スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

改めて、「自律神経とは何か」の確認②

前回に続き、自律神経についての話を続けます。

 

自律神経の一つである副交感神経は免疫にも大きく関与しています。

季節の変わり目や異常な暑さ、または今年10月の台風といった
物理的なストレスの他、悩み事や仕事などで気を張りすぎたというような内部からのストレスなど、我々は日々の生活で大なり小なりストレスにさらされているのですが、そういった時に優位になるのは身体を緊張させる「交感神経」です。

 

交感神経がもたらす緊張がどこかで緩み、副交感神経のリラックスモードに
なれば良いのですが、何日も暑さが続くとか今年のように立て続けに台風が来て被害を受けるというような「気が休まる時が無い」という状況が続くと、免疫力は低下してしまいます。

 

もっとも影響が出やすいのが粘膜です。
口内炎ができたり、目が充血したり、のどが痛くなったりというのは風邪の症状でもありますが、これらは免疫力が下がった影響によるものですね。

病気の大半はそのように交感神経優位の状態が持続することで免疫力が下がって起こるものと考えていいようです。

 

反対に副交感神経が優位になっている時というのは免疫力は上がります。
この場合は副交感神経が直接的に何かをするというよりかは交感神経による緊張の反作用で下がった免疫力が高いレベルまで跳ね返るというのが正しい表現になります。

 

筋トレを年がら年中やっているボディビルダーや格闘技などハードなスポーツの練習をしている人などはその見かけとは反対に頻繁に風邪を引くのですが、それはまさに
十分な休養を取らずに身体にストレスばかりかけ続けているからに他なりません。

 

ポイントなるのは「自律神経のバランス」です。

 

免疫力が高まるならば常に副交感神経を優位にさせておけば良い
と考えてしまいがちですが、その為には交感神経が優位になる状況を作って適度なストレスを身体に感じさせることが必要になるのです。

常にストレスにさらされ続けるのは体に悪いのですが、
常に楽で居続けていては、これまた体に悪いということになるんですね。

 

免疫に関わるのは血液中の白血球うちの顆粒球とリンパ球の割合であり

緊張状態の交感神経優位時には顆粒球がリラックス時の副交感神経優位時にはリンパ球が増えるということで免疫力のバランスが保たれています。

緊張状態が続き、顆粒球ばかりが活性化しているとそれによって起こるのが炎症でした。目の充血や口内炎などの症状でしたね。
単純に考えれば、顆粒球の活躍を抑えめにしてあげて、リラックス時のリンパ球を積極的に増やしてあげればいいのではと思ってしまいますが、やはり人体は上手くできているようです。

 

副交感神経優位の状態が長く続く、つまりずっとリラックスした状態が続き
リラックスを超えて「ダラケ過ぎ」のような状態になると今度はリンパ球の方が過剰になってしまうようです。この時に自覚症状として現れてくるのが「アレルギー症状」なのだとか。

 

私の場合はアレルギー症状でくしゃみはや鼻水が出ることがありますが面白いことに、出ない時は全くと言っていいほどそういった症状が出ず、一方で特に何かしたわけでもないのに急に前触れもなく症状が出だし一旦そうなると、しばらくつらい状態が続きます。
花粉症の症状などもある日突然出現するように発症しますよね?

こういった症状はリンパ球が体内で過剰になっていることによる免疫の過剰反応なのだとか。

 

顆粒球が増えすぎると炎症、リンパ球が増えすぎるとアレルギー、
どちらも厄介で常にバランスを取り続けなくてはいけないことに少し面倒さ
を感じてしまいますが、それだけ人間の免疫力というのは少し偏ると自分自身を傷つけてしまうくらい強力なんだということです。

ポイントは毎日の生活の中て適度な緊張とリラックスが繰り返され、自律神経のスイッチ切り替えがうまく行われることにあります。

部屋に籠もりっきりでぬくぬくしてばかりいても体調を崩してしまうことになりかねません。

一日に1回は家の外に出て、身体を少し緊張モードにさせることも体調キープには有効なんですね。

 

改めて「自律神経とは何か」の確認

今年も11月、年末と言っていいシーズンに入りました。

 

この時期はとにかく風邪やインフルエンザなどに注意する時期、体調を崩さないように注意しなくてはいけない時期です。

 

体調の乱れというと「自律神経の乱れ」という言葉を

よく目にしますが、それっていったい何なんでしょうか?

