昨日は、帰宅が遅くなったため更新なしでした。
前回の記事の続きとして、イオンの月500円での自宅配送サービスから考えられるスポーツクラブ・フィットネスクラブの今後の料金形態はどうなるかを考えていきます。
フィットネスクラブで働くスタッフには「正社員・アルバイト」の区別がなくなり、最低限のスタッフしか配置しなくなるでしょう。現在は各クラブともどんどん正社員スタッフの数を減らしています。単純に人件費削減なのですが、それに対する明確な解決手段(つまり、どう集客をして利益を増やすか)が「低価格化にすること」ということしかできてないので、この流れが進めばやがてアルバイトスタッフすらも雇うことはできなくなります。フィットネスクラブのアルバイトの時給は驚くほど安いです。
現場で活動できるのは、運動・トレーニング指導ができる”トレーナー”か、中身のあるスタジオプログラムを提供できる”インストラクター”の2種に限られるようになるでしょう。現在、この2種に対する給料というのは「報酬」または「業務委託料」という形で支払われています。ここにもフィットネス業界ができるだけ人件費を抑えようとする非常に複雑な仕組みが組み立てられています。
今後のフィットネス業界の料金形態はどうなるのかを考える時に、この「委託料」という形式のお金の流れを考えることが重要です。
お客様(会員さん)がクラブ(会社)へ料金を支払う
その料金の中からクラブがトレーナー・インストラクター(契約者と呼びます)へ支払うという流れです。
お客様→クラブ→契約者 がお金の流れとなります。
このままどんどん会費の低価格が進めば、どうなるでしょうか?
この真ん中に入っている「クラブ」というのが何だか仲介業者のようですね。ネットの発達その他により他の業界ではどんどんその数を減らしている本屋さんや実店舗のお店がまさにこれです。フィットネスクラブも仲介業者です。そしてここに入るお金を業者自体がどんどん低価格にしているということは、お客様が支払う額の多くが契約者に流れていくようになるということが考えられます。
パーソナルトレーニングというのは今まさにこの料金体系なのです。月々の会費にプラスして運動指導料1時間6000円(税別)を別途で支払うのです。利用者の立場に立てば「毎月の会費を払っているのにまた追加で払うの?」という心理になるのは当然です。ここでのポイントはフィットネスクラブの月会費が低価格化しているとはいえ、「それでもまだ高い」ということです。パーソナルトレーニングを月2回受けたとするともう12000円です。あっという間に月会費以上の金額を支払っていることになります。
それに対して何らかのインセンティブにあたるようなサービスがあれば話な別ですが、そんなことをしているフィットネスクラブはゼロだと言っていいでしょう。「自分の身を削ること」が集客手段となっているフィットネスクラブが今後生き残っていく為には、もうここしかいじくるところは残されていないはずです。
スーパーマーケット、イオンのサービスのように、500円くらいまでとはいかないまでも1000~2000円くらいまでフィットネスクラブの月会費というのは落ちてくるのではないかと考えられます。(ティップネスという系列では条件付きで1850円という料金プランがあります)。その分、何かサービスを受ける場合、つまりスタジオプログラムに参加する、パーソナルトレーニングを受けるといった場合は別払いで料金が発生するという形式なるだろうと私は考えています。
スーパーで買う品物にはそれぞれ料金があり、自宅まで送ってもらうには定額500円というイオンのサービスとまさに同じように、「月々の会費は1500円前後+自分が参加したいレッスン、受けたいサービスにはそれぞれ別払い」という料金形態です。
その合計が1万円くらい、ちょっと余裕がある人で2万円くらいの月々の支払いになるくらいというのが一番良いのではないかと思います。
かつては会員権だけで数百万~数千万円もしたと言われるゴルフ場が今や1日利用で8000円前後、月2回ラウンドして約2万円ですからこれもほぼ同じですね。
超低価格の月会費、でもそこで受けるサービスは都度払い これがフィットネスクラブの今後の料金形態です。こちら方が今よりもずっと理に適っている(リーズナブル)ではないでしょうか?