フィットネスや健康、または筋肉をいかに効率的に付けていき、脂肪を落としていくかということを調べてくと、知らず知らずのうちに内臓の仕組みや栄養、神経の作用など様々な知識がついていきます。
栄養と一言で言っても調べれば調べるほど奥が深いもので、しっかりとした知識を持っている専門家からするとフィットネストレーナーの持っている知識なんてまだまだ浅いものだと言えるでしょう。
浅い知識と言っては失礼かもしれませんが、大まかな(基本的な)知識でも、日常生活においてフィットネスということとは直接関係がないことでも役立つことはたくさんあります。その一つとして「風邪」というものを考えてみましょう。
10月になり、季節の変わり目ということで風邪をひく人が増えています。恥ずかしい話ですが、私も若干風邪気味です。ですが、自分でなぜ風邪をひいたのかということはなんとなく理解していますし、フィットネストレーナー程度の知識でも対処できます。
風邪というものは基本的には免疫力の低下によって引いてしまうものです。
そして免疫力に関わるのが「体温」です。36℃~37℃くらいのやや高めの体温があれば十分な免疫力をキープできると言われていて、これを下回るとグッと免疫力が下がります。
では、体温に関連するものは何かというと「筋肉」であり、その筋肉を動かす「筋活動による熱の産生」というものが大きく関連しています。
ですから筋肉を増やす筋トレや、身体を適度に動かすこと=運動(筋活動)を日常生活に取り入れるというのはまさに風邪をひきにくい丈夫な体をつくることになります。
筋肉が少ない、運動量(活動量)が少ない、という要素がある人というのは何かにつけて体調を崩しがちです。
具体的に書き出すと、
「体脂肪の多く、1日中家の中でゴロゴロしてしまう日が週に二日程度ある女性」です。男性の場合も同様ですが、女性に比べて筋量が多いため、女性よりはやはり丈夫です。
筋肉があること=風邪をひきにくと捉えてもいいですが、もう少し踏み込んでいくと、「体温の調節が自分でできるかどうか」ということになります。
筋肉の活動による熱産生だと先ほど書きましたが、筋肉を動かしているのは「神経」です。
代表的なものが、身体を緊張状態にさせる交感神経とリラックス状態にさせる副交感神経です。様々なメカニズムがありますが、大きく分けてこの二つが「オン・オフ」の切り替えを素早く行うことによって人体は体温をキープしています。
強烈に寒い日などに勝手に身体がぶるぶる震えるのは交感神経の作用で無意識的に筋肉を動かして体温を上げようという作用です。
また、ちょうど今日くらいの時期は季節の変わり目ですが、季節が夏や冬など、気温がほぼ一定で変わらない状態になると、風邪をひく人は減ってきます。
気温が安定することで体温調節がやりやすくなるためだと考えられます。
今くらいの季節というのは日によって寒くなったり、むしろ暑くなったりと、気温の変化が激しいため、人体もその変化に合わせて交感・副交感の入れかえをどんどん行わないといけないのです。
これによって上手く体温調節ができないと「風邪をひく」ということになります。
記事のタイトルに「気象庁のせい」とも書きましたが、
メディアを問わず、天気予報では「今日は11月上旬並みの寒さになるでしょう」や、「一枚羽織るものを持って外出するといいでしょう」というようなアドバイス(注意喚起?)を行うことがあります。
※今日のNHKラジオの天気予報でも言っていました。
しかし、その通りに服を着込んで外を歩いてみると、むしろ暑く感じることがあります。今日の東京は雨が降っていますので湿気もあり、外数分歩いているだけで(着込んでいることもあり)暑く感じました。
こうなると「温めなきゃ」という神経作用から急に「暑いので体温を下げよう」という作用が働きます。
これによって風邪をひいてしまうということになるのです。
風邪をひいたのは基本的には自分のせい(自分の身体の調節能力の無さ)ですが、気象庁のせいという言い方もできるわけです。