昨日の続きです。
人口減少と人手不足による働き方の変化によってフィットネス業界ではどんなことが起こると予想されるでしょうか?
まず、末端で働くスタッフの仕事量は増えるだろうと予想できます。社員スタッフ新入社員の数が減りますし、アルバイトスタッフの募集を掛けても人は集まりません。ということは既にクラブ内で働いているスタッフは正社員・アルバイト関係なく「様々な」業務をこなさなくてはならなくなることは確実です。
この現象はもうすでにフィットネスクラブでは起きていたことですが、今年から「募集を掛けても人が来ない」という現象がより鮮明になります。
バイトスタッフ達のシフト作成や売上の計算などをアルバイトスタッフが任される、なんてことも出てくるかもしれません。
その一方で、ますますアルバイトスタッフの働き方の自由度は高くなっていくと思われます。マクドナルドのアルバイトでも最低週2日で1週間前に働きたい日を事前申請するという店舗もあるようですが、まさにそんなように「週2日から可能」で、とにかく誰でもいいから人来てくれ!という状態になるでしょう。
(これによってまた社員の仕事量は増えるでしょう)
NewsPicksの佐藤留美さんの記事にもありますが、政府は今年から副業や兼業を後押しする方針ですから、筋トレ好きな人なサラリーマンや運動好きのOLさんが週2日でインストラクターやパーソナルトレーナーをやるということもあるかもしれません。
このように考えてくると、フィットネス業界外か新たにこの業界でなにかしようとする人は増える一方、既にフィットネス業界で働いていた人は退職していくという傾向が見られるだろうと考えられます。
フィットネスクラブがもともと「不動産ビジネス」として扱われ、一度ハコを作ってしまって後は何事もないように管理していればよい状態の時(バブル期)にフィットネス業界に入った人たちの多くは現在でもただの管理者にすぎず、運動指導など利用者の求めているものが提供できません。
しかし、年功序列によって給料だけは高いのです。
どの業界でもそうでしょうが、50歳を過ぎても年齢にふさわしい能力(知識や技術やその他相談するといつも良いアドバイスをくれるなど)がない人というのはどうにかして辞めてほしいと思っているはずです。
フィットネスクラブという場があればいいだけの「不動産」から、「運動指導やエクササイズを提供する場」になり、さらにそういった技術や資格を持った人が「何かのついでに働く場所」になり、そこに集まる人たちの「コミュニティ」になり、とその姿をどんどん変えていくのに対して、不動産管理者感覚が抜けない社員(支配人クラス)ははっきり言って必要ないのです。
ですが、給料は下げられない。定年を迎えてもどこにも行くところもなくやることもないから再雇用制度を利用します。
「役職」というものに対して賃金を設定してしまったために、「能力」に対する給料をしはられないことに対する社員の不満が出ることは簡単に予想できます。
ですから新入社員の離職率やアルバイト採用から社員になったスタッフの離職率は増えていくと思われます。
さらに明日に続けます。