スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

加圧トレーニングで筋肥大は起こるのか?

今回はまた加圧トレーニングについて書いていきます。

 

加圧トレーニングが登場し、芸能人が実践しているなどとして世間に広まっていったのはかれこれ20年くらい前の話になるかと思います。

今ではかつてほどの勢いは無くなりましたが、廃れたということではなく、トレーニング方法の一つ、健康法の一つ、負荷の掛け方の方法の一つ、といった認識で一定数の人たちには定着しているといったところでしょう。

加圧トレーニングで検索をかければ実に様々な効果があるというような言葉が無数にヒットします。健康増進やアンチエイジング、ダイエット、筋力アップなどすべて見ていくとまるで夢のようなトレーニング方法に思えてきます。

 

その中でもフィットネストレーナーや筋トレ実践者たちが最も注目する、または過去に注目したであろう加圧の効果は筋肥大でしょう。

つまり筋肉が付く、筋肉が太くなるということですね。

「加圧をすることによって、辛いことや強度の高いきついトレーニングをしなくてもそれと同様の効果を得ることができる」というと大げさに聞こえますが、ウェブサイトによっては本当にそのような書き方をしているものあります。

 

実際のところどうなのか?簡単に調べる方法があります。

それは実際に筋トレをしている人たちがどうしているか、見に行くことです。

ボディビルダーや筋トレユーチューバーたちのトレーニング動画でも構いません。ポイントは「筋肉を付けることを追求している人たちの動向」を見ることです。効率よく筋肉が付いていく、発達していくという方法やサプリメントなどに最も貪欲なのはそうした人たちです。加圧トレーニングによって手軽に効果的に筋肉が増えていくとか太くなっていくというのなら、トレーニーたちが真っ先に目を付けるはずだし、その方法を実践し続けるはずです。

YouTubeにも加圧トレーニング動画がどんどんアップロードされるでしょう。

 

しかし、現実はそんなことはありません。

 

ゴールドジムやエニィタイムフィットネスなど筋トレ好きが集まるジムに行っても、腕や脚に加圧ベルトを巻いてトレーニングしている人なんで全くと言っていいほど見当たりません。

ちなみに本日(2021年10月10日)はボディビル日本選手権大会が行われましたが、加圧トレーニングだけで体を作ったというビルダーなんて存在しません。

 

この現実が全てを物語っています。

加圧トレーニングで筋肥大は起こらないのです。

 

正しく言えば、ボディビルダーやフィジーカーが求めるような筋肥大は起こらないということになります。

普段から筋トレどころか、まともに運動もせず体を鍛えたこともないというくらいの人が加圧トレーニングを始めたとしたら、少しは腕や脚が太くなるでしょう。その意味での筋肥大は起こりえます。

 

加圧トレーニングのテキストや解説書には筋肉が増えた実験結果として、上腕二頭筋(力こぶ)と大腿四頭筋(ももの前側)の断面積をCTで測った画像や、巻き尺で周囲径を計ってみた結果などが載せられており、確かに加圧トレーニング実践後はそれらが大きくなっています。

しかし、力こぶや大腿部前面の筋肉はアームカールとレッグエクステンションという単純な動作を繰り返し行えば、軽めの負荷でもパンプアップすることがあります。

それをもって「加圧で筋肥大が起こった!」と謳ってしまうのははっきり言って誇張ですし、腕と脚以外の主要な筋肉(殿筋群や各種背筋)には同じことが当てはまるのかどうかまでは触れられていません。

 

加圧トレーニングで筋肉は太くなる、または増えるのでしょうが、

それはあなたが想像するほどではない程度です、と言えるでしょう。

浮かれまくっていたフィットネス業界はもう元には戻らないかも知れない。

東京の新型コロナウイルス感染者数が減ってきました。

実際に何をもってどの段階で感染者として一人をカウントしているのかなどの議論はありますが、現状は良い傾向と呼べるのではないかと思います。

音楽やダンス系のライブイベントも徐々に再開されてきていますし、テレビで野球中継を見るとセ・リーグは遠目には通常通りの観客を球場に入れているようにも見えます。

 

