スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

うつに効くのは「話をすること」と「それを何回でも聞いてくれる人」に巡り合うこと

ここ数日、うつに関する自分の経験を踏まえた話を書いています。

健全な精神に肉体が宿るという言葉の通り、心の不安をどれだけエクササイズによって解消しようとしても事実上無理なのです。

昨日書いたとおり、ポイントは「話すこと」にあります。

残酷な話ですが、根本的な解決は「状況の変化」なので、それが起こらずに自ら命を絶ってしまう人が年間3万人もいるという事実もありますね。(もっと多いでしょう)

 

話すこと、それも「何度も話すこと」というのがポイントです。

1回薬を飲んだだけで症状がすっきり改善されることはあり得ないことと同様に、「話すこと」も何度も何度もする必要があります。

何回も抗うつ薬や精神薬を飲むよりはずっと効果的で安全なことに間違いありません。

 

前回の記事の通り、私はいろいろな人に話をしました。

その経験から得られたことは前回の記事内容の他にもあります。それは

「1回の相談で十分だろう」ともっている人があまりにも多いということです。この傾向は前回記事の「何にもない人」に相当するので共通点と言えばそうかもしれません。

(人物の特徴はまた別記事で書きます)

相談を持ち掛けてもさらりとスルーしていく人も多いのですが、

話を聞いてくれる人もいます。しかし、1度だけなのです。

2回、3回と話をすると「またか・・・・」という表情をしてあきれながら「大丈夫!今できることをひとつずつやればいいの!」などと言ってそのまま音信普通になってしまった人が前回記事で触れた「離れていった人」です。

今できることをやったってこのまま年老いて終わるだけだろ!と叫びたくなりました。

 

人に話をすると頭の中が整理されてすっきりするので一時的には落ち着きを取り戻せるのですが、症状が強いとまた不安感がぶり返します。

これによって酒やタバコ、人によっては覚せい剤にまで頼ってしまうんだろうなということも推測できます。

なかなかつながらない「よりそいホットライン」に何回も電話をかけまっくたりもしました。

大事なことは「同じ話でもいいから何度もすること」にあります。その繰り返しによって脳が正常な状態を取り戻していくといいうのでしょうか。

 

ですから「何度も話を聞いてくれる人」が必要になってくるわけです。

これが難しいのです。友達だと思ってた人が実はそうでもなかったという事実を突きつけられることにもなります。

 

私の場合は、約30人ほどのスタッフが現在の職場にいるのですが、その中でたった二人だけ、それももっと正確に言えば一人だけでした。たったの一人です。

 

長くなりましたので、その人については別記事に続けます。

エクササイズよりもうつに利いたのは「話すこと」

明日に続けます、言いながら投稿をしなかったことをお詫びいたします。

 

前回の記事の続きを書いていきます。

 

私が実際にそうだったのですが、強烈な不安感(もう手遅れだという絶望感)に襲われ、

「もしかしてうつ病か?」と考えた人や医者からの診断を受けた人というのはどうにかこうにかしてその症状を緩和させようとします。

(私の場合はとにかく収入を増やさなきゃ!という強迫観念に駆られてアルバイトに応募したりもしました)

 

そしてついやってしまうのがネット検索による解決法の検索です。

自分でもネットに出回っている情報にロクなものは無い、と知りながらもやってしまいます。そのくらい「何とかしたい!」と思う独特の辛さなんですね。

そこでヒットする数々のうつに有効とされるエクササイズは事実上全く効果なしだということは前回書きました。

 

では、何が有効だったのかというと、とにかく「話すこと」でした。

自分の周囲にいる人や友人たちにとにかく色々と話すことが「ああ、まだ道はある。大丈夫だ」と思わせてくれる方法でした。(自分にとっては)

 

恥ずかしいとか、気まずいなどという余裕は正直ありませんでしたから普段は全く連絡などしない人にも連絡を取ったりして、LINEや電話や直に会ってなど、様々な方法を取りました。

当然、あきれる人もいましたし、その相談をきっかけに逆に疎遠になってしまい、友人としての関係が終わってしまった人もいます。

でも自分はそれでもよかったと思いました。

(元々友達も少なく、学生時代にサッカーなどチームスポーツをしていたわけではないので、そういった「部活の仲間」と呼べるような友人もいませんが)

 

本当の友人が誰なのか分かった、などというくさーいものではなく、うわべだけの付き合いで適当な会話をしていればいい人と、ちゃんと親切に話を聞いてくれる人の区別がつくようになったということです。

そして自分を磨く努力をしていて「中身がある人」とそうでない人の区別もつきました。

中身のない人に相談をしてほんとーーーに、なんにもなりません!