分かっているようでわかってない自律神経というものについて自分自身の再学習のつもりで確認していきたいと思います。

 

そもそも自律神経とはどこにあるのでしょうか?
非常に端的に書けば、「背骨の中」ということになります。

脳の中から尾骨(一般的には「尾てい骨」と呼ばれます)まで、
いわゆる後頭部からお尻の所まで、背骨の中を

縦に走っている神経が2本あり、それぞれが交感神経と副交感神経、二つ合わせて「自律神経」と呼ばれます。

 

たったこれだけであってもそれを知れば
「背筋が伸びた正しい姿勢を保つこと」や

「姿勢を保てる筋力をキープし続けること」が自律神経へ余計な負担をかけないことへ繋がりコンディションキープに役立つことがわかるかと思います。

 

そして「自律神経とは何をするのか」というと
こちらも端的に書けば「体内の環境を整える」になります。

自律神経は内臓や血管など、体内の臓器やその他の組織全てをコントロールしていて
その最大の特徴は「常に独立して働き続けていること」、つまり意識的に動かすことができないということです。

 

例えば、何か物を食べたとして、それを消化させないで
しばらく胃の中に入れておくということを意図的にはできませんし、
いくら「汗をかこう!」を意識して力を入れても自分の意志で汗を出すことはできません。

 

自律神経は何らかの刺激に対する反応で働きます。
口の中に食べ物が入ってくれば唾液が出るというように
光、音、モノに触れる、何かを見る、など様々な刺激に対して
それぞれどんな反応が生命維持のため必要、適切であるかを判断して
執り行っているのが自律神経なのです。

風邪などを引いて体調を崩すと「普通の状態」でいることの
ありがたさを感じるものですが、その裏には自律神経の絶え間ない仕事ぶりが
あるということなんですね。

 

自律神経の一つは「交感神経」です。

交感神経とは簡単に言えば身体を興奮させる作用をする神経です。
興奮というと少し大げさですが、主に日中に身体をシャキッとさせて
活発な動作を行うため、目が覚めた状態にさせるものと考えればいいかと思います。


目が覚めた状態になるためには全身に血液が行き届いている必要があるため
心臓がドキドキと活動的に動き、血流量を増やします。
脈拍や心拍数、そして血圧も必然的に上がることになります。
目の瞳孔も開いてより多くのものをしっかりと見ることができる状態になります。

現代人の我々にとってはもはや命を懸けて狩りをして獲物を取ってくる
という必要性はありませんが、交感神経の「興奮」や「緊張」という作用が
仕事に取り組んだり何かを考えて作り出すといったことに対して、
集中力を高めるために役立っているということになります。

フィットネスクラブで運動する、特に筋トレをするというのはまさに交感神経全開なんですね。

基本的なことですが、これを踏まえると
「自宅でエクササイズをする」ということが思いのほか難しいことがわかるかと思います。

自宅というのは多くの人にって「リラックスの場」です。
交感神経を休めてダラダラ、ゴロゴロして過ごすのはある意味当たり前の空間なわけですが
そういった場で気持ちを切り替えて何かエクササイズをするというのは
考えている以上に労力がいる行為なのです。

通販等でエクササイズ器具を買ってはみたものの
すぐに使わなくなって自宅に置きっぱなしになっているという方は多いかと
思いますが、交感神経を働かせない場でその反対の作用を起こそうとすることが
難しいからという言い方もできるんですね。

 

もう一つ自律神経は「副交感神経」です。

副交感神経が働いている状態というのは「リラックスしている状態」です。
心臓の動きが穏やかになって、気持ちも落ち着いている状態ですので
脈拍や血圧も抑えめになり、筋肉も緩んだ状態になります。

また、内臓の動きが活発になり蠕動運動(ぜんどうんどう)という
蛇がニョロニョロと動くような"うねり動作"が促されます。
これによって食べたものを消化し、栄養素を吸収しながら
腸へと送っていくことができるわけです。
「食休み」という言葉がありますが、食事をした後はすぐに動くよりも
少しじっとしている方が消化と吸収が促され、胃腸への負担にもなりません。

