今流行りの暗闇ボクシングや
ヨガ、ピラティスなどの特定種目スタジオに
ライザップも含めたパーソナルジムなど、フィットネス業界では細分化が進んでいます。
これまでは大きな施設のクラブにそれこそ「なんでもあった」ものですが、シャワーだけで十分、もしくはそれすら不要、広いロッカールームも不要という人も多くいたということなんでしょうね。
そんないわゆる個人ジム、小型ジムの先駆けが加圧トレーニングジムです。
加圧についてはネット検索すればいくらも情報がヒットしますし、今や無数の加圧ジムが至る所に存在しています。
しかし、それらのジムにかつてほどの勢いがあるのかというと、そうでもないという印象を受けます。
同じ経営者が運営する同系列店が以前ほど増えていくこともなく、何かにつけて更新されていた各店のスタッフブログも文章量がどんどん少なくなり、もはや「写真で一言」といっていいほどになっていたりします。
もっとも、加圧トレーニング自体が廃れてしまったということはなく、
一定数の利用者が加圧を気に入っている
または何らかのメリットや「自分には合っている感じがする」と
いう人が定着して加圧を続けているという見方もできるかと思います。
それでも、かつてほどの勢いがなくなってしまった根本というものは、実は加圧トレーニングを指導する側のトレーナー達にあると私は思っています。
加圧トレーニングというのは血流を制限して筋トレや体操(人によってはウォーキングなどもすることがありますが)をすることで体内に乳酸を蓄積させ、
それが刺激となって成長ホルモンの分泌の促され
・筋力や筋肉量の増加
・体脂肪の減少
・美肌、美髪などのアンチエイジング効果
・骨折や靱帯損傷などの怪我や不調からの早期回復
といった様々なメリットが得られるトレーニング方法なわけですが、実際にある程度やってみても「そんなでもない」というのが正直なところで、一番効果を感じられるのが「怪我や不調からの回復」です。
加圧トレーニングを指導する側の人間、つまり加圧トレーナーたちはその資格取得のために自らも加圧トレーニングを実践することが求められますが、しばらくするとみんなフェードアウトしてしまいます。それはまさに加圧を続けてみても「そんなでもない」ということを肌で感じるからに他なりません。
まずトレーナーであれば、
加圧の効果として期待するのは筋肉への刺激です。
通常の筋力トレーニングよりも、または通常のトレーニングと同じくらいものが加圧で得られる、つまり筋力が向上し、筋肉量が増えるということなら、軽い重量を扱う加圧は楽ですみますからトレーナーたちはもうこぞって腕と脚に加圧ベルトを巻きまくるはずですが、実際にそんな人を見る方が稀です。
効率よく筋肉がついていくのなら「加圧トレーニングだけ」で身体を作ってきたボディビルダーやフィジーカーが現れてもおかしくないはずですが、そんな人ははっきり言って、存在しません。
トレーニング方法の一つとして加圧を取り入れている、ということはありますが、それをメインにしているということはありません。
結局、筋肉をつけていくなら普通に筋トレをしたほうがずっと効率的なのです。
体脂肪減少、ダイエットという点についても
「加圧だから普通の運動よりも痩せる」ということはありません。
なぜならダイエットをするなら結局、食事をコントロールするしかないからです。加圧に限らず、あらゆる運動やスポーツをダイエット目的で始めたとしても、食べ物や食べ方が変わらない限り結果は同じであって、
「加圧だから少しくらい食事がルーズになってもそれを上回る勢いで脂肪が落ちていく」ということはではないのです。
アンチエイジング効果についても同様です。
成長ホルモンが新陳代謝を促して肌や髪の入れ替わりを促進するということは理屈として考えられますし、それに間違いはないのですが、アンチエイジングを考えるならばまず目を向けるべきは自分が体内に取り込んでいるもの、つまり食事です。
糖が過剰な食習慣、タバコ、食物繊維が不足し腸内環境が整っていないお腹、といったものを改善させていくことの方が割合的には重要で、加圧トレーニングがしてくれるのはその後押し程度のものなのです。
怪我からの復帰となると話は別ですが、日常的に怪我ばかりしているわけではありませんからね・・・。
加圧トレーニングを実際にやってみて継続しても
・そんなに筋力が上がらない
・そんなに筋肉量も増えない
・そんなに体脂肪も減らない
と、加圧トレーナーの多くが実は気が付いているのです。
全く効果が無い、ということではありません。
「加圧さえしていれば他は気にしなくても大丈夫だ」
ということではないんです。
加圧は特別ではありません。そんなでもないのです。