 

人生の中で特に失敗したこともなければ、大きなショックを受けるような経験もない、何かにチャレンジしたことなければ今後するつもりもない人や

普段から何も考えていない人、何事にも興味がない人に相談をしても効果はゼロです。

 

だってその人自身がゼロなんですからね。

 

まずは医者ではなく、身近にいる人に自分の心境を聞いてもらいましょう。

そして聞いてもらう人はできるだけ中身のある人を選びます。これは自分のセンスに頼るしかないのでいわばギャンブルになってしまいますが、朝日を浴びるだの軽めのジョギングをするだのというよりはよほど有効です。

うつ病にエクササイズは効果なし

非常に恥ずかしのですが、実は私はうつ病になってしまった経験があります。

フィットネスに関わる身でありながらそんなことになるとは思ってもみなかったのですが、その経験によって学んだことも多いのでそれについても少しずつ触れていきます。

 

うつに苦しんでいる方は非常に多いでしょうし、自分でもなってみて初めてその辛さというものがわかりました。

私の場合はあくまでも自己判断です。医者に「うつ」と診断をされたわけではありませんがどう考えれてもあれうつでした。

 

特徴的なのはうつになる瞬間です。

ある日突然、得体のしれない強烈な不安感が襲ってきました。

それは自分の人生がずっとこのまま変化しないでもうただ年を取って死んでしまうだけだ、という絶望感とも言えます。

そこについて詳しく掘り下げていくのは後日とします。

 

さて、そうなるとそんな不安感を払しょくするために色々なことを試すようになります。うつはセロトニンというホルモンの減少の影響があるなどと聞けば朝日を浴びてみたり、有酸素運動をしてみたり、筋トレをしたり、うつに利くという食べ物を色々試したり、あらゆることをやってみました。

 

しかし、私の場合ははっきり言ってそれらは「効果なし」でした。

病院へ行けばいいだろうと人から言われたりもしましたが、いわゆる向精神薬を継続的に使用することで現れる体への影響についてはさらっとですが勉強をしていたので医者にはいかない!(いっても意味がない)をそこだけは決めていました。

 

規則正しい生活をしても、エクササイズをしても、それらによって症状が緩和されることはありません。「うつ病」と検索をかけると「これが利く!」として様々な方法や食品がヒットしますが「すべて意味がない」というのが私の感想です。

運動や健康のアドバイスをする仕事なのにそんなことを言ってしまいますが・・・。

 

ネット検索でヒットする情報や病院が行う薬の処方というのはいわば「対症療法」です。症状を軽くしようとするだけなので、酒を飲んで酔ってその時だけやなことを忘れるとか、

適切な例ではないですが覚せい剤などの麻薬で多幸感を一時的に味わうことを何ら変わりはありません。

 

治すために必要なのは根本的な解決、つまりその人にとっての「状況変化」が起こることが必要です。

 

例えば職場に怖い上司がいるとか、どう考えても頭がおかしんじゃないかと思うような人がいる職場で仕事をしなくてはならないということが原因でうつを発症している人の場合、その職場が変わらないかぎりその人の精神も安定しません。

 

実際にはありえないのですが、いきなり自分だけが出世して周囲の奴らより偉い役職に就くとか、いやな上司が左遷されてどこかに行ってしまうとか、そういったことが起こればその人のうつ症状はあっという間に改善されます。

 

学校などでも同様でしょう。いじめられて苦しい思いをしながら学校に通っている人でも自分をいじめてくる奴らが全員インフルエンザにかかって学校を休んだとしたら、それだけでその日は強烈な安心感&ストレスフリー感を得られます。

 