芸能人やユーチューバーたちの感染は続いていますが、自宅療養で回復する場合もあり、「重症化は怖いけれど活動しないことには仕事にならないし、仮に感染してしまったらとにかく家で寝ているしかない」といったマインドに多くの人がなってきているのではないかと思います。

 

そんな中で、フィットネス業界(個人的には飲食業に次ぐ規模で新型コロナウイルス感染による経済的被害に遭った業界だと思っている)は現在でも活路を見い出させていません。業界紙が少し前に発表した大手フィットネス業界のIR情報によれば、感染が蔓延する前の年と比較した現在の売上高は、

業界最大手のコナミスポーツで60%、第二位のセントラルスポーツで63%、第三位のルネサンスは比較的ましな方で74%に止まっているそうです。

※ちなみに新宿の大型施設(電車の窓からも見えるくらい)の閉館で話題になったティップネスは52%という落ち込みぶりだそうです。

 

業界の象徴でもあるこれらの会社が復活するには?

新業態への変革が必要なのか?

生き残り戦略として何をすべきなのか?

など、いろいろと考えを巡らせてもいいのですが、いくら考えても「基本的には無理です」というのが私の考えです。

敢えて言えば「今の売り上げ規模くらいの大きさで細々とやっていくことになる」となります。

※ですからこのブログで何度か「フィットネスクラブは支配人という無駄な人件費をカットせよ」と主張しています。

 

では、売り上げが戻ってこない理由、または今のようになってしまった原因はどこにあるのでしょうか?

答えはシンプルで

「業界人がほぼ全員杜撰で何も考えていなくて浮かれていたから」です。ですから今回のような危機に対応できなくなってすべてが後手後手になり、慌ててSNSを駆使してオンラインの告知や実際の店舗の宣伝などに力を入れだしても「時すでに遅し」になってしまったのです。

 

その一例を挙げます。

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2017年の写真

こちらは業界人の一人が2017年にfakebookに投稿した写真です。

この人物と私は何の関係もありませんが、「いいね」という便利機能のお陰で巡り巡って私のスマホにも流れてきました。

パクチー&セクシーだそうです・・・・。

多分パクチー入りの飲料を飲んで写真を撮ったんでしょう。

 

fakebookが一気に浸透したのはおそらく2012~13年のあたりですが、それからフィットネス業界人のSNSはこういった「どうでもいい写真」や「バカ写真」で埋め尽くされることになりました。

※この他は「食べ物の写真」か「酒の写真」かくらいしかありません。

 

そして同業者同士で「いいね」を付け合い、コメントを付け合い、まるでSNS依存症になったように投稿・いいね・コメントのサイクルを繰り返していました。

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上の写真についたコメント

コメントのやり取りを見れば何ともあほらしいと思えるでしょう。

しかし、流行とは恐ろしいものでこの年にはそれが最先端を行くイケてる行動のようにみんなが思っていたのです。

 

今でしょ!で有名になった林修さんは大学卒業後に就職した銀行を僅か五か月で退職したそうですが、その理由は「みんな浮かれていたから」だそうです。

 

まさにフィットネス業界も浮かれに浮かれていました。

現在では「サブスクリプション」という言葉が定着しましたが、月会費制または定額使い放題という料金形態の元祖はフィットネス業界であると言えるくらいずっと昔からやってきているお支払方法です。

これによって一度会員として人を入れてしまえば、後は放っておいても定期的に収入が入るというまるでアパート・マンション経営のような感覚でフィットネスクラブやスポーツジムというものは運営されるようになります。

(だからマンションの管理人みたいなボケっとしたオジサンが支配人になる)

 

放っておいても金が入るわけですから、社員たちは勉強もしませんし、出勤してきてまずやることが休憩室のベランダに出てタバコを吸うことだったりします。

 

そして現場に出れば会員からチヤホヤされ、すっかりタレント気取りのインストラクターたち、パーソナルトレーナーたちが調子に乗ってもっともらしいことを言っているわけです。

 

