なんと、気が付けば3月は
丸々ブログ記事を書かなかった月になってしまいました。
それでも結構な人数の皆様からアクセスがあったようでうれしいものです。
読まれている記事を確認してみると、同業者の方がこっそり見てくれているのではないか、という印象ですね。
さて、3月から世間では森友学園スキャンダルで大手メディアは一色です。
つい昨日は「口裏合わせをしていた」と財務省の
大田理財局長が国会で認めましたね・・・・。
テレビ新聞は「森友一色」の状況が続きますが、
本屋へ行ってみるとこちらは「100年時代の人生」です。
リンダグラットンの「ライフシフト」という本が世界的ベストセラーになり、日本語版のサブタイトルが「100年時代の人生戦略」でしたので、まさにそれに乗っかる形で「100年時代の人生」に関する本や雑誌が軒並み出版されています。
五木寛之の「百歳人生を生きるヒント」も売れているようですし、
「100年時代のライフデザイン」という表紙の経済紙も並んでいます。
100年という数字が出てくるのは
人の寿命、それも体が自分の思うままに動かせる健康寿命というものが延びてきているということが挙げられていますね。
・昔に比べてとにかく人が長生きするようになった。
・定年退職してから自分が死ぬまでに過ごす時間が大きく増えた。
という2点が起点となり
・人によっては死ぬまで仕事をしないといけないのではないか?
・人の寿命よりも会社(企業)の寿命の方が先に尽きてしまうので、どこかで転職しないといけないことになる。
といった論理が展開されているようです。
しかし、フィットネストレーナーとしての観点から
「100年人生」の理論を見ると違和感しか感じません。
なぜなら、この観点(100年人生)は
「五体満足で健康な状態でいること」が前提で進んでいく話だからです。
まず日本人が亡くなる理由(死因)の1位は癌です。
「日本人の2人に1人は癌になる(である)」などという主張もあるようですが、
統計的データとしては男性は25%(4人に1人)、女性は16%(6人に1人)が癌でなくなります。日本人の死因2位と3位である心疾患、脳血管疾患も合わせると亡くなる確率は55%にもなるという試算も出ていますね。
そして重要なのは、それらの病気疾病が
ある日突然、一瞬でやってきてしまう危険性があることです。
俳優の大杉連さんが先般、まさに突然死と言える形でお亡くなりになりましたが、66歳という若さです。
プロ野球監督の星野仙一さんはすい臓がんで70歳で亡くなりました。
千代の富士(九重親方)も60歳で還暦土俵入りを行い、ピンピンしていたのに翌年にすい臓がんで次の年には亡くなってしまいました。
古くはジャイアント馬場も60歳まで現役でピンピンしていたのに翌年には大腸がんでなくなりました。
不謹慎ですが、「20○○年、亡くなった人」と検索すればまとめサイトがヒットし、著名人の死因や年齢が簡単に確認できますが、100歳近くまでなんの病気もせずに天寿を全うしている人など、ほとんどいないというのが現実です。
100年時代の人生
平均寿命が延びている
などというのは確かに事実なのでしょうけれど、
だからと言ってそれが「自分にも当てはまる」と思うのは早計ですし、元気に動ける身体で人生を楽しめる状態のまま年を重ねていけるかどうか本人の努力次第です。
現に老々介護は社会問題であり、それによって会社を辞めざるを得ない状況に追い込まれている人はものすごく多いし今この瞬間も増えています。
65歳以上の寝たきり状態にある人の割合は日本はなんと33.1%!!!
3人に1人は寝たきり!!!
ダントツで世界一位だそうです。
家族や親せきを辿ってみると、何かしらの介護サービスを受けていたり、何らかの病気で困っている状態にある人がほぼ確実に出てくるはずです。
100年時代の人生を本気で信じていますか?
俺は、私は、100歳まで生きるんだなぁって思っていますか?
何かがあなたを自動的に100歳まで生かしてくれるわけではありません。
100年時代の人生ブームにはそういった観点がすっぽり欠けています。