うつ病にエクササイズは利きません(トレーナーが言うのも変ですけど)。

必要なのは根本的は状況変化です。

明日以降に続けます。

日本は人生をあきらめた人にはパラダイス

ブロガーのちきりんさんとプロゲーマー梅原大悟さんの対談本が非常に面白く、ネット検索をしたらその本に関しての二人のトークイベントの様子が動画として残っており、そちらも非常に面白い内容でした。

 

イベントの最後に行われた質問コーナーでちきりんさんが

「日本は人生をあきらめた人にとってはパラダイス」と言っており、まさにその通りだと思いました。

ちきりんさんによると、日本という国は今後人口減少によって豊かでありながらも衰退の道を辿っていくのだそうです。

だから、未来のある若い世代の人たちは海外へ出たほうが良いということでした。

 

この構図はフィットネスクラブという施設の中に縮図として表れています。

 

会員自体も全体的に高齢者、リタイアして余生を過ごしている人というのが大半です。

また、フィットネスクラブというところに長年勤務しているスタッフ(正規非正規問わず)というのは大半が「人生をあきらめた人」です。店長やチーフなどの店舗管理者の役所jについている人ほど、何の生きがいもなく、ただ定時から定時までの時間をその場で過ごすだけの生活をしています。

方や、現場のスタッフとなると、トレーニング好きでそれを仕事にしたいとか将来的なことを考えているスタッフが出てきますが、そんなスタッフも数名といったところです。残念なことにそういったやる気のあるスタッフは遅かれ早かれ辞めていきます。

 

正社員でもバイトでも

人生の目標が特にないとか、

今のままの生活でこのままずーっと過ごしていけばいいというまさに「あきらめている人」が残る職場というのがフィットネスクラブです。

 

ですから、彼らはフィットネスクラブというところに勤務する身にありながら、自らフィットネスというものを実践しません。ダンベル、バーベルなんて絶対に持たないし、ストレッチもウォーキングすらもしません。

そのくせ気の合うスタッフ同士でしょっちゅう飲みに出かけていき、一定の周期で体を壊しています。

 

すでにフィットネスクラブの会員だという人でも、フロントスタッフのやる気のない対応ぶりにあきれているという人も多いのではないでしょうか。

いつでも押せるボタンとしてのフィットネスクラブをどう捉えるか

昨日の続きです。

いつでも押せるボタンとしてのフィットネスクラブは

「いつでも行けるから行かなくてもいい」ということになりがちです。

(詳しくは前日の記事を読んでください)

 

さて、そうなってしまう理由というのは現在でもフィットネスクラブが「施設」を売りにしている点にあると考えられます。

設備や施設が売りという点ではホテルも同様なのでしょうが、ホテルの場合は利用する人の目的に合わせた立地や設備などの細かい設定ができますし、ビュッフェやレストランなどの宿泊以外にも人を集められる要素もふんだんにあります。

それに対してフィットネスクラブというのはいわば「どこも一緒」です。トレーニング器具やマシンなどは細かな違いはあれどメーカーごとに大差はありません。

スタジオで行われているプログラムも大体似たようなモノです。

 

フィットネスクラブのチラシを見ればわかりますが、どれも設備の凄さを前面に押し出しています。

「プールがあります!それもこんなに広いのが!」

「ジムはこうなってます!最新のマシンがありますよ!」

「サウナがあります!ミストサウナも付いてますよ!」

などなど、、、、。そしてその次に来るのは決まって以下のような宣伝文句です。

 

「これだけの設備が月々〇〇円で使い放題!」

「さらに今なら入会金と事務手数料は無料!!」

 

これがまさに「いつでも押せるボタン」としてのフィットネスクラブというイメージをお客様に与えてしまってるのです。だからどこのクラブも会費だけ払って1年以上も施設利用が無い人というのが会員の大半を占めているわけです。

 

これがスクール型式、つまり「この日しか来ちゃダメです」とか「この日に来ないとダメです」というような縛りを持たせるということになると話は変わってきます。実際にスクール制を導入しているクラブもありますが、パーソナルトレーナーとトレーニングの約束をして別料金を払って予約をするなんていう面倒な作業も、トレーニングを「いつでも押せるボタン」にさせないための仕組みになっていると言えます。

 

しかし、最も有効なのは「人の魅力」や、そこで働く人(トレーナー)の技術、知識、実績などを売り出すことではないか、と私は考えています。

 

例えばスタジオプログラムにしても、

「エアロビクスができます」とか「ヨガクラスもご用意しております」などという売り方ではなく、

 

「このレッスンは海外のコンペティションに参加した経験のあるダンサーが担当します」とか

「有名アーティストのバックダンサー経験のある者がプログラムを担当いたします」とか

「ニューヨークのヨガスクールを修了した優秀なヨガ講師が指導します」などという売り売り方に変えてみたらどうでしょうか?