フィットネス業界人(社員、インストラクター、パーソナルトレーナーたち)は全員が浮かれていました。

今回のようなウイルスによる影響が出るなどとは微塵も考えていませんでした。

ですから本来は「自分自身の仕事の告知」や「特技」などを世間に知らしめて自分の仕事の幅や収入アップ、新たな収入源の開拓などに活用するべき出るSNSを「遊び道具」として使い、使い倒してしまっていました。

 

先ほどのバカ写真、食べ物と酒の写真、お互いに褒め合うコメント、でタイムラインを埋め尽くしてきたのです。

散々そんなことをやっておいて、コロナになったら「これからZOOMでオンライントレーニングです!30分1,500円です!」なんてfakebookで告知しだしても誰も反応しません。

 

業界も、そこで働く個人も、浮かれていました。

だからもう、元には戻らないでしょう。

筋トレも運動も栄養も「方法」ではなくて「習慣」です。

このブログで過去に何度も触れていますが、健康な体作りでもボディメイクとして筋肉をつけて体脂肪を減らしていくにしても、それは「方法」ではありません。

 

「方法」と言っても間違いはないのですが、そう表現すると

「思いついた時にこれをやればいいもの」

とか

「夏が近づいてきたのでそろそろやり始めた方がいいな」

というように、1回または複数回にわたって何回かやれば効果が出るものだという理解をしてしまうようになるからです。

 

痩せる方法、筋肉をつける方法、引き締める方法というように「具体的にこうすると良い」というものはありますが、効果が得られるまでにはそれら「方法」を一定期間やり続けることが必要です。

その一定期間とは基本は3か月つまり12週間、妥協したとしても2か月8週間は必要です。

「”方法”を2~3か月続けること」となるとこれはもう「習慣」ですね。

 

 

芸能人を含め、新型コロナウイルスに感染した人の中には、重症化はしなかったものの体調が回復するまで辛い戦いを強いられ、その様子を動画で公開してくれている人もいます。

そんな世間の様子からに健康という言葉を意識する、あるいはコロナ感染でなくても、何か体調を崩すことなどがあって、改めてご自身の「健康」というものを

意識するようになったという人も多いかと思います。

 

我々スポーツジムのトレーナーが頻繁にお受けする質問も

健康に関することが多いのですが、その質問の多くが

「健康のためになにをしたらいいのか」

という方法論で考えてしまっているものです。

「何を食べたら健康に良いのか?」

「どんな運動をしたら健康に良いのか?」

という具合ですね。

 

そういった方法論で健康について考えてしまうと

「何をどうしたらいいのか?」を延々と考えて

止まらなくなってしまうことになります。

 

例えば

「健康のためには野菜を食べた方が良い」と我々がお答えしたとすると

「野菜の中でもより良いものは何か?」

「量はどのくらいがいいのか?」

「朝昼夜のどこで摂るのがいいのか?」

「調理法は何がベストなのか?」

という具合に「何をどうすれば・・?」が無限に出てきてしまいます。

 

筋トレや運動も同じです。

「健康のためには筋トレをした方が良い」

とか

「健康のためにはウォーキングをした方が良い」

などと我々がアドバイスをすると

「何回くらいやるのがいいの?」

「何分くらいやるのがいいの?」

「何と何をやったらいいの?」となります。

 

あるいは実際に筋トレをやってみると

「何kgでやるのがいいの?」 

「関節を伸ばし切らない方が良いの?それとも伸ばすほうが良いの?」

「持ち方はこうした方が良いの?」

などなど、、、、、方法、方法、方法の連続になります。

 

何をどうするか、と具体的なものを追うのではなく

「日常的にどんな行動をするか」、つまり習慣です。

 

運動方法にしても食材やサプリメントにしても

それらにどんな効果があるのかは、特定の運動や栄養素の摂取を最低でも2~3か月間継続して行う人のグループと、そうでないグループを比較した研究結果から判明するものです。

 

「方法」を継続して「習慣化」しないと体は変わりませんし、

「この運動方法は効果が無い!」とか「このサプリメントはインチキだ!」などという勝手な誤解をして損をしてしまうことにもなります。

 

