タレントの小島瑠璃子さんが「筋トレしている人」への自身の見解をインスタグラムライブで板野友美さんとの会話の中で発現したことが大きな話題となっているようです。
実際にそのライブ映像を見ながら解説している動画もあり、私もその映像を見たのですが「その話し方」がいかにもバカにしているようにしか受け止められないもので、これは世間の反感を買っても仕方がないなと感じました。
ただ、世間一般には小島さんを同じ意見を持つ人も多いことは確かです。
新聞記事に掲載されている小島さんの各発言について解説しながら私の思うところを書いていきます。
まずこちらですね。
「筋トレって、世界で一番意味わからない。努力の方向が、筋トレじゃなくて、筋肉がつく何かをやればいいと思う。ラグビーやってて筋肉がつく、とか、格闘技やってて筋肉がつく、っていう方が好き。」
「筋肉がつく何かをやればいい」ということですが、
その「何か」がどれほどあるのかということです。
確かに競輪などの自転車競技の選手やスピードスケートの選手、あるいは体操選手などの体を見ると「筋肉がつくスポーツをやっているからそうなる」とも見れますが、選手として競い合うレベルまでやり込んでいるから「筋肉がついた体」になっているのであって、一般人がちょろっとやってみただけで同じ体になるはずがありません。
こういった発言をしてしまうということは、「ちょっと何か運動すればすぐに筋肉がつくのだろう」という考えがあるからだと思いますが、筋トレしている人ほど、筋肉は簡単にはつかないことを知っています。
実際に例に挙げたラグビーと格闘技ですが、こちらはむしろ逆ですね。
ラグビーという競技、格闘技という競技は「競技をやっているから筋肉がつく」のではなく「筋肉をつけておく方が有利(というか身体を作っておかないと話にならない)」なので、むしろ選手はガンガン筋トレをしています。
筋トレしてないラグビー選手、格闘家なんて「ゼロではない」というくらいの数しかいないでしょう。
次にこちらですね。
「男たるもの、見せるための筋肉じゃなくて使える筋肉を持っとけよって思う。だって、何かあったときに人の役に立つ筋肉の方が良くない? どうすんの、見かけだけのムキムキ」
小島さんは「見かけだけの筋肉には筋力が無い」と思っていることが考えられます。「見かけはムキムキであっても、大地震などで家屋が倒壊した時に瓦礫などをどかして救助の手伝いができる筋力が備わってない」ということなんでしょうが、それはただ小島さんが知らないだけですね。
見かけがムキムキな人は実際に力持ちです。
筋トレ実践者の間では著名な安治川正人さんのツイッターから引用させていただきますが、ご覧いただければ一目瞭然です。
👀💭💕 pic.twitter.com/zQMICFJ31B
— MONSTER JAPAN AJKW (@masato1029_) 2018年12月14日
交通事故で車の下敷きになってしまってもこれだったら大丈夫ですね。
まさに何かあったときに人の役に立つ筋肉 です。
男たるもの、見せるための筋肉じゃなくて使える筋肉を持っとけよって思う
についてですが、「筋肉に使えるも使えないもないこと」はフィットネスやスポーツトレーナー、アスリートの世界でも改めて言うほどがないほどの常識になっています。
こちらのまとめ記事が非常に参考になりますので引用させていただきます。
ちなみに「使える筋肉使えない筋肉」という本は過去に出版されており、今回の小島さんの発言のせいか、Amazonで現在品切れになっています。
とまあ
、揚げ足取りのように解説をしましたが個人的に私が取り上げたいのはやはりこの部分ですね。
筋トレって、世界で一番意味わからない。努力の方向が、筋トレじゃなくて、筋肉がつく何かをやればいいと思う。
申し訳ないですが、なぜ筋トレに関してはこんな発想になってしまうのか?理解が出来ませんね。
この発言の「筋トレ」を「勉強」に置き換えてみるとどうなるでしょうか?
「勉強って、世界で一番意味がわからない。努力の方向が、勉強じゃなくて、勉強になる何かをやればいいと思う」となります。
そりゃあ全国の勉強している学生は怒りますよね。
今回の小島さんの発言に反感を覚えたトレーニーたちはまさにそんな心境になったのだろうと思います。
勉強になる何かをやるのではなくて、勉強しているほうが良い成績が取れるし、受験にも合格しやすくなる、本を読んでも得るものが多くなるし、計算もできるようになれば仕事もできるようになる、就職でも勉強している人の方が明らかに選択肢が多くなって人生の可能性が広がる、から勉強するんですね。
筋トレも同じです。
筋トレになる何かをやるのではなくて、筋トレしているほうが体力がつくし健康になる、スポーツ系の趣味を年齢を重ねても続けられるし、身体が引き締まっていれば水着やその他いろいろなファッションも楽しめるようになる。つまり人生の可能性や楽しみが広がるんですね。
筋トレしている人へ向けて、小島さんの発言と同種類のものに「何を目指してるの?」というものがあります。
これも本当に疑問ですね。なぜ筋トレだけその発想になるのか?
そう思う方は、ジョギングしている人やゴルフをしている人、テニスや水泳をしている人にも訊いてみてください。
「何を目指してるんですか?」と。
別にプロ選手を目指しているわけでもないし、ジョギングもゴルフもテニスも水泳も極めたところでどうなるわけでもないですよね?
それでもそれをやっているというのはそこに何か面白さややりがいというものを感じて、それで続けているわけです。
筋トレも、同じなんですけどね。
小島さんの発言に戻ります。
筋トレって筋トレしてる人にとって聖域なんだってことがわかったよ ごめんよ
これなどまさに「筋トレ」をその他のものと別にみている気持ちの表れですね。
ゴルフってゴルフしてる人にとっては聖域です。
テニスだって、マラソンだって、それをしている人にとっては聖域です。
というか、何か変なものを見るような目でテニスやゴルフしている人を見ればみんな怒りますよね。「聖域」という言い方からも見下している感がまざまざと感じられます。
最後に・・・
「でもただの男性のタイプの話だからね、筋トレしてる人の人間性や本質の根っこから否定しているんじゃないんだよぉ。ムキムキが個人的にタイプじゃないだけなんだよぉ」
「だよぉ」だそうです・・・・。
この言い方が全てを表してますね・・・・。