「いつでも押せるボタン」としてのフィットネスクラブというものからお客様や利用者が感じる印象がかなり変わってくるだろうと考えられます。

 

それこそ、タレントや俳優がレッスンを持ったり、歌舞伎町のホストたちがビシッと身体を絞って割れた腹筋を見せた写真とともに「私がボディメイクを担当します!」と言ってパーソナルトレーナーをやったとしたらかなりの売り上げを上げてしまうんじゃないか、とも考えられますね。

 

この様にフィットネスクラブが売り出すべきは施設ではなく「人」、そしてそれに関連する技術や知識、人となりなど、目には見えない部分にあります。

「ボタン」としての概念をどのように変えるのか、そこがポイントだと思います。

「OPTION B」を読んでわかったフィットネスクラブに行かなくなる理由

気が付くと1か月以上もブログを放置してしまっていました。

本当にすみませんでした。

連動させているツイッターではここ数日「言いたい放題」の状況でしたが・・・。

 

先月より数冊の本を読み込んでいましたが、自分の中では結構な当たりはずれがありました。その中からここにアウトプットできるものを紹介します。

日経新聞等でも盛んに広告を出し、売れているらしい「OPTION B」という本があります。

フェイスブック社の役員の女性が、夫が突然死によって亡くなってしまったショックからどう立ち直っていくのか、というテーマについて書かれたものです。

既に読んだという方も多いかもしれません。

 

日本で売られているのは当然日本語翻訳版なのですが、そういった原作が他国の言語にあたる本というのはどうしても表現がその国のものがベースになってしまうので、イメージがしづらいという点もありました。

「部屋の中のゾウを追い出す」という例えがあるのですが、「?」というのが私の感想です。

ですが、それ以外にも分かりやすく書かれている点も多いので、大切な人を無くしてしまった、またはそれに近いような精神的なストレスに悩んでいる人にはお勧めの本といえます。

 

この本の内容と強引にフィットネスというものをつなげて考える場合、本に記載されている「音を消すボタン」の実験結果についてです。

被験者はナイトクラブのような大音量の部屋の中に入り、その部屋の中でどれだけの時間をその状況の中で耐えているられるかを調べたもののようです。

「とても耐えられない!」と思ったら手を挙げると音楽が鳴り止むというものなのですが、Aグループの被験者たちには特に何も与えられません。一方Bグループには「ボタン」が渡されます。そしてこう説明を受けます。

 

「耐えられなくなったらいつでもそのボタンを押してください。そうしたらすぐに音楽は止まります。」

 

実験結果をみると面白いことに、ボタンを渡されたグループの被験者たちの方が、長時間うるさい部屋にいることができたのだそうです。

つまり「どんなことがあってもこれがあればすぐに助かるor大丈夫だ」と思えるいわば「心の支え」(ボタン)があると人はかなりの過酷な状況に居てもある程度はやっていけるという事ですね。

 

親や子供といった家族の存在はまさに多くの人にとっての「ボタン」ですね。ボタン自体が何か特別なものということではなく「居てくれるだけでいい」といい存在です。

自殺をしてしまったり、見るからに悪徳な宗教団体などに入れ込んでしまう人というのは何かのきっかけに「ボタン」に相当する人やモノを失ってしまったと感じる人なのかもしれません。

ペットと買うこと、多額の貯蓄をすること、など我々がやっていることの多くは「ボタン」に相当する心の支えを求めてのことでしょう。

 