 

究極のリラックス状態、つまり副交感神経が
100対0とも言える割合で優位になっている状態とは睡眠です。
ですから、入眠の良し悪し、眠りの深さ、目覚めの良さなど
眠りに関するそれぞれの状況によって自分の自律神経が
交感、副交感のうちのどちらが優位になっているか、
切り替えがスムーズにできているかを判定する指標にもなるわけです。

リラックス状態を作るというと一見、ただゴロゴロしていれば大丈夫
というように簡単にできそうな印象がありますが
副交感神経を働かせるために必要なことは相反作用がある交感神経を
一日の中で働かせること、つまり一日に一回はシャキッとする状況を
作り、生活の中にメリハリを持たせることが適切な休息のためには非常に重要になります。

 

身体をリラックスさせる方法はネット検索すれば無数にヒットしますが
ある程度の緊張感や疲労を身体が感じることが、すべての前提として
無ければ、あらゆるリラックス方法を試してみても実感する要素が
少ないものになる場合も多々あります。

身体を休めるためにも、緊張が必要なんですね。
筋トレをするというのはその意味でも非常に効果的であると言えます。

 

次回にもう少し続けてみます。

アナボリックステロイド論争

ここ数か月で主に筋トレユーチューバー、フィットネス系ユーチューバーたちの間ではアナボリックステロイドに関する意見動画が流行してきています。

あの有名人はステロイドを使っているのかどうか、また実際にステロイドを使ってる人にインタビューするような動画もありますね。

少しネット検索すれば誰でも簡単にアナボリックステロイドは購入できてしまうし、そもそもステロイド剤とはホルモン剤ですから、ホルモン系由来の不調に悩む人には必須の薬でもあるわけです。

 

フィットネスに長く携わっている我々や、昔からボディビルをやっている人であれば「アイアンマン」などの海外ボディビル雑誌に登場するビルダー達の異様な体つきを見て、彼らがステロイドを使用していることは「見ればわかる」というほど当然のものとして流していましたが、筋トレ系ユーチューバーたちの台頭によってそんな雑誌など見たこともない人たち、フィットネスに興味がなかった人たちも筋トレをするようになってきた影響で、改めてステロイドというものが論争になり、実際に使用している選手も多いのではないかと個人的には考えています。

 

すっかり有名になったカネキンやJINさん、サイヤマンなどの動画を見て筋トレを始めたという人は今の10代~20代には多いのだろうと思われます。

そしてユーチューバーたちが日々公開する食事法、サプリメント、筋トレ法を参考にトレーニングをしているのでしょう。山本義徳さんのブレイクもあって彼らが紹介するサプリメントは軒並み販売サイトから売り切れになります。

 

しかし、まじめに筋トレをしていても「あれ?」と感じる時が来るのだと思います。というのは何をどうやっても筋トレユーチューバーたちのような体にはならない、筋肉がついてこないのです。

食事法も変えて、しっかりサプリも取り、筋トレもしているのに、なぜあの人はあんなに身体が大きくなるのに、自分は変わらないのだろう、という疑問を感じるようになります。

特にぷろたんやカネキンは筋トレを本格的に始める前から動画で自分たちの姿を公開していますから、彼らの以前の体つきと現在の筋肉の付き方はトレーニングと食事とサプリメンテーションだけではまねできないレベルです。

もちろん、体質という差もあるのかも知れませんが、頑張ってトレーニングしているのに、一向に筋肉がつかない、付かないとは言わないまでも、ユーチューバーたちのようなスピードで発達していかないことに納得ができないと思う人が出てくるのは自然な事です。

 

そして行きつく先はステロイドということになるのでしょう。

NPCJなど、ステロイド使用を黙認しチェックをしない団体のコンテストも今では数多くありますし、そんな大会に出なくてもマッチョボディを自撮りしてSNSに上げればウケるわけですから、効率を考えればアナボリックステロイドが筋肉をつけるために最も手っ取り早い方法になります。

 

EAAとならんで裏サプリとして流行するのはある意味で当然だと言えるでしょう。

ダイエットとは、薬物依存からの脱却?