スポーツジムに支配人が要らない理由

新型コロナウイルスによる営業停止の影響から

かろうじて黒字が再び出始めたフィットネス企業もありますが、多くは以前として赤字垂れ流し状態です。

 

数か月前には業界最大手であるコナミスポーツが16店もの運営施設を閉館するということがありましたが、それに近い出来事が今後どこかでまた起こる可能性は非常に大きいです。

フィットネスクラブ(世間的にはスポーツジムですが)は、もっと言えばフィットネス業界はこの状況で何をすべきなのか、シンプルに考えればコストカットです。

カルロス・ゴーン並みに人減らし、つまり従業員を解雇して解雇して、契約を打ち切って打ち切って、一番コストがかかる人件費を削るのです。

 

このブログでも既に何度か触れていますが、

人件費としてカットするべき対象物、または

対象となる従業員or業務委託も含めた契約者とは施設の管理者、つまり一般的に支配人や店長と呼ばれる役職の者たちであるべきです。

なぜかというと、いわゆる支配人と呼ばれる人たちはスポーツジム(フィットネスクラブ)という施設において「何もしない」し「何もできない」からです。

 

以下に列挙してみます。

 

まず支配人たちは自分でトレーニングをしません。

できませんし、やり方も知らないでしょう。中にはご自身でも筋トレを実践していたり、選手として大会に出る(ボディビルに限らずマラソン大会なども含めて)という人もいますが、まさに「そういう人”も”いる」という程度です。

ですから「人に教える」などということができるわけがないのです。

運動施設で働く人が運動アドバイスができないんですね。

 

支配人たちはスタジオレッスンをしません。

できませんし、やり方も知らないでしょう。まあこちらは責任者になる前の平社員の時にはやっていた人も多いでしょうが、本社で数字ばかり見てた人やお客様相談室とか言って電話番をやってた人なんかが支配人になることも多くあり、そういう人は当然ながら「人前で何かをする」なんてできるわけがありません。

 

支配人は施設の現場に立ちません。

ジムスタッフと呼ばれる筋トレエリアに立って接客や利用者の案内をする係りは、ほとんどがアルバイトスタッフです。プールの監視員も同じですね。

正社員スタッフが現場に立つことは頻繁にありますが、支配人が現場に出ることはありません。

 

支配人は電話に出ません。

ジムエリアに立たない、筋トレ指導もできない、スタジオレッスンもできないのならば事務所内で会員の方々や外部からの問い合わせ電話に積極的に出てくれるのか?と思いますが、それもしません。

やはりこちらも「そうじゃない人”も”いる」し「積極的な人”も”いる」という程度です。大半の支配人は電話に出ません。

 

支配人は見学者様のご案内や入会の受付をしません。

フィットネスクラブはフロント業務担当スタッフとジム・プール担当スタッフで業務がわかれており、それぞれにチーフと呼ばれるよくわからない役職の担当社員がいます。入会しようかと興味を持って新しく施設にやってきたお客様をご案内するのは、そのフロントチーフに研修を受けたアルバイトスタッフであることが大半です。

支配人は、何もしません。

 

自分でトレーニングをしない

スタジオレッスンもしない

現場に立たない

電話に出ない

お客様のご案内もしない

・・・・・・・・・・・・こんな従業員、必要ですか?

 

普通に考えて、要らないよね♪

コーラとコロナウイルスと

「コーラを飲むと骨が溶けるよ」
子供の頃に確か学校で?そう教わったのを今でも覚えています。
これは言葉だけ見ればいわゆる「トンデモ」ってやつです。
 
まず、当たり前ですがコーラには骨を溶かす成分は含まれていません。
ぶどう糖果糖液糖とカフェインと炭酸とカラメル色素を混ぜた液体に骨を入れてどれだけかき混ぜても溶けるわけがない。
次に、コーラを飲んだとしても飲食物は食道から肛門までを通っていくわけですから、直接的に骨にコーラが触れるわけでありません。
コーラの成分が吸収され、それが血液と共に骨まで行き届いてそれで骨を溶かす、というのなら骨よりもはるかに柔らかい組織である腸管、血管などの方が先に溶けるんじゃないでしょうか?
少し知識がある生意気な子供がいたら
そんな風に質問して先生を困らせるかもしれません。
あるいは
「非科学的なことを言うな!」
「間違った知識を子供たち植え付けるな!」
「コーラの危険性を過度に煽るな!」
などと言ってくるモンスターご両親もいるかも知れませんね。
 