さて、それを踏まえてフィットネスクラブという者と考えてみると、ほとんどの人がフィットネスクラブに通えなくなってしまう理由がわかります。

「いつでも押せるボタン」と同様に

「いつでも来られるフィットネスクラブ」は、入会者や会員さんたちを

「いざという時になったら行けばいいや」という心理にさせてしまいます。

(本人のやる気の無さもありますが)

 

医者から運動するように言われているけど、

最近明らかに体重が増えて身体がブヨブヨになってきたけど、

「このボタンを押せばいいんだ!そしてそれはいつでもいいんだ!」

というのと同じ感覚でフィットネスクラブがその人にとっての「ボタン」になってしまいます。

健全な精神状態を保つという意味では「ボタン」の考え方は非常に有効ですが、運動や肉体的な健康、ボディラインや見た目の美しさという観点からするとボタンとしてフィットネスクラブを捉えてしまうことはむしろ逆効果です。

 

そうなってしまう理由や対策については明日に続けます。

ベンチプレスよりショルダープレス?

レジスタンストレーニング(いわゆる筋トレ)にはビッグ3と呼ばれる種目があります。なにはともあれこの3つをやっておいて損はないというものですね。

その3つとは

スクワット、デッドリフト、ベンチプレスの3つです。

(わからない方はネット検索を)

 

この3つが選ばれている理由として考えられるのは、まずその種目で動員される筋肉(筋)の豊富さです。スクワット=脚、デッドリフト=背中、ベンチプレス=胸というのが一般的な理解です。これに間違いはありませんが、その動作をする際には、体のほかの部位のあらゆる筋活動があります。

スクワットもデッドリフトもほぼ全身を使う、といっても過言ではありませんし、ベンチプレスでも下半身や適度な体のそりを作るために広背筋の筋力も必要です。

 

トレーニング初心者でも軽い重量からでもいいのでやってほしいのはビッグ3だと考えられますが、ベンチプレスに関ては私は少し疑問を感じています。

 

アスリートに帯同するトレーナーやストレングスコーチでもまともな人というのは選手に対してベンチプレスというものを積極的にやらせていない、ほとんどやらせることはない、というのが実態なようです。(自身のブログで公表している人もいます)

その理由は、ベンチプレスという動作そのものにあります。

あらゆるスポーツや競技において、ベンチプレスの動きに関連する動作というのはありません(ほとんどみらません)。

バスケットボールのチェストパスという動作は一見すると関連があるように思われますが、動作のもとになっているのは下半身であったり肘と手首のスナップであったりします。

 

アスリートでもそうなんですから、一般の人が健康維持や体力向上、体の機能向上を目的としたトレーニングをする場合にベンチプレスというトレーニングはその優先度は高くない、むしろやらなくてもいいのではないか?と感じます。

(カッコイイ体を作る、とか、厚い胸板を作る、というボディメイクの観点からすればセどんどんやるべきですが)

 

それよりもやってほしいと感じるのはショルダープレスです。

頭上にダンベルを上げる動作この種目も、日常生活ではそんなことをすることがほとんどありませんが、積極的に行ってほしいものです。

何故かというと、

現代の生活では、自分の頭よりも上に手が行くというのは頭を洗う時以外にほとんどありません。ということは必然的に肩の筋力が低下していきます。

四十肩、五十肩などという深刻な肩の痛みに現代日本人の多くは悩まされていますが、これは手を頭上へ上げる動作をすることなく、数十年間生活をしてきたことが原因にあると考えられます。

 

また、ショルダープレスという動作をするためには背中(胸椎)をまっすぐにして、さらに自分の腕が顔の真横からやや後方まで下げることが必要です。

姿勢が悪く猫背になっていたり、いつの間にか肩の可動域が狭くなり、万歳のように手を挙げても手が前方に行ってしまい、まっすぐ真上に上げられない人も多いでしょう。

そういった人たちにとっては、そんな体の不調の改善に

まだそうなっていない人にとっては、姿勢を悪くせず、肩の関節が良い状態を保つための予防として、

積極的にやってほしいものです。

 

ビッグ3という概念は今後も変わることなないのでしょうけれど、

一般人にとってのビッグ3はスクワット、デッドリフト、ショルダープレス

アスリートにとってはスクワット、デッドリフト、ヒップスラスト

というのが現実なのではないか、と感じています。