トレーニングの個人指導であるパーソナルトレーニングでも、別料金が発生しないフィットネスクラブのスタッフの作業としても、「トレーニングメニューの作成」というのはフィットネスクラブでの代表的なサービスの一つです。
フィットネスクラブのトレーニングジムエリアで、どの順番でトレーニングを進めていけばいいのか、ウォーミングアップ・クールダウンにはどんなことをすればいいのか、などなど、その人に合ったメニューの作成というのはどのクラブでも行われていることです。
パーソナルトレーニングでもこのメニュー作成を依頼される方がおおいのですが、個人的にはこのメニュー作成というのは鬼門のような印象がある、いわゆる一か八かの掛けのような行為であると思っています。
まず基本的にメニュー作成ということについて考えていくとすこし変なのです。
フィットネスクラブでの「メニュー作成」というと、多くの場合「筋トレ」のメニューを示します。どの機械・器具をどのくらいの重さに設定し、何回くらいやるのか、ということをトレーニングメニュー記入用紙に書き込んでいくのが一般的ですが、一つ一つ紙に書き出していくという作業が入る習い事やスポーツは筋トレだけなのです。
ゴルフ、テニス、マラソン、野球、サッカーなど他のスポーツではその競技の練習内容を一つ一つ紙に書くということはあまりありません。
全体的な流れや注意点などは忘れないために何かに書いておくということはあっても、「素振りは〇回行う。次に球を〇球打つ、仕上げに〇分走る」などというように、練習内容・メニューを全て紙に書くということはほとんどないはずです。
そんなことより、大まかな流れだけ覚えてあとはどんどん練習しましょう!という話です。
ところが筋トレやジム内でのトレーニングとなると、一気に話が変わります。何を何回やる、何分間行う、どんな動作を・何回繰り返す、などということをどんどんシートに書き込んでいきます。
ベンチプレスやスクワットなど、トレーニングの名称がはっきりしているものならまだいいのですが、
この様な、なんとも言葉で表現することが難しい運動や動作を紙に書くのは大変です。簡単なイラストで表現することはできますが、細かいポイントまで書いていくと膨大な量になります。
私のパーソナルトレーニングを受けてくれた方で、過去に一人だけトレーニング中に行った動作の一つ一つを「それも書いてください。今のも書いてください。」というようにすべて紙に書きだすことを希望された方がいます。
お金を払っているお客様のご要望として何も問題はありませんが、
まるで講習会やセミナーに参加しておいて、壇上で話す講師に対して「あなたが話すこと、ボードに書くことを全て資料として私にください」と言われているような印象を受けました。
問題なのはそういったことではなく、そのようにメニュー作成を希望される方のほとんどが、一度メニューを作成すると、次からもうジムへ来なくなる というケースが非常に多いのです。これが本当に大問題です。
メニューを作成する
↓
「よし!自分がやるべきことがこれだ!」
↓
「今度来た時やろうっと!」
という思考回路ができあがり、「今度来た時」が「時間があるとき」に変化します。
そしてその「時間があるとき」が永遠に来ないまま、
「ジムに行ったときはこれをやればいいんだな!」というメニューだけがフィットネスクラブの中にある個人ファイル収納棚に保管され続けることになるのです。
ですので
メニュー作成 はギャンブルなのです。
作ったはいいけど、それっきり来ない人 が大半なのでね・・・・・。