昨日の続きを書いていきます。
特に何かしたわけでもなく、関節に負担を掛けるようなこともしていないのに「関節が痛くなる」理由の2つ目、「人体は常に何かしている」についてです。
「何もしていないんだけど痛い」といういう人の「何もしていない」とは
「関節を動かすことをしていない」という意味で話していることが大半です。
動かしていないのに、なぜか、痛い、それで「なんでだ!?」と思うわけです。
しかし、関節の動き以外にも人の身体は「何かしらの変化」をしています。
血液を通じて全身へ酸素を送る、全身へ栄養素を送るといったことをして
細胞を入れ替えて常に新鮮な状態を保とうとします。
それによって古くなった皮膚が垢として身体から離れていくので
身体を洗うと垢が出るわけです。
この他に、実際に垢などの見える形での古い組織は見られませんが、骨や筋肉、人体や関節周囲の組織も「常に入れ代わっている」のです。
その他、体温やストレス調整、ホルモンバランス、睡眠など、あらゆることを「常に行って」います。それによって「特に体に異常がない状態」をキープし続けているのです。
その人にとっての「何もしてない」はその人の身体にとって「必死に”何でもない状態”を作り続けている」ということになります。
冷蔵庫などがまさに良い例です。
食べ物の鮮度を保つためには、常温ではなく「一定の低い温度下」に置いておかないといけません。つまり「意図的に良い状態を保とうとしなくてはいけない」ということです。こういった観点で体を見ていけば、少なくとも身体の痛みが出てきたときに慌てなくて済みます。
例えば
「何もしないで座っていただけなのに膝が痛くなった」ということがあります。
まず、”ただ座っていただけ”というのは”膝をずっと曲げっぱなしにしていた”わけですから、膝にとって良い状態ではないですね。
”膝にとっては良くない状態”ですが、ちょっと膝を曲げた程度ですぐに痛くなることがないようにその人の膝は”曲がった状態で痛みが出ないように頑張っている”ということになります。
「いつもは痛みが出ないのに何で痛くなるのか?」と思っても”膝に良くない状態を日常的にとっていれば、どこかで痛くなる時がくる”と考える方が自然です。
痛みが出ないように、適度に膝を伸ばしたり、負担がかからないように体重を減らしたり、身体を回復させるために十分な睡眠をとっていたり、栄養素をたっぷり含んだ食事をしていたり、こういったことができているかをまず振り返りましょう。
体調を崩して風邪をひくという例で考えてもいいですね。
ロクな食事をしていないでジャンクフードとエナジードリンクばかりの食事で、ロクに睡眠もとらずに夜遅くまで起きているような人は
その真逆の生活をしている人に比べたら「特に何もしてないのに」、「少し寒い思いをしただけなのに」、「風邪を引いてしまう」確率は高くなるはずです。
身体の痛みも同様です。
「常に何かをおこなって良好な状態を作ろうとするあなたの身体」に対して
「あなた自身はそれをサポートするようなことしていますか?」を考えましょう。
「何もしてません」と答えた人、いますか?
だから「痛くなる」んです。
「何もしてないのに知らない間に風邪をひく」ように、「何もしてないから知らない間に関節が痛くなる」んです。