかどうかがまたリアルな知識としてフィードバックされます。

知識や技術の向上が起こる場面というのは実は実際の現場での運動指導中に起こるものなのです。

恐竜は絶滅していない?

私がまだ小学生くらいの頃には「恐竜は絶滅した」というのは定説であり一般常識のような概念でしたが、なんと近年ではその定説は完全に覆されているそうです。

おそらく専門家の人たちから言わせれば、「何をいまさら」ということだろうとは思います。

 

地球に隕石が衝突し、その影響で地球環境が急激に変化します。

その変化に対応できなかった恐竜はそのまま絶滅しました・・・・・のではなく、

なんと鳥(鳥類)に進化して現代でも我々人間と生きている、ということだそうです。

 

つまり、恐竜は絶滅して、いない、のです。

 

まったくフィットネスやトレーニングと関係ない話に思われますが、「今まで当たり前だと思っていた概念」や「当然の認識として考えていたこと」がどんどん変わってきています。

例えば「超回復」というものです。

筋トレすることによって疲労したり、傷ついた筋繊維が一定の時間を置くことによって回復する過程で、トレーニング以前の状態よりも少しだ強くなるという理論です。

これによって筋肉がより強くなる=筋肉が太くなるものだと考えられていて、私が中学生くらいのころの国語の教科書でもこの理論について書かれた文章が載っていました。

 

しかし、現在では筋肉が太くなる直接的な要因として超回復は含まれない、ということがわかっているそうです。

また、成長ホルモンというのも筋肉を増やしたり、脂肪燃焼を促すホルモンとして加圧トレーニングとともに有名になりましたが、脂肪燃焼には関連があるものの、筋肉を増やすものとしての効果はそれほどないということです。

(直接的に作用しているのはインスリンのようです)

 

プロテインに関しても「トレーニング後30分以内の摂取」というのは(正しいとも言えますが)それほど筋肉量を増やすことには有効ではなく、むしろトレーニング前とトレーニング中の摂取の方が有効だと言えます。

この「トレ後30分以内」はプロテインメーカーの販売戦略だとも言えますが。

 

小腸や大腸といった臓器を「つなぎ留めているもの」として認識されてきた「腸間膜」というものが、実は消化にかかわる臓器だったということも最近判明しました。

人体に新しい臓器見つかる ダ・ヴィンチ以来軽視されてきた「腸間膜」に注目 | ハザードラボ

自分自身の身体の中にあるものなのに(答えは目の前にあるのに)新発見があるというのは、まさに恐竜絶滅の概念に等しいものがあると感じます。

改めて「RICE処置」を考える

RICE(ライス)処置という言葉はフィットネスクラブに務めている人や何らかのトレーナー系の資格を持っている人であれば

ほぼ100%の確率で知っているはずの言葉です。

 

ケガが発生した際の緊急対応について行うべき処置の

頭文字を取って並べたものです。

R Rest(安静)

I   Icing(冷却・アイシング)

C Compression(圧迫)

E Elevation(挙上)

の4つです。

挙上というのはイメージがしにくいかと思いますが、足の捻挫などの際に横になってもらい、患部を少しだけ高いところに保つようにする(心臓より高いところへ) というものです。

 

スポーツの現場ではケガというのはしょっちゅう起こるものですが、フィットネスクラブの場合は、それほど大きなけがが発生するようなことは起こらないことが大半です。特にウエイトトレーニングの場合は、バーベルやダンベルを落とすと本当に命にかかわるくらいのケガをする重量で行うという場合もあるので、トレーニング時にはみんな細心の注意を払います。

クラブ内でケガが起きるのはプールサイドやお風呂で転倒などの水回りと、ランニングマシンでの転倒が多いです。

 

さて、このライス処置ですが、「ケガをした時はこれ!」というものとして捉えていると、「ケガにはライス処置が有効!」だと、どうしても考えてしまいがちです。

ライス処置というのは「ケガに有効」というポジティブなものではないのです。

 

むしろ

「ライス処置をしなかったらもっと深刻なことになる!」とか

「ライス処置に反することをすると傷病を悪化させることになる」という

ネガティブなものだと考えるべきです。

 

仮に足首をひねってしまった人が目の前にいるとして、その人に

ライスとは真逆のことをしたらどうなるでしょうか?

