運動指導をしていていつも非常に興味深く感じることは「筋肉痛」というものをどう考えているか、どういうものだと思っているか、ということです。
トレーニング実践者や運動大好き!という方は基本的に筋肉痛というもの大して「出ると嬉しい」という印象をもっています。
トレーニングをした感じがする、狙った筋肉に刺激が入った気がする、といったように「筋肉痛になったこと」が効果的なことができているように感じています。
筋肉痛が出たことにやりがいを感じてもらえるのはフィットネストレーナーとしては非常にありがたいし、指導がやりやすいし、話も早いのですが、それがどんどんエスカレートしていくと
「あれだけキツイことをしたのに筋肉痛が出ない」という状態になります。
そうすると 筋肉痛がでない=刺激が甘い(足りない)、筋肉痛が出るほどの運動でないと効果がない などというような感覚が芽生えてきてしまい、「もっとキツイものが必要だ!」「もっとハードトレーニングをしないと!」というように筋肉痛自体を追い求めるようになってしまいます。
反対に、運動習慣がない人や自己流の内容が甘いトレーニングを日々続けている人はトレーナーのアドバイスもの下でちゃんとしたフォーム(ストリクトフォーム)でのトレーニングをすると、大して思いダンベルやバーベルなどを扱っていないにもかかわらず、筋肉痛が出ることがあります。
こういった人たちの場合、筋肉痛はマイナスのイメージをもつもの、ケガや病気などをと同じような「身体の不調」として扱われます。
筋肉痛が出た!これは・・・・
(自分で気が付かないうちに)トレーニングをやりすぎてしまったんだ!
変な力の入れ方をしてしまったんだ
もっと軽めの重さから扱うべきだったんだ
というように、自分の運動不足や筋力不足を棚上げして、「自分に合っていない」と決めつける傾向があります。
基本的に筋肉痛というのは「証拠」です。
まったくやったことがない動きをした、普段持っている物・扱っているものよりも重いものを持った、など、「慣れてないことをした証拠」が筋肉痛です。
どうしても筋肉痛=筋トレによって出現するものというイメージがありますが、直接的に筋肉を大きくさせるような負荷がかからないような運動、例えばランニングやマラソンなどでも、普段から中長距離を走る習慣のない人がそれらの運動をやりだすと筋肉痛が高確率で発生します。
筋肉モリモリのボディビルダーがいきなりフルマラソンをしたら、絶対に翌日から2日後には脚に重度の筋肉痛がでます。
筋肉痛とは
良いもの なのか 悪いもの なのかで判断せず、
まずは「普段していないことをした証拠」として理解しましょう。
その上で、良し悪しを判断します。
この場合の判断とは、その人なりの捉え方でOKです。
例えば
その場で何も持たずに10回スクワットをしたら筋肉痛が出たとします。
理解A:こんなことで筋肉痛が出るくらい運動してなかったなんてダメだ!やらないと!
理解B:これはまだ自分にとっては強度が強い。すこしやり方を変えてみよう
といった具合です。
もっとも、一般的なフィットネスクラブに通われているほとんどの人にとって
「筋肉痛が出過ぎて運動ができない」とか「筋肉痛がなかなか抜けなくて鍛えたい部位のトレーニングができない」という状況になることはまずありません。
出たら「良かった」くらいに考えてどんどんトレーニングしてほしいものです。