スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

「有酸素運動」は「脂肪燃焼」のためのものではない

すっかり定着した「脂肪燃焼」という言葉があります。これについては明日、詳しく解説していきますが

その脂肪燃焼とセットになっているのが「有酸素運動」です。

この言葉もすっかり定着しました。

運動習慣、経験のない人でも「有酸素運動」がどんなものか、だいたい想像がつきますし、「有酸素運動をしましょう」といきなり伝えても言葉の意味を理解してくれます。

 

しかし、ダイエットについて、文字通り「脂肪を燃焼させて」体脂肪を減らしていくことを一番に考えると有酸素運動というのは効果的な運動とは言えません。

筋トレの方が効果的です。

一番効果的な方法は「食事コントロール」です。(”食事制限”と書くと何か食べることを我慢するような辛い表現になるのであまり好きではありません)

 

では「有酸素運動」とはそもそもどんな運動なのかというと

心臓・血管系の運動なのです。

フィットネス業界の人やスポーツトレーナーは有酸素運動を「カーディオ」と呼びます。「cardio」とそのまま辞書を引けはいいことなのですが「心臓の~」という意味があります。まさに「心臓のための運動」が「有酸素運動」なんです。

 

心臓を鍛える ということですね。それによって様々な良い効果を得ることができます。まず、血液が綺麗になるということですね。

有酸素運動で心拍数が上がるということは、心臓がドクドクと活発に動くことを意味しています。そうすれば全身を流れる血液のめぐりが活発になります。

人の身体は肝臓といわばフィルターのような臓器で血液の中から有害物質を取り除いて、さらに腎臓でもフィルターを掛けてというダブルチェックのような機能で血液を綺麗にしていくわけですが、血の巡りが盛んになれば、肝臓・腎臓への血流も増えるわけで、当然そこを通る血液はそのフィルターを通ります。

 

高脂血症、高コレステロールなどどいうのはつまり血の中に過剰に脂分が溶け込んでいる状態ですから、この血がどんどんフィルターを通ればその分だけ血液は綺麗になっていきます。そうやって血がドロドロの状態からサラサラになっていけば、少ない力で血液を体中に送れるようになる=血圧が下がるというわけです。

 

血液が綺麗になる+心臓も鍛えられる=体が疲れにくい、ちょっとしたことで息が上がるようなことがなくなるということですから、

「求心」のような薬なんか飲むより、ずっと安全に、自分のペースで健康を作っていけるわけです。

 

この過程で、オマケのように付属してくる要素が「体脂肪が減ること」つまり「脂肪燃焼」なわけです。

いくら走ってもやせない!と困っている人がいたらある意味正解なのです。

とはいっても有酸素運動は全くダイエットにまったく無意味というわけではありません。運動しないで好きなものを好きなだけ食べてゴロゴロしている状態よりは、有酸素運動をしている身体の方が、体脂肪は低くなります。

 

厳しく言えば「その程度の痩せ効果で終わり」とも言えますが。