 

安静にしない、つまり「運動」です。

ケガしたところを動かしてもらったり、他動的に動かします。

 

アイシングの反対、つまり「温め」です。

患部にカイロを当てたり、ヒーターの前に患部を持って行ったりします。

 

圧迫の反対、これは「開放」ということになるのでしょうか?

患部に対して「特に何もしない」ということです。

 

挙上の反対、「下制」です。さらに低いところへ患部を下げます。

 

細かい説明をそれぞれ書いていってもいいですが、

こうやって書き出すだけで、もうけがが悪化することは明白です。

 

ライス処置は「すると良い」のではなく「しなきゃヤバい!」「しないと今よりも悪い状態になってしまう」というものだということですね。

プロテインはトレーニング後よりも前とトレーニング中?

「トレーニング後30分以内のプロテイン摂取が筋肉をつけるためには有効」

という言葉は、聞き飽きるほど聞いたというくらいの言葉です。

 

改めて言葉にして書くともっともらしく聞こえますが、

「運動すると汗をかくので、運動後は水分を摂取すると良い」と言っているのと同じくらい、「まあ普通」といった表現です。

 

「トレーニング後30分以内」という言葉がどういうわけか(おそらくプロテインメーカーの企業戦略で)定着してしまっていますが、

身体がエネルギーを欲しがっているのは運動後だけではないはずです。

むしろ運動中の方が積極的に欲しているというとこともよく考えればわかります。

 

体内(血液中)にエネルギーが無い状態で、それでも体を動かすということになると、人体は筋肉を分解してエネルギーを作り出すため、身体がやせ細ります。

この状態を防ぐためには、運動中のエネルギー摂取が重要になるわけで、皮膚感覚でそれをわかっているボディビルダーやフィジーカーはトレーニング中にはお手製のエナジードリンクを持参してそれを飲みながらワークアウトします。

 

そしてトレーニング後のプロテイン摂取は当然、とも言えますし、その日のタンパク質摂取量の必要量を満たすために摂るという言い方もできます。

朝起きて朝食時にもプロテインを飲みますし、夜寝る前にもプロテインを飲みます。

トレーニングする前にも飲みます。

それくらい飲まないと、筋肉量を増やすための必要量「自分の体重×2g以上」の量に達しないからです。

 

こうやって見直してみると、もう1日中プロテイン(タンパク質)ばかり摂取していないといけないことがわかりますね。

 

ポイントなのは「トレーニング後30分以内だけ!」のタイミングで飲んでいる人が多いということ。そしてそういった人の多くは、「飲み過ぎると脂肪に変わる」という誤解や恐怖感から、トレーニングしない日やトレーニング後以外のタイミングではプロテインを飲んでいないことが多いということです。

(恥ずかしい話ですが私もそうでした)

 

プロテインを飲むタイミングは「1日中どの時間帯でも」と表現してもいいのかも知れません。

スクワットをするまでに確認しておくと良いこと

「キングオブエクササイズ」と呼ばれるスクワットというトレーニングですが、ダイエットに関する記事やテレビの健康情報などでも頻繁に紹介されます。

matome.naver.jp

丁度このようなものですね。

ほんとうに、「よく見る記事」「何度も目にする記事」ですね。

これと同様に「体幹トレーニング」というのも「ぽっこりお腹を引き締める!」というようなテーマで、ダイエット法の一つのようにして取り上げられることが多いかと思います。

 

なんでもかんでもスクワットすればいいのか?と思うかもしれませんが、

「はい。そうです。」と言っても差し支えないものなのです。

 

「痩せたいんだけど」

「健康になりたいんだけど」

「筋力強化したいんだけど」

などの質問に対して

「取り敢えずこれをやってください」といって一つ挙げるとするとスクワットが最も有効なエクササイズです。

 

ですが、「スクワットをすること」がいかに有効だとしても、「その前段階にいる人」というのも非常にたくさんいると私は感じています。

もちろん細かいことを考えずに「取り敢えず形だけでも」ということでスクワットを実践することは良いことであり、どんどんやるべきです。

 

同時に以下に挙げる点を考慮しておくと、自分がスクワットをやってよい段階なのか、実はその前の段階にいるのか、がわかります。

 

ポイントは「足(足の指)のグリップ力」と「骨盤の動き」です。

体幹という言葉が本当に浸透して、バランスを取る力=体幹 という認識が定着している感がありますが、人体が直接的に地面を接しているポイントは足です。

その足+足の指で地面をしっかり踏みつけるor地面をグリップするということができていないと、その時点でバランスを取ることが難しくなります。

 

まず、自分の足を見て見ましょう。

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このような偏平足になっていないでしょうか?