ポイントは「伝え方」です。
 
コーラを飲んでも骨は解けませんし、
すぐに何か身体に影響が出るものではありません。
人によっては毎日のように飲んでいても元気にしている人もいるでしょう。
しかし、コーラという飲み物の成分が”科学的に”体に与える影響を見ると「飲まないに越したことはない飲み物」であることは確かです。
そしてそんな飲み物の味を小さな子供のうちに覚えてしまうと、ただの水やお茶よりもコーラのように砂糖がたっぷり入ったジュースの方ばかり飲んでしまうようになるかもしれない、つまり依存症になってしまう可能性が出てきます。
 
小さな子供に
「人体の構造とコーラに含まれる成分が与える影響について」
などというテーマで講座を聞いてもらってもいいですが、
「コーラを含めたジュース類ばかり飲むことにはリスクがあること」
「できれば飲まないようにして欲しい」という願いを込めて
「コーラを飲むと骨が溶けるよ」と伝えるんです。
つまり子供が本能のままに動いてしまわないようにある意味で恐怖を煽って行動に制限をかけるわけですね。
 
さて、新型コロナウイルスです。
日々の感染者数
疲弊した医療現場の声や状況
重症化して弱った姿をした感染者
ちょっと前だと「最悪の場合、日本でも42万人の死者が出る」などと言っていた人もいましたが
こうした報道に対して
まるで先ほどのコーラクレームモンスター親のように
「非科学的なことを言うな!」
「コロナが怖いものだと過度に煽るな!」
「インフルエンザの方がよほど感染者が多い!間違った知識を植え付けるな!」
という人達がいますね。
 
ここでもコーラと同じようにポイントは「伝え方」です。
新型コロナウイルスというのはまだまだその全貌がわかっていない未知のウイルスです。
どんどん変異型が生まれていますし、昨年12月には南極大陸でも感染者が確認され、つい最近ではエベレストのシェルパも感染が確認されたほど、「どこからうつったんだよ!?」と声をあげたくなるほど感染力が強いわけです。
無症状で済む人もいますが、志村けんさんや岡江久美子さんのようにあっという間に生命力を奪われて亡くなってしまう人もいます。
重症化して亡くなる人も出るのはインフルエンザも同じですが、インフルエンザの場合は「空気が乾燥する冬の時期に流行する」「誰もが気軽に受けられるほど副作用リスクが少ない予防接種が定着している」「タミフルという専用治療薬もある」など、その特徴への理解と対処法があります。
 
コロナは夏には感染力が鈍りましたっけ?
そんなことなかったですよね。
 
ワクチンはひとまず出来てきたようですが、今出回っているメッセンジャーRNA型のワクチンというのは、いわば遺伝子組み換えワクチンのようなもので、摂取したことによる人体への影響も考慮すべきものであり、ましてや「コロナ版タミフル」のような治療薬はまだ完成してていません。
 
今後どんな影響が出るかわからないウイルスのパンデミックに対して、医師または一般人よりは専門知識がある人が世間に伝える時にはどう伝えたらいいでしょうか?
「全然問題ないっすよ!弱い人は死んじゃうのは仕方ないけど、ほとんどの人は無害なんでフツーにしてていっすよ♪」
と言えばいいでしょうか?
違いますよね。
 
「何が起こるかわかりません。気をつけてください。」
というべきに決まってますよね?
 
そしてその際には
「ほとんどの人には無関係かも知れないくらいの最悪の事態を想定」して話をするというのはわかりますよね?
 
北朝鮮からミサイルが!と速報が出るのは
「最悪の場合、日本の国土のどこかに飛んでくるからもしれないから」ということで大げさに警報を鳴らすように速報をだすわけですよね?
 