糖質制限ブームが続き、ケトジェニックダイエットが

賛否両論ありながらもダイエットの主流になってきているのではないかと感じます。

 

食べ方、食べ物、調理法、食べる順番、時間帯など、

特にTwitter上ではあらゆる健康情報館関連サイトなどが

「太りにくい食べもの」「食べ方」などということで

そういった情報を毎日のように流してくれていますが、「痩せるなら食べる量を減らすこと」という原則は変わりません。

何をどうやってもお腹いっぱい好きなものを食べて、それでいて痩せようとすること、つまり食べた量のカロリーを上回るほどの運動量でエネルギーを消費してダイエットしようとしても、それは毎日フルマラソンをするといったほどの運動をしなくてはいけないことになり、現実的ではありません。

加圧トレーニングなどは一見少しくらい食事がルーズであってもそれを超えるような脂肪の分解と消費をしてくれるかのような印象がありますが、実際はやっぱり食事がちゃんとしていないとダメです。

 

しかし、ダイエットはある意味で簡単です。

「太る要素がある食べ物を口にしない」

これが全てであり、これができれば誰でも痩せることができます。とは言え、多くの人がそれができないでいることも事実です。「頭ではわかっているけど、ついイケナイモノに手が伸びてしまう」というのは薬物やアルコールなどの依存症に近いものがありますし、実際に「現代人は糖質依存だ」と主張する医者も多くいます。

 

美味しいものは太りやすい、ということも事実です。

美味しさというのは端的に言えば「砂糖」であり、「砂糖に塩を混ぜた味」がその正体ということになるでしょう。

スナック菓子やせんべい、ファストフードの品々も甘さと塩味たっぷりのものです。それによって一度それらを口にするとどうしても「後を引く」ということになり、食べかけにしておいて後で残りを食べるということがむしろ難しくなるほど全部食べ切ってしまいます。

玄米や野菜は残すという子供は多いでしょうが、ハンバーガーを食べ残して後でまた食べるという人(大人も子供も)はほとんどいないでしょう。

ある意味で麻薬的に人を引き付ける味付けになっているのが「美味しい食べもの」あり、それらが「太りやすい食べ物」になるわけです。

 

ダイエットとは、そういった食べ物から離れることであり、または食べる時期やタイミング、量などを自分でコントロールできる状態になることですから、まさに依存症から脱却することそのものということになります。

 

薬物関連で逮捕された芸能人は再犯で逮捕されてしまうことが大半ですが、それは本人の意思が弱いという以上に、それほど薬物の依存性が強烈であるというほうが正しいようです。

「美味しくて太りやすい食べ物」も全く同じです。

辞められなくて当たり前なのがそういった食べ物なのです。

 

あらゆるダイエット法とは、そんな依存状態をどう誤魔化すかということに過ぎません。根本的に脱却することができない限りはダイエットという的をカスることはできても、ど真ん中を射抜くことにはならないのです。

 

「食べたい」という欲求、禁断症状のような気の狂いと戦うことがダイエットです。ですから多くの人がなかなか痩せられないわけなんですね。

太るのは調味料?

ダイエットするなら、炭水化物カットや糖質を摂らない
という概念はまだまだ浸透していない面もありますが、

興味を持った人たちがあらゆる情報に簡単に

たどり着くことができるようになったため、痩せるために炭水化物を摂らないようにしている、夜の炭水化物は控えているという人も増えてきました。

 

正確に言えば、「炭水化物」とはむしろ積極的に摂取すべきもので徹底的に避けるべきは「糖質」です。この感覚は少しややこしいのですが、知っておくと非常に便利な知識です。

 

炭水化物というと一般的にイメージされるのが
白米、麺、パン、お菓子類といったものに

なるかと思います。そういったもの=白い炭水化物は

血糖値を急上昇させるためその血糖値を下げる過程において糖が脂肪として身体に取り込まれるため太る、だからそういったものを食べないことが
太る食べ方を避けるということになります。

この考え方に間違いはないのですが、もう少し踏み込んで考えてみましょう。


youtubeを中心に大ブレイク中の山本義徳さんによると
血糖値を急上昇させやすいと考えられがちな白米と
血糖値が急上昇しない=太りにくいと考えられがちな玄米では食後血糖値の上昇具合にそれほど大きな差はなかったということです。
特に冷えた米であればレジスタントスターチ