こうなっていたら足の指の筋力の低下が疑われます。

足の指でギュッと握りこぶしを作ることができるでしょうか?偏平足の人は思ったほど足指が曲げられないと思います。

 

それに関連して、次のチェック項目です。

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この様な「片足立ち」ができるでしょうか?このイラストは両腕を広げていますが、これだと手でバランスを取ってしまうことになるので、できれば両腕は体側につけてチェックするといいです。

足の指の筋力が無い、ということだとこの姿勢のキープができない可能性が高いです。

 

そして骨盤です。専門用語で「前傾」と言いますが、

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この様にお尻を上げて腰の反りを作ることができるか、という点です。

これを調べる良い方法は「あぐら」です。(以前にも同様の記事を書きましたが)

あぐらをかいたときに「両膝がぺたんと床につく」か「床につくくらいの低さまで膝が落とせる」ということなら大丈夫です。

 

しかし

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このイラストの通り、あぐらをかいてみると膝がぴょこっと上がってくる+手で押し込んでも頑固なまでに上がってきてしまう、という状態の人は多いのです。

 

この3点を自分で調べてみましょう。

全部できるならばスクワットをやってもいい段階だと言えます。

繰り返しますが、問題があってもスクワットをやることに意味はありますので、どんな人でもどんどんやるべきです。

 

 

イラストや画像はネットからお借りしました。

働き方は変わっていくが、健康の作り方は変わらない。

目に入ってくる新聞記事やネット記事のタイトルがどうしても働き方改革に関することや色々な物事、既成概念の変化についてことが多く、気が付くと運動やトレーニングに関することをあまり書いていない状態になっているこのブログです。

 

それだけ、2016年~2017年はあらゆる分野で大きな変化が始まる年になるのでないかという印象があるからです。

天皇陛下が譲位のご意向を示され、2年後には新たな天皇陛下の即位と新たな元号が制定されることがその象徴のように思えます。

 

フィットネス業界でもその業界で働く人のスタンスや業界内でのあらゆる変化は予想できますが、一方でフィットネスそのもの、つまり健康の在り方というものは今後も変わることはないだろうと予想されます。

 

このまま科学技術が飛躍的に進歩すれば

どれだけ暴飲暴食をしても「これを1粒飲めばすべてチャラにできます!」という薬のようなものや、

このカプセルに30分入るだけで、筋トレなんて全くしなくてもムキムキで腹筋もくっきり割れたカッコイイカラダが手に入る!なんていうものもできるでしょう。

技術的には現在のもので十分可能なのかもしれませんが、それが電子レンジのように「一家に一台」くらいのレベルになって生活に浸透するまでにはまだ膨大な時間がかかると思われます。

 

そう考えると、やはり、健康状態と作ることは「運動と食事」という基本線はまだこの先も変わらない軸のようなものだと言えます。

 

運動は健康のために必要なことですが、正確に言えば「負荷を掛けること」としての運動が必要です。

身体を動かすこと=運動ですから、横になって寝ている状態以外のすべての人の行為は運動だと言えます。日常生活の行為はすべて運動ですが、それだけしていればどんどん健康になっていくかというとそんなことはありません。

 

そこには色々な身体機能を向上させるための「負荷」が掛かっていないからです。

楽にできる運動というのはあくまでも「何もしないよりはマシ」という状態に自分の身を置くということにすぎず、より良い状態を作りたいということであれば、「楽にできる」という程度の強度(負荷)を上げる必要があります。

 

つまり「自分にとって苦しい!」と思える負荷を感じることが必要です。苦しさばかりを追い求める必要はないですが、

歩く、走る、泳ぐなどの有酸素運動や筋トレや短距離走などの無酸素運動でも、「苦しい」と感じる要素を得ることが健康づくりには有効です。

 

どんな運動が効果的なのか?ということで健康を追いかけるのではなく、どんな運動でもいいので、少しだけ「キツイな」「苦しいな」と感じる事ができるか、を考えてみましょう。

健康の基本はそこにあります。その基本は変わることはありません。