未知のウイルスに対しても警鐘を鳴らす側の人というのは
「42万人も死ぬかもしれないよ!」と
大袈裟に言うものなんです。むしろそれが勤めですよ彼らの。
 
地震調査委員会の予測では
M8~9クラスの地震が首都直下で、または南海トラフ
今後30年間で70~80%の確立で起こるらしいですよ。
 
「恐怖を煽るな!」って怒りますか?
 
確かに恐怖を煽ってはいますよ。
でもそれはコーラで骨が溶けると同じように
「最悪の事態」を想定しての警鐘と、危機回避のための行動制限を起こさせるために「必要なこと」なんですよ。
 
あなたが新型コロナウイルスの対策について
記者会見で全国民に情報共有する立場だったらどういいますか?
「インフルで死ぬ人の方が多いから大丈夫ですよ」
「今まで通り、好きなことをして楽しんでください」
って言いますか?
 
じゃあ、あなたの子供にもこう言ってください。
「コーラを飲んでも骨は溶けたりしない」
「大丈夫だよ!美味しいと思うなら好きなだけ飲んでいいよ♪」
ってね!
 
 

加圧トレーニングは確かに効果があるがそれはリハビリ効果としてのもの。

では加圧トレーニングの効果について改めて書いていきます。

 

加圧トレーニングについての訴訟に関する情報も

多くのトレーナーや加圧トレーニングを指導していたであろう人がブログで状況をネット上にアップし、疑問点を指摘してますがそれでも皆共通しているのは「加圧トレーニングは効果がある」ということです。

ただし、それは

楽して痩せられるダイエット効果ではなく

美肌、見た目のアンチエイジング効果でもなく

メキメキと筋肉が発達していく効果でもなく

「リハビリ効果」に関しての話です。

 

加圧トレーニングというとその宣伝文句に使われるのが「大量の成長ホルモンが出る」というもので、効果のほどがあるかないかの議論になっているのはその点なのですが、腕や脚の付け根にベルトを巻いて一定時間血流を制限し、その後緩めることで一気に血流の促進を促すという「加圧と除圧による効果」に関しては間違いなくあると言えるでしょう。

そしてその恩恵を最も受けられる、

つまり一番効果を実感できるというのは

・著しく体力が低下してしまった人

(高齢者、寝たきり状態の人、捻挫や骨折などの怪我をしてしまった人)

に対してです。

 

もう何年も前ですが

私が参加した加圧学会(そんなのがあるんですよ)だったか、

一般人も参加可能な医療系シンポジウムでのランチョンセミナーだったかで加圧開発者の佐藤さんが、当時のノルディック複合アメリカ代表選手であるトッド・ロドウィックさんが参加予定であった2014年の冬季オリンピック開催30日前に上腕骨骨頭部の骨折という大怪我を負ったものの、加圧によるリハビリを毎日続けてなんと30日後の大会に選手として出場したという話でした。

現在もその動画が残っており「KAATSU Global」というYouTubeチャンネルには同様の動画が数多くあるようです。

 

加圧学会で発表される数々の症例の中でも「加圧だからこそ」と思えるものはやはりリハビリ系のものでした。

ダイエット効果や何かのスポーツで好成績が出たという報告もありましたが、それらは「加圧だからできたことで他のやり方では出来ない」という程ではないものばかりでした。

 

そういったリハビリ効果としての加圧でポイントとなるのは

成長ホルモンというよりも、シンプルに「血流」

つまり血の巡りが良くなることにあると考えられます。

ヒトやその他の動物の血流というのは心臓の動きと全身の筋肉の収縮によって促されます。最近になってやっと筋トレが健康に良いということが世間一般に認知されてきましたが、筋トレというのは意図的に筋肉に力を入れたり抜いたりすることによって血流が促進されます。

ですから、単に筋肉が増えるとか大きな力が

出せるようになるということ以外に、

心臓が全身に血を送りやすくなる=血圧が下がる(訂正地になる)

血管が太く、また柔らかくなる=動脈硬化や脳・心筋梗塞の予防になる

などの様々なメリットがあります。

 

ただし、筋トレをする場合は

筋トレができるだけのコンディションが必要となります。腕立て伏せができるとか、しゃがんだり立ったりができる、あるいはダンベルを持って正しく動かすなどがそれに当たります。