という吸収されずに体外へ排出される糖も増えるため、思っている以上に「炭水化物」というのは血糖値を急上昇させるものでもないものです。

しかし、それでもコンビニのおにぎりやパンというものは太りやすい炭水化物になりますが、それは米と小麦だからということではなく
そこに味付けされている塩や砂糖の量が非常に多いことにその理由があります。

 

太りやすくなっているのは米やパンそのものにあるのではなく「調味料」ということですね。
なにも味付けしないおにぎりを自分で一つ作ってみて
コンビニのおにぎりと比較してみると、その差は歴然で、こんなに濃い味付けだったのかということに気が付きます。

そして濃い味付けになっているモノは多量の糖と塩を含んでいますから
一口食べるとその強烈な「後を引く感覚」でそれこそ一定の血糖値まで上がらないと
満足しないほど立て続けに食べたくなります。
これによってその商品のリピーターになるわけですね。


ボディビルダーの減量時の食事を改めてみてみると
味付けが薄い、または味付けが無いままに食材を食べていることがわかります。

ささみと茹でただけ、ブロッコリーを茹でただけ
豆腐をそのまま食べる、その他生野菜、玄米、

オートミールなど素材をそのまま味付けせずに食べているんですね。

太るのは炭水化物というよりも「糖」、そしてその糖を過剰なまでに含んでいるのが「調味料」であって
それによって味付けされたコンビニ食品や外食は
やっぱり太りやすい食べ物になるわけです。

加圧トレーニングが「そんなでもない」ということに実はトレーナーは気が付いている

今流行りの暗闇ボクシングや

ヨガ、ピラティスなどの特定種目スタジオに

ライザップも含めたパーソナルジムなど、フィットネス業界では細分化が進んでいます。

これまでは大きな施設のクラブにそれこそ「なんでもあった」ものですが、シャワーだけで十分、もしくはそれすら不要、広いロッカールームも不要という人も多くいたということなんでしょうね。

 

そんないわゆる個人ジム、小型ジムの先駆けが加圧トレーニングジムです。

加圧についてはネット検索すればいくらも情報がヒットしますし、今や無数の加圧ジムが至る所に存在しています。

しかし、それらのジムにかつてほどの勢いがあるのかというと、そうでもないという印象を受けます。

同じ経営者が運営する同系列店が以前ほど増えていくこともなく、何かにつけて更新されていた各店のスタッフブログも文章量がどんどん少なくなり、もはや「写真で一言」といっていいほどになっていたりします。

 

もっとも、加圧トレーニング自体が廃れてしまったということはなく、

一定数の利用者が加圧を気に入っている

または何らかのメリットや「自分には合っている感じがする」と

いう人が定着して加圧を続けているという見方もできるかと思います。

 

それでも、かつてほどの勢いがなくなってしまった根本というものは、実は加圧トレーニングを指導する側のトレーナー達にあると私は思っています。

 

加圧トレーニングというのは血流を制限して筋トレや体操(人によってはウォーキングなどもすることがありますが)をすることで体内に乳酸を蓄積させ、

それが刺激となって成長ホルモンの分泌の促され

・筋力や筋肉量の増加

・体脂肪の減少

・美肌、美髪などのアンチエイジング効果

・骨折や靱帯損傷などの怪我や不調からの早期回復

といった様々なメリットが得られるトレーニング方法なわけですが、実際にある程度やってみても「そんなでもない」というのが正直なところで、一番効果を感じられるのが「怪我や不調からの回復」です。

 

加圧トレーニングを指導する側の人間、つまり加圧トレーナーたちはその資格取得のために自らも加圧トレーニングを実践することが求められますが、しばらくするとみんなフェードアウトしてしまいます。それはまさに加圧を続けてみても「そんなでもない」ということを肌で感じるからに他なりません。

 

まずトレーナーであれば、

加圧の効果として期待するのは筋肉への刺激です。

通常の筋力トレーニングよりも、または通常のトレーニングと同じくらいものが加圧で得られる、つまり筋力が向上し、筋肉量が増えるということなら、軽い重量を扱う加圧は楽ですみますからトレーナーたちはもうこぞって腕と脚に加圧ベルトを巻きまくるはずですが、実際にそんな人を見る方が稀です。