そうしたことで筋肉に掛かる「負荷」が「血管の圧迫と解放」という現象を体内で作り出してくれることになり、怪我や病気で弱った身体の部位=血の巡りを良くする必要がある部分、に血が行き届くことになります。

 

ですから、十分な身体活動ができないとか

基本的な筋力が無いという人は

「回復のために負荷をかける行為」を十分に行うことができないということになります。

例えば脚の骨を折ってしまったとすると、スクワットなどできるわけがありませんし、歩くにしても杖を突いてゆっくりと歩くことになります。脚の曲げ伸ばし運動をしようとしても動かせる範囲はごくわずかになるでしょう。

回復のためのトレーニングとして必要な「負荷」をかけられないのです。

 

そこに登場した方法が「意図的に腕や脚を縛る」という方法でした。そうやって意図的に血流制限をするというのは先ほど書いたように、筋トレで力を込めたときに起こる現象と同じことになります。

力を入れて力むと筋肉が収縮し血管が圧迫され血流が制限されます。血管が浮き出るという人もいるでしょう。そしてそこから力を抜けば圧迫された血管が解放され、再び血の巡りが起こります。

つまり加圧で起こる現象というのはそのまま普通の筋トレでも起こる現象なんです。しかし加圧の場合でしたら「ベルトを巻くだけ」なので、極端に言えば腕や脚にベルトを巻き、そのまま何もしないで少ししたら緩めるということをすれば良いということになります。

 

ですから

十分な身体活動ができない状態にある人に対して

コンディションを回復させるために有効な筋トレに等しい

「負荷の掛け方ができる方法」が

加圧トレーニングだということになります。

 

加圧はその意味で、非常に効果的であり革新的な発明、発見であったと言えます。

加圧トレーニングが流行ったのは「効果があるから」ではなくて「客が来るから」

あまり世間的には有名になっていませんが、

過去に大ブームとなった加圧トレーニングについて数年前から集団訴訟が起きており、おそらく2021年4月現在も係争中(既に済んでいるかも知れません)の様です。

と言っても「加圧トレーニングそのものがインチキだ!」という訴訟ではなく、加圧トレーニングの開発者や資格の管理団体などが世間的に謳う「加圧による効果というものが誇大広告だ」という主旨のもののようです。

この点はまた入念に調べていきたいと思いますが、ここでは加圧トレーニングについて実際に指導していた身としての過去の経験について書きます。

つまり私は過去に加圧トレーニングインストラクターとして加圧指導を行っていた経験があるということです。

既に何年も前に資格は失効してしまい、現在は行っておりません。

 

加圧トレーニング、つまり

腕や脚の付け根にベルトを巻いて血流を制限し

関節を動かして血管内に乳酸を溜め

圧を抜くことで一気に血流を促すこと

の効果についてはあらゆる実例が報告されているようなので、「一定の効果はある」ということは間違いなく言えます。

しかし、その効果というものの多くが「骨折をしてしまったアスリートの競技復帰」や「低体力の高齢者」あるいは「大きな手術を受けた後で身体を十分に動かすことができない」という状態にある人のリハビリ的な症例です。

この点に関しては加圧は本当に有効な運動手段であり、ダンベルや自体重などのトレーニングに欠かせない「負荷」として「血流を制限する」という方法が編み出されたことは発明だったと言っていいでしょう。

※この点については次回に掘り下げます。

 

ダイエット効果、脂肪燃焼効果もあると判断できますが、そもそも体脂肪を減らすためには食事コントロールが絶対に必要だという原則がありますし、ダイエット効果があった例として紹介される人というのは

日常的にウエイトトレーニングをしていて、

さらに定期的に減量する習慣がある人

または

その反対で普段はほとんど運動をせず好きなものを好きなだけ食べて太っている人のどちらかがその大半です。

 

前者の場合、

「加圧をしてみたらなんだかいつもより身体の絞り具合が良かった」と感じる人もいるようですが、既にトレーニング習慣が身に付いていて食事も自己管理が出来ているからこそ得られた効果とも言えます。

後者の場合は

加圧トレーニングを行うとなると大抵はトレーナーがその人に付いて指導をするパーソナルトレーニング形式になります。ですから加圧だけでなくなんらかの食事に関するアドバイスや改善が求められることになり、加圧の効果というよりも「加圧を始めることがきっかけとなってその人の生活習慣そのものが変ったことによる効果」といった方がより正しい言い方になります。

 

今から約10年前に加圧トレーニングはブームとなり、その指導資格保持者も激増しました。私もその一人でしたが、実際に指導者としての講習を受け、自分で加圧を実践してみるとわかるのは「これって要は筋トレと同じだね」ということです。

先ほど少し書いたように「筋トレ」とは筋肉を発達、成長させるために色々な手段で負荷をかける行為です。その負荷の掛け方の一つとして加圧するという方法もあるといった程度です。

おそらくほとんどのトレーナーがそのことを理解しています。

熱心に加圧をやり込んだとしてもメキメキと筋肉がついてくるというわけではないことは、2021年現在でも加圧トレーニングのみで身体を作ったというボディビルダーが現れていないことがそれを証明しています。

 

一般的には普通の筋トレのバリエーションの一つに過ぎない加圧ですが、ではなぜこれほどまでブームになり、みんなが指導資格を求めて群がったのかというと、ずばり「申し込みがあるから」、言い換えれば「稼げるから」です。

実にシンプルです。

 

パーソナルトレーナーという仕事は一般的にはどこかの専門機関や団体が発行する指導者資格を得て行うもので、素人でも一日で取得できてしまうような「資格を発行する側が儲けるために作った資格」もあればテキストを入念に読み込んで真剣に勉強しないと認定が得られないような上級資格もあります。

 

しかし、どんな資格を得たとしても世間一般、スポーツジムへ来る人達にその意味が分かるわけではありません。

そしてジム運営をする側のフィットネス社員たちは「商品をどうやって売るか」ということなぞ何も考えていませんから、ジム館内にはまるで「トレーナーの履歴書か?」といいたくなるような紹介ポスターしか張りません。それで申し込みがあると思っているのです。

 

トレーナーは自慢げに保有資格としていろいろな名前の資格名をプロフィールに記載しますが、その意味が分かる人などいるわけもなく、集客に頭を悩ませることになります。現在も同じ状況にいるトレーナーは多いでしょう。

 

そんな中で、プロフィールにこれさえ書いておけば自分から面倒な営業活動をせずともトレーニング指導の申し込みが来るという資格が登場しました。

それが加圧トレーニングだったのです。

 

加圧トレーニング開発者の佐藤義昭さんという人は非常に上昇志向の強い性格なようで(実際にはわかりませんけど)、加圧というメソッドについて東大の教授と共に研究し、ゴルフのシニアプロだった杉原輝雄さん(既に亡くなられています)や藤原紀香さん、杉本彩さんなどへお願いして加圧トレーニングの広告塔になってもらうなど、とにかく加圧という方法で天下を取ろうと動いていました。

今ではどうなったか知りませんが、以前に私が受講しに行った講演会では米軍やNASAに加圧を売り込みに行ったという話もしていました。

 

ただ、開発者のそういった熱心な(野心的な?)活躍のお陰で加圧はテレビや雑誌といった当時の主流メディアで取り上げられるようになりました。

また、お笑い芸人みたいなよくわかないタレントのヒロミが加圧トレーニングジム経営をしていることが世間的に知られるようになったこともあり、

末端のパーソナルトレーナーたちにも「営業不要で客が来る」という甘い汁が垂れてきたことは事実です。

あまり知られていませんが、高島礼子高知東生夫妻(当時)も加圧ジムを経営していたことがあります。

 

フィットネスクラブ館内にプロフィールを張っても

一日中施設の中で営業活動をしても

全く客が来ないまま棒立ちで過ごすという日々から

加圧トレーニングができるとなると途端に申し込み殺到です。

 

だからみんなが加圧トレーニング資格を欲しがりました。

だから加圧トレーニングは流行ったのです。

効果はまあさておき、単純に売れるから、稼げるからです。