効率よく筋肉がついていくのなら「加圧トレーニングだけ」で身体を作ってきたボディビルダーやフィジーカーが現れてもおかしくないはずですが、そんな人ははっきり言って、存在しません。

レーニング方法の一つとして加圧を取り入れている、ということはありますが、それをメインにしているということはありません。

結局、筋肉をつけていくなら普通に筋トレをしたほうがずっと効率的なのです。

 

体脂肪減少、ダイエットという点についても

「加圧だから普通の運動よりも痩せる」ということはありません。

なぜならダイエットをするなら結局、食事をコントロールするしかないからです。加圧に限らず、あらゆる運動やスポーツをダイエット目的で始めたとしても、食べ物や食べ方が変わらない限り結果は同じであって、

「加圧だから少しくらい食事がルーズになってもそれを上回る勢いで脂肪が落ちていく」ということはではないのです。

 

アンチエイジング効果についても同様です。

成長ホルモンが新陳代謝を促して肌や髪の入れ替わりを促進するということは理屈として考えられますし、それに間違いはないのですが、アンチエイジングを考えるならばまず目を向けるべきは自分が体内に取り込んでいるもの、つまり食事です。

糖が過剰な食習慣、タバコ、食物繊維が不足し腸内環境が整っていないお腹、といったものを改善させていくことの方が割合的には重要で、加圧トレーニングがしてくれるのはその後押し程度のものなのです。

 

怪我からの復帰となると話は別ですが、日常的に怪我ばかりしているわけではありませんからね・・・。

 

加圧トレーニングを実際にやってみて継続しても

・そんなに筋力が上がらない

・そんなに筋肉量も増えない

・そんなに体脂肪も減らない

と、加圧トレーナーの多くが実は気が付いているのです。

 

全く効果が無い、ということではありません。

「加圧さえしていれば他は気にしなくても大丈夫だ」

ということではないんです。

 

加圧は特別ではありません。そんなでもないのです。

 

「稼げそうだから」でフィットネスを始めるのは個人も企業も同じ。

ここ最近は(と言ってもほぼ月1ペースになってますが)パーソナルトレーナーの現状や今後についての考えを書くことが多いですが、それだけ目に見えてフィットネス人口が増えてきている、というかファッション感覚で筋トレをする人が増えてきていると感じます。

 

それはそれで良いことなのは確かです。

同機はなんであれ、筋トレは健康には欠かせない要素ですし、身体を鍛えておくことになんのデメリットもありません。広い視点で見れば、膨張し続ける医療費の削減にもつながります。

 

しかし、なんとも複雑な心境になるのは、筋トレや運動が「落ちぶれたタレントの再浮上手段」になっていたり、「知名度がないモデルたちの宣伝ツール」になっていることです。

武田〇治という俳優さんは今やすっかり筋肉タレントになっているようですが、完全にロングブレスの美木〇介と同じようなものです。

その他にもインスタグラムでフィットネス関係の言葉で検索を掛ければ、誰だこの人?というほどあまり名前は知られていないけど、非常に綺麗な容姿をしている女性モデルさんたちが「筋トレセクシー写真」を連日挙げてくれていて、フィットネスモデルとして活躍しているようです。

筋トレが都合のよい食い扶持になっているんですね。

 

そしてこの構図は有名、無名問わず個人だけにとどまりません。

 

今やあらゆる企業が「ヘルスケア事業」としてフィットネスへ参入してきています。有名なところではコンビニのファミリーマートが24時間型のフィットネスジムを始めていますね。

「当初は5年後をめどに300てんぽをめざす」と代表はいっていたそうですが、その割にはファミマジムを実際に目にすることは「ゼロではない」程度です。

 

その他、あらゆる業界からフィットネスへの参入の動きがありますが、それらはまさに「落ちぶれたタレント」や「イマイチ売れないモデル」と同様に、元手がかからずに営業ができるからという理由でフィットネスを始めているに過ぎないと言えます。

 

フィットネス以上に儲かるものがあればすぐにそちらに鞍替えしてしまうでしょうし、何かまた新しいスポーツや、自己表現の手段が流行りだすと、盛んにフィットネスボディを売りにしているタレントたちも一気に手のひらを返していくことになるだろうと考えています。